長編小説の挿絵シリーズ

このサイトの小説置き場にあるDQ2長編小説の
挿絵と文章一部を抜粋してこちらで展示しております。
(小説ページにあるものと同じです)

現在25点
  

 「出会い」 

 「銀の鍵」

 「ラーの鏡」  

「王女マリア」 

 「ムーンペタ」  

「風の塔2」 

「ドラゴンの角」 

「ルプガナ2」

「ルプガナ3」

「アレフガルド」

 「竜王の城1」

 「竜王の城3」
マリア

 「竜王の城3」
アレン

 「竜王の城3」
カイン

 「ラダトーム城1」

「聖なるほこら」

「大灯台2」

 「海の財宝1」

 「海の財宝2」

 「ザハン4」

 「ローレシア1」

 「ローレシア2」

 「ローレシア4」

 「ローレシア9」
up

 「サマルトリア1」
up



 



目の前にいるのは、リリザの街の宿屋でのんきにシチューを食べている優男だ。
まさかこんな優男が探している魔法王子ではないだろうと思ったが、
ロトの印の法衣を着ている。

「出会い」より

 




 



「お前、やるじゃ」
「アレン!!!見た!!!??」

礼を言おうとしたアレンの声に、カインの嬉しそうな声がかぶさる。

「やった!やったよ、ギラができたよ!!!」

「お前初めて出来たのか?」
「そうだよ。ずっと練習してたんだけど、あんなに決まるのは初めてだよ!!」

「銀の鍵」より

 



 



「アレンだって、そうじゃないか。」

「はは。そうだ。まぁ俺は死なないけどな。お前は弱いからなぁ。」

「ひどい・・なあ。」

弱いと言われても否定はできないが・・。散々足手まといになっているのだから。
今だって一人休んでいたくらいだ。
アレンが足手まといは連れて行けないというのならば仕方ない。

「でも、そういってもらえて、俺は嬉しく思う。
 改めて、よろしくカイン。」

アレンはそういって拳を差し出した。

「・・・・!うん!・・・・アレン!!」

二人は拳をあわせて、協力を誓った。


「ラーの鏡」より

 





 



「カイン王子?」
目の前の少年に不思議そうに声をかけると、

「うわわ!!こ、これ!着て!」

真っ赤な顔のまま、自分に来ていたマントを引き剥がすように取り外して、
自分に羽織らせてくれた。

犬の姿をしていた自分は何も身につけない生まれたままの姿をしていた。

あられのない姿を見せていたことに気がついた私は周りを見渡した。

「周りには誰もいねーよ。」

見上げると青い少年、アレンも同じく赤い顔をして横を向いていた。


「王女マリア」より

 





 



「ちょっと待ってよ、アレン。それじゃあ宿代にもならないよ!」

「ん。だから、もう行こうぜ。」

アレンは外を指差した。

「えーーーーーーーーー!うそだぁ・・・・・。」

「うそじゃないって、装備もそろって、薬草も十分、道中の腹ごなしの果物もあるし、大丈夫大丈夫。
 な、マリア、行くんだろ?」

あまりの出来事に呆然としていたマリアであったが、笑顔で答えた。

「ええ、行きましょう!」


「ムーンペタ」より

 





 



カインは座り込んだまま、心臓がバクバクいうのを感じていた。

今はたまたま、奇跡的なタイミングで目覚めたアレンが助けてくれたが、
本当なら今頃塔の下の地面に叩きつけられている頃であろうか。

マリアをつかんだ手が震えていた。


「風の塔2」より


 






 



「あ、あれ!!あの辺がルプガナじゃない!?」

カインはふと右を見ると街を見つけた。
上空から見ると多くの建物が集まっている集落が見える。
海のそばにあるし、きっとあれがルプガナだろう。

「ねぇ・・・そしたら、あっちの大陸。あれがアレフガルドかしら!?」

マリアは空いている左手で指差した。東のほうに丸い大陸が見える。
勇者ロトが舞い降りて、勇者アレフが世界を救ったという
伝説の大陸が見えていた。

「おー・・あれかあ、待ってろよ。アレフガルドー!!」

ラーミアはいないが、こうやって空を飛んでると
アレフガルドも近くに感じた。すぐに行けそうだった。

眼下には運河が見えた。

「よっしゃあ!川を越えたぜええーー!!」



「ドラゴンの角」より


 




 



「カイン!また炎だ!避けろ!」

アレンがとっさに叫んだ。
でも・・・避けたらまた全員に炎が降りかかる。

そう思ったカインは、自分の左手を
火の玉が生まれつつあるグレムリンの口の中に突っ込んだ。

その直後、激しい炎の爆発が起きた。

もくもくと辺りを煙が立ち込めた。


「え!!・・・・お、おいカイン!」

一瞬何が起こったのかわからなかった。




「ルプガナ2」より
 




 



カインはありったけの力をこめて魔法を詠唱した。

「なんだ?」

アレンは聞いたことのない魔法の詠唱に身構えた。
横で見ていたマリアも聞いたことがない魔法だった。

「これは・・・」

「炎の精霊よ・・・・我が手に集いて、灼熱の炎となり、全てを焼き尽くせ!!
 ベギラマー!!」

カインの手のひらからは、今までのギラとは桁違いの、
何人もの人を丸ごと包み込むような巨大な炎が発せられた!

「ルプガナ3」より

 


 



「別に・・・誰が何を思っても勝手だとは思ってる。
 それに、確かに俺はハーゴンを討つことを決意した。」

「うん。」

カインはムーンブルクの毒の沼地での、
アレンの決意の宣言を思い出した。

「でも俺が立つと全世界がああやってロトの再来を夢見て
 あんな期待に満ちた目で俺たちを見るのか・・と思うと・・な・・・」

「勇者様は大変だよねえ。」

神妙な趣でつぶやくアレンに、カインは笑いながら言った。
その姿にアレンは憮然とした。 。

「アレフガルド」より

 




 



「アレン!カイン!下がって!!」

マリアはそれに気づくと二人に叫んだ。
その叫びを聞いた二人は反射的に後ろへと下がって
マリアのそばに戻った。

「な、なんだ?」

「も。もしかして・・・・。」

訳の分からないアレンと、真っ青な顔になるカイン。

「竜王の城1」より

 




 



マリアは杖を天にかざして、魔法の構えだ。
魔法を使えるのは、これ一回きりだろう。

「ええ・・・・行くわよ。マヌーサ!」

ありったけの魔法力をこめてマリアはマヌーサを唱えた。

「またそれか!」

しかし、マリアの出した幻惑の幻は再び竜王を包み込むことに
成功した。

「竜王の城3」より

 




 



「それを待ってたんだ!」

アレンは竜王の炎を目の前に見据えて、
銅の剣を下段に構えた。

「これなら、この剣でも・・・、ドラゴンは切れなくても、
 炎ならぶった切ってやる!!」


「いっけえええーーーー!!」


アレンの剣の切っ先が斜め上に一文字に
斬りあげられた。
そして、その剣の動きとあわせるように、
竜王の発する炎は斜め一文字に斬り開かれた。

「竜王の城3」より

 




 



カインも残り少なくなってきている魔法力の全てを
ここに賭けるつもりであった。魔法の詠唱を始め、
両手に魔法の炎が宿る。



「大口開けてたら、・・・・火傷するよ!!」

両手を竜王の口に突っ込んで、
全力で唱えた。




「ベギラマーーーー!!!」

「竜王の城3」より

 





 



「明日になったらホイミできんだろ?
 とりあえず包帯でも巻いとけば大丈夫だろ。」

「うん。ありがとー。」

アレンは荷物の中にあった応急処置用の包帯を
カインの腕にぐりぐりと巻いてやった。

「お前さー。自分でコレ出来ないから俺と同室にしたんだろ。」

「あはは。カッコ悪いよね。」



「ラダトーム城1」より

 



 



「ああ?だから、何の話だって!主語を付けろ、お前は!」

一人で納得した様子のカインにいらついたアレンは
軽くカインを一殴りした。

「あいた!んもー。やめてよ。
 だからさ、ロト3国に伝わっているはずのロトの道具のうち、
 ローレシアに伝わるものが何かが分からないって
 アレンそう言ってたでしょ?」

「ああ、なるほど!そういうことね!それなら分かったわ。」

マリアもようやく気づいた様子だった。
だがアレンはまだ首をかしげている。

「聖なるほこら」より

 




 



大きな風が起こった。

そして何かが、カイン達の前に立ちはだかり、
一息の元に、グレムリンの炎を真っ二つに切り裂いた。



こんな芸当ができるのは一人しか知らない。


「ア、アレン!!!」


炎が晴れていくと、思ったとおり
自分達がよく見知った後姿が見えた。

風のマントをつけたアレンであった。


「よお。無事か、お前ら!」


後姿のまま、アレンは右手を上げて二人に声をかけた。

「大灯台2」より

 




 



アレンは上半身裸になると、思い切り良く海に飛び込んだ。
ローレシアの兵学では水練もそれなりに重視されているので
アレンは泳ぎも達者であった。


一気に素潜りして泳いでいくと
沈んだ船が見えてきた。

宝箱もいくつかあった。
アレンが無理やりこじ開けてみると
中には金銀のネックレスなど貴金属などがあった。

あわてて水面に浮上してアレンは船の仲間に叫んだ。

「あったぞーー!!
 引き上げるから、網かなんか投げろーー!!」


「海の財宝1」より

 





 



カインは先ほどの衝撃で大量の水を飲み込んでいて、
今どちらが海面でどちらが海の底なのかも分からなくなっていた。

『失敗したなあ・・・。』

自分がしゃしゃり出なくても、きっとアレンはロトの剣を見つけてただろう。

『・・・こんな失敗してたら・・・きっと怒られるなあ・・・・』

誰に、とは考えず、ふとそう思いつつ意識を手放しそうになったとき、
強く自分の手が何者かに掴まれた。



「海の財宝2」より

 




 



「アレンの髭面が、ここのお父さんそっくりで、本当に良かったねえ。」

にこやかに悪気なくいうカイン。

「それ・・・褒めてんのか?」

「すっごい、褒めてるよー。」

「ああ・・・それ・・・髭なのね・・・・。」

マリアは初めて不可解なアレンの泥だらけの顔の真相を知った。

「わーらーうーなーー。これであの子は元気取り戻したんだからなー!」

「そ、そう・・・ね・・・っ!素敵なことねっ!!アレン、似合ってるわよ・・・っ」


「ザハン4」より

 




 





ふーっと息を吐いて、そして殊更大きな声でアレンは言った。



「俺達は勝つ!そしてまた帰ってくる!」



これは、・・アレンの父に対する宣言であった。
この命を懸けた宣言を父に向かってアレンは笑顔で言ったのだ。


「ローレシア1」より 


 




膝をついたままのカインはふと前後の視界が暗くなるのを感じた。
王妃がカインを抱き包んだのだ。

「え。え?」

「あのやんちゃのアレンの相手をするのは大変でしょう?」

「いえ!とんでもないです!アレンはいつも僕らを助けてくれます。」

「そう?それならば良いけれど。」

王妃は優しく笑って立ち上がった。
アレンの包容力は、この母に似たんじゃないかと思った。

と、感激していたところ、

「待て待て待てーー!!」

と、後ろから猛烈な勢いでアレンが突進してきた。



「ローレシア2」より


 



青い空が広がり、下には緑あふれる地表が見える。
凄まじいスピードでカインとマリアは急転直下、落ちていく。

「っ・・・!」

あまりの速さにマリアは息も出来ない。目も開けていられない。
目をつぶろうとし、ふと横のカインを見ると、ぶつぶつと魔法の詠唱を行っている。

もし、詠唱が間に合わずそのまま地面に叩きつけられたらどうなるのかと
妙に冷静な考えがマリアの頭をよぎった。

しかし次の瞬間、カインが何かを口にして、ふわりと体が浮き上がるのを感じた。

「ローレシア4」より

 



 



アレンは重い体に鞭を打って、
ゆっくりとだが、走り出した。

もうアレンには目の前の敵しか見えない。

「ホイミ!」

遠くから聞こえた声。
小さな回復の光がアレンの足を軽くした。

「べホイミ!!」

少し離れたところから聞こえた声。
少し大きな光がアレンの体を軽くした。

振り返らなくても分かる。
カインとマリアだ。

「ローレシア9」より

 



 



カインは目を丸くして、声の主を見上げた。
相手も目を丸くして、カインを見下ろしていた。

「や、どうも・・。」

思わずこんな間の抜けた挨拶になってしまった。

頭上にいる妹、マイはまだ目を丸くしていたが、
口もあんぐりと開けた。

その顔にカインはぷっと笑った。

「ちょっとちょっとお姫さま、締まりが無いよー。」

「お、お兄ちゃん!?本当に!?」

「うん。ただいまー。」

カインは手を挙げて答えた。

「サマルトリア1」より