心は水物。
漫画家の芦原妃名子さんの訃報が、波紋を広げていますね。

「思い留まって欲しかった」なんて話もありますが…。
悲しいかな、芦原さんの訃報に対する反応以上に、彼女が置かれていた「原作とドラマ化の脚本問題」に対して共感する意見が多いのもまた事実。
こんな形でなければ露呈しないような闇の深い問題なのだと、改めて痛感します。

芦原さんの今わの際の思惑は、想像するしかありませんけどね。
ただ、彼女が投じた一石が、業界の問題にどこまで切り込んでいけるのか。
せめて何らかの形で良い方向に向かっていければいいなと、願わずにはいられません。


<「海猿」原作者が苦悩を告白 主演の伊藤英明が放った失礼すぎる一言>

「海猿」「ブラックジャックによろしく」などの作品で知られる人気漫画家の佐藤秀峰氏が2日、自身のnoteを更新し実写化に至る様々な苦悩を明かした。

佐藤氏によると「ブラックジャックによろしく」は連載開始から2年経たずにテレビドラマ化され、「海猿」もその少し後に映画化。
出版社が企画を進め、詳細を聞かされない中で企画が決まっていたという。
話が進む中、内心は嫌だったが、映画化は名誉なことだという固定観念から契約書に判を押したという。
あれだけの大規模な映画「海猿」でも原作使用料は200万円だったと明かした。

《試写会に呼ばれたかどうか記憶が定かでありません。映像関係者には一人も会いませんでした。脚本? 見たことがありませんでした》

"心が壊れる"と思い、漫画と映像は全く別物と考えるようにしたという。

《映画はDVD化されてから観ました。クソ映画でした。僕が漫画で描きたかったこととはまったく違いました。》

結局「海猿」は第4弾まで大ヒットしたが、佐藤氏が一度映画の撮影現場に見学に行った際のエピソードも明かしている。

《プロデューサーが主演俳優を紹介すると言うので挨拶に行きました。撮影前だったらしく、その俳優はピリピリしていました。プロデューサーが話しかけると「原作者?しゃべんなきゃダメ!?」と吐き捨てました。嫌なヤツだと思いました》

佐藤氏は、その後テレビ局にアポなし取材を受けたり、関連本を無断で出版されたり、嫌な事が重なったため、契約更新をしなかったという。

そして映画「海猿」が消滅すると、批判が来て、「死ね」「売ってもらったクセに思い上がるな!海猿はファンのものであってお前のものじゃない!」などと中傷を受けたという。

佐藤氏は最後に
《芦原さんについて「繊細な人だったんだろうな」という感想をいくつか見かけました。多分、普通の人だったんじゃないかと想像します。普通の人が傷つくように傷つき、悩んだのだと思います。》
と思いを巡らせた。

…というお話。

個人的に、原作者はその作品の神様だと私は思ってるのです。
自分が世に送り出したもので喜ばれればもちろん嬉しいし、嫌な思いをすれば関係を断ち切る事だってある。
嫌な言い方をするならば、水物なんですよね。

だから、原作者に吐き捨てたり中傷してくる人の思考が理解出来ないんです。
原作者に敬意は払っていない時点で、少なくとも作品のファンではないでしょうし。
俳優のファンだと言うなら、他の主演作品でも見ておけばいいだけの話だし。
じゃあ、神様に文句をつけてくる人達は一体どういう立場の人達なんだろう?って思う訳です。

佐藤秀峰氏のエピソードには、色々考えさせられますねえ。
ピリピリしていて余裕がない俳優さんも、人気が出てきて図に乗ってる俳優さんもいるでしょうから。
俳優が一人転がっているだけじゃ映画が出来上がるはずもないんですけどね。
前者後者関わらず、そういうのを忘れてしまっているのかと思うと、些か哀れだなって。



闇があるから光がある。そして闇から出てきた人こそ、一番本当に光のありがたさが分かるんだ───小林 多喜二
2024.02.04 16:14 | pmlink.png 固定リンク | folder.png 時事・ニュース

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