【誰でも簡単!】LEDの抵抗値を計算しよう
LEDの電流制限は簡単!
LEDの寿命を縮めることなく安定して光らせる方法を解説していきます。
- まずは情報を集めよう
- 電流制限を検討しよう
- 極性の見分け方と接続の仕方
- 適切な点灯方法
- やってはいけないこと
- LEDの接続方法あれこれ
- まとめ
なぜ光るか?などの理論的な解説はWikipediaや該当する論文などを適当にググればいいです。(投げやり)
| Wikipedia | 発光ダイオード(LED) |
|---|
…そんなのいいからとりあえずLEDに抵抗器を繋いで光らせればいい、という方はこれをどうぞ。
| 電源電圧(V) | LEDの色 | 抵抗値・定格電力 |
|---|---|---|
| 3.3 | 赤・橙・黄・黄緑 | 270Ω・0.1W以上 |
| 5 | 赤・橙・黄・黄緑 | 560Ω・0.1W以上 |
| 12 | 赤・橙・黄・黄緑 | 2.2kΩ・0.1W以上 |
| 24* | 赤・橙・黄・黄緑 | 4.7kΩ・0.2W以上 |
| 3.3 | 青・白・純緑・青緑 | ×(点灯不可) |
| 5 | 青・白・純緑・青緑 | 330Ω・0.1W以上 |
| 12 | 青・白・純緑・青緑 | 1.8kΩ・0.1W以上 |
| 24* | 青・白・純緑・青緑 | 4.7kΩ・0.2W以上 |
*この電圧で抵抗器による電流制限はお勧めしません。
まずは情報を集めよう
LEDに接続する抵抗値を計算したり回路を設計したりする前に、最低限下記の情報を調べましょう。
- ピンアサイン
- 順方向電圧
- 定格電流
- 放熱の必要性
これらはLEDのスペックシートに書いてあります。各項目の意味を書いておきます。
ピンアサイン
LEDには極性があり、一般的には足が長い方が+極(アノード)、短いほうが-極(カソード)です。
「カソード側が電極が大きい」と言われていますが、物によってマチマチなので信用してはいけません。怪しい場合はスペックシートで確認しましょう。

順方向電圧
英語ではForward Voltageと呼ばれるので、スペックシートには「Vf」と記載されていたりします。要は点灯させるのに必要な電圧です。
「順方向電流」または「Vf」欄で「Typ.」や「Typical」という部分に記載されている電圧を見ます。
「Absolute Maximum Rating」とか「絶対最大定格」という欄を見てはいけません。
ここを見て計算するとLEDがすぐに壊れてしまいます!!
表示灯用途の場合限定ですが、スペックシートが入手できない場合は下記の値を参考値として使用すると良いでしょう。 ※照明用途のLEDは部品の焼損や火災の原因になるので、下記を参考にせず必ずスペックシートで確認してください。
| 発光する波長・色 | 順方向電圧 |
|---|---|
| 赤外線 | 1.4V |
| 赤・橙・黄・黄緑 | 2.1V |
| 青・白・純緑・青緑 | 3.5V |
| 紫外線 | 5.5V |
LEDは電源電圧を0Vから徐々に上げていくとある電圧を境に点灯し始め、そこから少し電圧を上げるだけで急激に発光輝度と消費電流が増加する特性があります。
電圧がわずか数十mV変動するだけでかなり消費電流が増減し、明るさもそれに伴って増減します。
もし素性がよく分からないLEDを使用する場合は上記を参考に実際に点灯させてみて、輝度と消費電流を見ながら推測しましょう。
同じ型番のLEDでもかなりのばらつきがある上、周辺温度によってもばらつきが生じるので非常に厄介なパラメータでもあります。
「LEDの輝度ばらつき」はいわゆるVfのばらつきによるものです。
定格電流
推奨使用電流のことです。スペックシートには「順方向電流」とか「Forward Current(If)」と記載されていたりします。
LEDはたいてい抵抗器とか電流制限する部品と一緒に使いますが、これは順方向電流以下に制限するために付けているのです。
スペックシート通りの電流を流すと明るすぎる場合が多いので、表示灯程度の目的で使用する場合は 35mA(0.0030.005A) 程度で良いでしょう。
電流を多く流すほど明るさが増します。その分、発熱も大きくなります。
照明用途の場合、数百mAから物によっては数A流すように設計されているものもありますが、その際は放熱にも気を遣う必要があります。
発熱に気を遣わずに使うと知らずに触って火傷したり、火災の原因になることがあるので注意!!
放熱の必要性
表示灯目的で数mA流す程度は気にしなくて良いです。
が、照明用途で数百mAから数A流す場合は気にしないといけません。場合によってはアルミ基板にLEDを実装してヒートシンクを付けたり、ファンで強制空冷する必要があるでしょう。
放熱に気を遣う必要がある場合はスペックシートに「放熱に注意して」「熱的条件に注意」とか書いてあります。
もし適切な放熱が行われない場合、LEDの寿命を大きく縮めるだけでなく、火災の原因になることもあります。
もしこの辺の事情がよく分からない場合は、諦めて市販製品を購入するか、放熱設計ができる専門の人に設計を依頼しましょう。
お金を出せばそれなりの物が手に入る時代なのですから、リスクがあるのに自分の知識だけで何とかしようとする必要はまったくありません。
電流制限を検討しよう
順方向電圧(Vf)と順方向電流(If)がわかったら、電流制限の方法を検討しましょう。
「LEDといえば抵抗器!!」と思いがちですが、要は電流制限ができればいいわけで他にも方法はいろいろです。
この記事では抵抗器をつなぐ方法と、CRDをつなぐ方法の2通りを紹介します。
抵抗器をつなぐ

ごく一般的で安価な電流制限方法ですね。
電圧によって抵抗値を変える必要があるので注意してください。抵抗値は以下の式で導くことができます。
ピッタリの値の抵抗値がない場合がほとんどですから、その場合は近い値でより抵抗値の大きいものを選びます。
回路図にすると以下のように接続します。簡単ですね。
上の回路は電源を逆に接続するとLEDが壊れてしまう可能性があるので、以下のようにダイオードを接続して保護することもできます。
定格電力に注意!!
抵抗器は自分が電力を消費し、発熱することでLEDの電流を制限しています。
もとの電圧が高いほど抵抗器で消費される電力が増え発熱するので、最低でもその電力の2倍の定格を持った抵抗器を使用してください。抵抗器で消費される電力は以下の式で計算できます。
10V以上の電源に繋ぐ場合はとくに注意が必要ですが、抵抗器は後述のCRDと比べて大電力に耐えられるものが比較的安価に入手できるため放熱ができる場合は使われたりします。

…が、上写真のように大電力に耐えられる抵抗器は非常に大型ですし誤って触ると火傷をすることもあります。専用ICを使った方法も同時に検討した方が良いでしょう。
CRDをつなぐ
CRDは下記写真のようにダイオードと外観がよく似ています。ダイオードと同じく、カソード側に帯が付いています。

LEDもCRDもアノード側→カソード側に電流が流れるように接続するだけです。
ただし、逆に接続するとCRDは電流制限の働きをしないばかりか、LEDに逆電圧が掛かって壊れることがあるのでダイオードを接続して保護した方が良いでしょう。下図に回路図を示します。
こちらも定格電力に注意!!
CRDは必要電圧以上でないと電流制限が正しく働かない特性がありますが、逆に電圧が高すぎてもCRDで消費される電力が増え、それはすべて熱に変わるのでCRDの定格電力に注意が必要です。
CRDで消費される電力は以下の式で計算できます。
小さいCRDはの定格電力は200mW(0.2W)程度です。安全のため、最低でも50%の余裕をみて0.1W以下に抑えます。小さなCRDは12V以上では使えない、と思った方が良いです。
もし計算で余裕がないことがわかった場合は、より定格電流の大きなCRDを使うのが良いでしょう。0.5W以上になる場合は専用ICや専用回路で点灯させた方が安全です。
LEDの接続方法あれこれ
複数個のLEDを同時に光らせたい場合、以下のように接続することができます。
ただし下記は電流制限にCRDや抵抗器を使用した場合です。専用ICや専用回路を使用している場合はその使い方に従ってください。
並列接続
並列に何個もLEDを接続していく方法です。基本的にLED1素子に対して、電流制限素子を1つ直列に取り付けます。
横着をして、複数のLEDに電流制限素子を1つだけ、というのはうまくいきません。
下記の例でたとえば1つのLEDに5mA流すとして15mA流れるように抵抗値を計算したとしても、順方向電圧のばらつきによって各LEDを流れる電流は均等にはなりません。
電流が均等でないということは、明るさにばらつきが生じることを意味します。 コスト最優先で明るさのばらつきが許容される場合であっても、LEDの寿命に差が生じて管理が難しくなる可能性が高いのでやめた方が良いでしょう。
直列接続
LEDを複数個直線状に接続する方法です。
直列に接続した LEDには同じ電流が流れるため、1つのラインで明るさのばらつきが生じにくい利点があります。
ただし点灯させるためには、直列に接続したLEDの順方向電圧をすべて足した電圧が必要になります。
たとえば順方向電圧が3.1Vの白色LEDを20個直列に接続すると、62Vもの電圧が必要になります。しかし順方向電流が上がるということは電流制限抵抗の消費電力を減らせるというメリットもあるので、電源電圧に応じてLEDの個数を適切に設計すると省エネ化することもできます。
直列接続を並列に接続
直列接続を複数個並列に接続する方法です。とにかくたくさんのLEDを点灯させたい場合によく用いられます。
照明用途のLEDは内部でこのような接続方法になっている場合が多いです。
適切な点灯方法
さて、ここまでの説明で、LEDを電源に繋いで点灯させることはできるようになりました。ここからはLEDをいかに長持ちさせるか・なぜ抵抗器などの電流制限が必要なのか、という内容です。
LEDは一般的に以下のような急しゅんな電圧-電流特性を持っており、電球のように何も考えずに電源に接続すると、多くの場合まったく点灯しないか、大電流が流れて焼損してしまいます。
そこで、できるだけ定格電流付近の分だけ流れるように何らかの手段で電流制限を行うのが普通です。
電流制限を行う方法は大きく分けて以下の3種類あります。
- 専用ICや専用回路を使う
- 電流制限素子(CRD)を使う
- 抵抗器で電流制限する
それぞれのメリットとデメリットを示していきます。
専用ICや専用回路を使う
LEDドライバと呼ばれる専用ICや専用回路を用いてLEDを点灯させる方法で、紹介する方法の中では最も高機能で安全です。スマートフォンのLCDバックライトや照明用途のLEDはたいていこの方式で点灯されています。
様々なICや回路があるので本稿で詳しく語ることは控えますが、コストが高いため表示灯用途で使われることはなく、ほとんどが照明用途です。
比較検討用にメリットとデメリットだけを示します。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | ・電流を設定するだけで、その電流が流れるように自動制御してくれる。 ・明るさを比較的自由に動的に制御することができる。 ・電力効率が良いのでバッテリーなどで点灯させる場合、電力が無駄にならない。 ・ICや回路によってはLED切れや未接続・ショートを検出する機能を持っているものもあり、安全。 |
| デメリット | ・機能を実装するためのコストがかなり高い。 ・ICや回路を実装するために面積を食う。 ・専用ICを使う場合はLEDだけでなくICのスペックシートも読み解く必要があり、設計難易度はかなり高い。 |
電流制限素子(CRD)を使う
定電流特性を持った電流制限素子(CRD)を使う方法です。簡易的な方法でかつ電圧が変動しても明るさを一定に保ちたい場合によく用いられます。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | ・一定以上の電源電圧が確保できれば、電圧が変動してもLEDの明るさを一定に保てる。 ・部品自体に電流値が決まっているので、回路定数を計算する必要がなく使い勝手が良い。 ・発熱すると電流が下がるので、ある種の安全回路のように働く。 |
| デメリット | ・極性があり、抵抗器よりも若干高価。 ・定格電力から使用可能な最高電圧が決まっていて、高電圧では使えない。 ・余分な電圧を熱に変えることで電流制限しているので、電圧が上がるほど効率が悪くなる。 ・電流値に±20%程度のばらつきがある。 |
抵抗器で電流制限する
ただ抵抗器で電流制限するだけの古典的な方法です。コストが安価で回路も簡単なので、表示灯用途では最もよく用いられます。
しかし電圧が上がるほどデメリットが無視できなくなるので、他の方法も検討する必要性が生じます。
| 内容 | |
|---|---|
| メリット | ・抵抗器 1 本で済むので非常に安価。 ・極性がない。 |
| デメリット | ・点灯させる電圧によって抵抗値の計算が必要。 ・高電圧で使用する場合は定格電力に余裕のある抵抗器が必要。 ・余分な電圧を熱に変えることで電流制限しているので、電圧が上がるほど効率が悪くなる。 |
やってはいけないこと
LEDは半導体デバイスなので、手荒に扱うと簡単に壊れてしまいます。一般的に下記に気をつけて扱う必要があります。
リード(部品の足)に無理な力を加えない
挿入タイプのLEDの場合、下記写真のように部品からリードが出ていますが、部品の根本を無理に広げたり引っ張ったりするとパッケージの樹脂が割れることがあります。
また、リードに力が掛かった状態で固定されていると、はんだ付け後や点灯中など樹脂が熱で柔らかくなったとき徐々にヒビが入ってくることがあります。
樹脂にヒビが入ると耐湿性は極端に低下しますし、ヒビが部品内部の素子まで至ると破損して点灯しなくなります。

放熱に気をつける
LEDは非常に熱に弱いです。高温にさらされることで部品内部の半導体構造が徐々に破壊され、それに伴って輝度が低下していきます。
部品のスペックシートを読んでも、○○°Cで壊れる、とはっきり書いてないことが多いですが、部品表面の温度がおおよそ80°C程度を超えることは好ましくありません。
これは使用環境の温度ももちろんですが、はんだ付けをする際の熱や点灯中の発熱での温度上昇も含まれるので注意が必要です。
たとえば照明用途で大電流を流して高い発光輝度を得ようとする場合、驚くほど発熱するので適切な放熱を行う必要があります。表示灯などそれほど輝度が必要のない用途では、適切に電流を制限して発熱を抑えることで半永久の寿命を得ることができるでしょう。
逆電圧を印加しない
LEDは電源に極性があります。逆に接続すると、いとも簡単に壊れてしまいます。
静電気に気をつける
半導体デバイスは一般的に静電気に弱く、LEDも例外ではありません。
通常はそれほど気をつけなくても破損に至ることは稀ですが、静電気によるダメージで輝度が極端に落ちる・消費電流が異常に大きくなる・まったく点灯しなくなる、などの現象が起こることがあります。いったんこのような状態になると、元に戻ることはありません。
アースに接続したリストストラップを取り付けて扱うことが理想的ですが、取り扱う前に金属の窓枠に触れたり、雨の日など湿度が高いときに取り扱うなど工夫をすると良いでしょう。
まとめ
寿命を縮めることなく、安定して光らせる方法をいくつか解説しました。
LEDはあらゆる場面で使われる部品なので、本稿で解説した知識はきっと様々な場面で役立つことでしょう。
もし正しく点灯しないなどの問題が起こった場合は、基本に立ち返って本稿やオームの法則などを振り返ってみてください。