【覚えられるコツも紹介!】オームの法則と分圧・分流を理解しよう
概要
オームの法則は電気回路の電圧・電流と抵抗値の関係を示した法則です。多くの方は名前くらいはご存知ではないでしょうか。
電子回路を設計するにあたっては非常に重要というか、これを知らないと回路に流れる電流すら計算できないので、ちょっとした電子回路を組んで動かしたい場合でも間違いなく困ることでしょう。
本稿ではオームの法則とその応用として分圧・分流について以下の通り解説していきます。
- オームの法則
- 応用例など
- 分圧
- 分流
- まとめ
誰が発見して発表した、などの背景となるストーリーがもっと詳しく知りたい方はWikipediaなどを参照してください。
| Wikipedia | オームの法則 |
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オームの法則
オームの法則自体は非常に簡単です。任意の回路の2点間に掛かる電圧をE[V]、流れる電流をI[A]、抵抗値をR[Ω]としたとき、それらの関係は以下の数式によって表されます。
…これだけです。
これを変形することで下記の2つの数式も導くこともできます。
この3つの数式を真面目に覚えても良いのですが、E・R・Iの関係ということで、「えりちゃんマーク」として下記のような図で覚えると覚えやすいのではと思います。
このマークは、知りたいところを隠すとそれを求めるための数式が現れます。
たとえば電流値を求めたい場合、Iを隠すとE÷Rが現れますね。Eを隠すとR×Iが現れます。これらはいずれも上記の数式と一致します。このマークと見方さえ覚えておけばいいんです。
応用例など
下記も知識として知っておくと役に立つ場面が多いので載せておきます。
一部例外はありますが、いずれもオームの法則から導けるものです。
電子回路では負荷=抵抗と考えると話が簡単になる
とくに電源系を考える場合、電球だろうとICだろうと電力を消費するものは全部抵抗として考えます。
たとえば5.0Vの電源にICを接続して1mA(0.001A)の消費電流だった場合、オームの法則から 5.0[V] ÷ 0.001[A] = 5,000[Ω] と見なします。
電源から見ると、ICだろうと抵抗だろうと1mAの電流が消費されているのは変わらないのだから、抵抗として見てしまえ、という考え方です。
並列回路に流れる電流は、それぞれの経路の電流の合計になる
下図の通り電流が流れる経路が複数あるとそれぞれに電流が流れるので、消費電流としては全部の合計になります。
電源タップに家電をたくさん繋いだとき、消費電力がその合計になる、というのと同じです。
直列回路に流れる電流は、その経路内においては同じになる
下図の通り1本の経路に直列に抵抗が接続されている場合、電流としては全抵抗の合計分の電流が流れます。
抵抗が直列に繋がっているので、抵抗値は全部の抵抗値の総和として見なすことができるからです。
抵抗があるところに電流が流れると電圧が下がる(電圧降下)
たとえば下記のように10mA(0.01A)流れる回路に20Ωの抵抗を繋いだ場合、オームの法則より 20[Ω] × 0.01[A] = 0.2[V] の電圧降下が発生します。
これは抵抗の両端に0.2Vの電圧が掛かることを意味します。
たとえば電源が5.0Vの場合、抵抗の両端に0.2V掛かりますから電流源には残りの4.8Vが掛かっています。これが電流源ではなく抵抗であっても同じです。
下図のように電源が12.0V、R1=1.5kΩ(1,500Ω)、R2=6.5kΩ(6,500Ω)としたとき、この経路に流れる電流は 12.0[V] ÷ (1,500[Ω] + 6,500[Ω]) = 0.0015[A] と計算できます。
電流が計算できると、R1の両端には 1,500[Ω] × 0.0015[A] = 2.25[V] 、R2の両端には残りの 6,500[Ω] × 0.0015[A] = 9.75[V] が掛かることが計算できます。
消費電力P[W]はE[V]×I[A]で求められる
オームの法則からは外れますが、上式で消費電力が求められます。
これは抵抗で消費される電力の計算にも使用することができます。抵抗は電流を制限する素子ですが、電圧降下によって自身の両端にも電圧が掛かります。
たとえば下図のように電源を24.0Vとして電流10mAで LED(順方向電圧2.0V)を1本点灯させようとした場合、電流制限素子として配置された抵抗器によって 22.0[V] × 0.01[A] = 0.22[W] の電力が消費されます。
0.22Wというのは豆電球1個分にも満たない些細な数値に見えますが、小さなチップ抵抗器を焼損させるのに十分な熱量が発生します。扱う電圧が高いほど、少々の電流でも無視できないほどの電力を消費する ので注意が必要です。
分圧
直列回路と電圧降下のを合わせたような話になりますが、直列に接続した抵抗によって電圧を落とすことを分圧といいます。
抵抗値さえコントロールすれば簡単に任意の電圧を得ることができるので、信号レベルの調整や簡易的な電源などに用いられることも多いです。
もとの電圧をE、各抵抗をRxとしたとき、オームの法則によって各抵抗の両端に掛かる電圧は以下のように計算することができます。
分流
こちらは並列回路の話になります。
並列に接続した抵抗値の計算は、各抵抗を R1~Rxとしたとき以下の式で計算することができます。
これは各経路に流れる電流をオームの法則で計算して式を変形していくことで得ることができますが、文書で説明するとややこしいので下図を参照してください。しかしテストでもない限り、この計算プロセスを覚える必要はないでしょう。
(テストならお気の毒…頑張って覚えましょう。)
まとめ
オームの法則とその応用として分圧・分流について解説しました。
ここで解説した各種の法則は、回路設計などにおいて非常に重要なものばかりです。慣れてくると何も考えずに使うことができるようになるでしょう。