はじまりと終わりの話 14



「おい!おい、カイン!」

アレンは倒れたカインに慌てて声をかけ続けた。

どうする、どうしたらいい!?
そう思い悩んでいるとき、
大体答えをくれるのはカインの方だ。

「だ……だいじょうぶ……。
 アレン……。」

苦しそうな息ではあるが、
ゆっくりとカインは応えてくれた。

「大丈夫か?
 意識はあるんだな!?」

その問いにカインがこくりとうなずいてくれた。
良かった、大丈夫だ、大丈夫だ、とアレンも自分の心を静める。

「どうしたんだよ、お前もしかして……また……。」

胸をおさえ、苦し気に咳き込んだりする様子が、
以前カインを苦しめていた病気の様子に似ていた。
不安そうな表情のアレンに、
カインは薄く笑った。

「違……て、さっきのダメージが、
 胸に、来ただけ……。」

先の戦いで大魔神がカインを蹴りつけて踏みつぶそうとした。
そのダメージだと言う。

「平気……だから、
 だか……ら、アレン、は……行って。」

「は?」

カインは一瞬アレンから身をよじるようにして、
離れようとした。

「ほら……、行って、追いつけるよ。」

荒い息の下でそんなことを言う。
自分を捨てて、先に行った勇者アレル一行を追えと。

「何言ってんだ。お前ぶっ倒れたくせに
 放っておけるわけないだろ。」

「僕、なら……だいじょ……ぶ。
 はぁ……、リレミトも、ルーラも、できるん、だよ?
 あと、で……合流、しよ……?」

消え入るような声で、息も絶え絶えだ。

喋ってるうちにも、
顔も血の気を失ってきて、意識が遠くなったように
地面に倒れ伏せそうになる。
アレンは慌ててそれを支える。

「お前は何を馬鹿言ってるんだ。
 ほら、一刻も早くここから出るぞ。」

そう声を掛けるが、青白い顔で、はーはーと肩で息をして、
今度は返事がなかった。

大丈夫だよな……?
元の世界に、マリアのもとに、帰るんだもんな?
だから、死ぬわけないよな?

ふいにアレンは強い不安に駆られた。
もう早く退却しよう。
倒れるカインに左肩を貸して、
アレンは立ち上がった。

「ちょっと我慢しろよ。」

本来であれば、塔からの脱出は入口へと戻るか、
カインのリレミトの魔法を使うかであるが、
そんな悠長な時間もない。

風のマントを身に着けてる状態なのだ。
今ならこのまま、この吹き抜けから飛び降りることができる。

「行くぞ、しっかりつかまってろよ。」

カインに呼び掛けるが、
今度は否定も肯定もしないし、何も答えない。

アレンはその様子に意を決した。
返事はまたずにカインを支える手にぐっと力を込めて、
一二歩の助走と共に、塔から飛び降りた。

そして、一気に空へと羽ばたいた。

先ほどからの悪天候で、
薄暗がりの上、大雨も降っている状況だ。
視界は悪く、少し先の海も良く見えない。

風も強いし、このまま流されたらどこへ行ってしまうか危険だ。

だが、そんな光景を、アレンは危機感よりも何故か不思議な感覚でとらえていた。

眼前に広がる空も海も真っ暗闇だった。
どこがその境目かも分からない。

周りから聞こえるのは轟々とした雨音だけ。

自分たちのこの浮遊感もあり、
ここが現実ではないどこか別な世界であるかのような気がした。

この光景は、夢か幻か、世にいう魔界か何かなのか。
一体自分はどこへ来てしまったのであろうか。
見知らぬ世界に来てしまったような、
そんな妙な感覚を覚えた。

だが、左肩に感じる重みに我に返った。
ぎゅっと目をつぶっているカインの重みだ。

ボーっとしてる場合じゃない、しっかりしろ。

アレンは何度か首を振って、
たたきつけるような雨の降る視界の悪い空を睨みすえた。




そして海に墜落することもなく、
風のマントの絶妙なコントロールで、無事に地面に着陸することができた。

さて、ダンジョンを脱出できたのは良いが、
雨避になる洞穴も何もないこんな小島で、
とても野宿なんてできない。

カインが元気なら、ルーラなり使ってどこへでも行けるだろうが、
相変わらず重く目を閉ざしたままで
呼吸もか細く不安な状態だ。
無理に起こして魔法を使わせられるような状況でもない。

船ならアレル達の船が停泊しているが、
勝手に乗り回すわけにもいかない。

はー。足がない。

俺ってやっぱり一人じゃなんもできないんだよなあ。

アレンは、ため息をつきながらそんなことを思いながら、
何かないかと道具袋に手を突っ込んで、ふとなにかを掴んだ。

案外世の中には、渡りに船という言葉があるもんだ。
そう、この旅で自分たちはちょうど『キメラの翼』を手に入れていたのだ。

「はは……。」

思わず笑ってしまった。
いつか使う機会があるかもしれないと思ったが、まさに今だ。
助かった。

こんなところでいつまでも濡れてられるか。
行き先は、どこにするか。
ああ、もうどこでも良い。

アレンは慌てつつも迅速に判断した。

塔に来る前滞在していたマイラの町へ。

道具袋からキメラの翼を取り出すと、
アレンはそれを天に投げ上げた。






+++

彼の隣で、一緒に、一歩でも歩んでみたかった。
それはとても楽しくて尊くて貴重な時間だった。

涙が出るような眩しい時間で……。

「…………。」

カインはうっすらと目を開けた。
ふいに眩しさを感じたので、朝なのかと思ったが、
申し訳程度についている部屋のランプの光のようだった。

そう言えばこの世界は朝なんて来ないんだった。

冷静にそんなことも思ったが、
ここがどこで今自分が何をしているのか思い出せない。

「えーっと……。っ……!」

体を起こそうとすると、
胸に肺をわしづかみされるような激痛が走った。

「あっ、つ……?
 ゲホ、げほっ……!」

痛い、その痛みに、思わず声をあげてしまった。
変な汗が額から流れてきた。

「カイン……?
 起きたのか?」

咳き込んでいるとソファで休んでいたらしいアレンが
慌てて駆け寄ってきて背中をさすってくれた。
待った、ここはどこなのだ?
カインは周りをちらりと見まわした。

目を覚ましたかと、アレンが顔を覗き込んできたが、
その顔を見上げてカインは不思議そうな顔をした。

「アレン?
 アレンは…… アレルさまと一緒に、行ったんじゃ……ないの?」

「は?」

「ここ……は?」

どうもカインの意識はルビスの塔で、
アレンに先に行けとを懇願したところで途切れているようだ。

「行かねえって言っただろ。
 お前がこんな状態なのに放っておけるかよ。」

「……けど……。」

カインは何かを言おうとしたが、
口をつぐんで、横を向いてしまった。
そうか、アレンは結局行かなかったのだ。
自分を気にして、町まで引き返したのだろう。

「ごめん、僕……のせいだね。
 ……げほっ、げほっ。」

「大丈夫か?医者でも呼んでくるか?」

そしてアレンはカインが目覚めるまでずっとそばに付きそってくれていたようだ。
見渡すとここはルビスの塔へ行く直前に立ち寄っていたマイラの宿の一室のようだ。

アレンが連れてきてくれたのだろう。

「ありが、とう。
 何も、い……いらないよ。」

「だけどすげえ具合悪そうだぞ。
 お前ってすぐに何でもないとか言うけど、俺は騙されないぞ。」

顔色も悪いままだし、話をするのも辛そうで熱もあった。

そもそもなんでこんな状況になったのか、
アレンはどうしてもカインの様子が気がかりだった。
それに、こういう時自分は何もできない。

ただ、カインとしては別にアレンに何をしてもらおうとか思ってはいなかった。

「違……う。薬なら、あるから、だから良い。」

だから、医者なんて呼ばなくても良いと言う。

「えっ、そうなのか?」

「その、中。」

「え……どれだ?」

指さされるままにカインの荷物を漁ってみた。
持ち運ぶ道具類も大して多くない。
その中に見覚えのない小さな麻袋があった。
これか?

最初から薬なんて持ち歩いてたのかと、
アレンは眉を顰めた。

「お前、なんでこんな……。」

もしかしてずっと不調を隠しての旅だったのだろうか。
自分はまたいつかみたいにカインに無理を強いていたのだろうか。
命を削るような戦いをさせていたのじゃないか。
そんな後悔が脳裏をよぎる。

なんて声を掛けたら良いのか分からず、
顔を伏せたアレンの頬を、
何を思ったか、カインがぐいっと引っ張った。

「ったい!痛い、何すんだお前。」

「アレン、変なこと、考えて……ない?」

カインが真顔でアレンの方を見上げていた。

「?」

「僕、君の、そんな顔……を見るのは、
 こりごり……なんだ。」

「は?んなこと言ったって、お前」

ふっとカインが笑って見せた。

「だいじょうぶ、だから。」

「…………」

「絶対、死なないから。
 何回倒れたって、どうなったって、絶対、僕は…死なないから。」

「……お前…。」

安心させようとして言ってるのかもしれないが、
カインは何度も自分は絶対死なないとアピールしている。
その言葉の裏には、カインの背後の最も愛し大事に思っている人への思いを…感じた。

「本当だよ。
 だから、その変な……顔、やめてえええー」

言うなり、頬をさらに頬をぐいーっと引っ張った。

「って、痛いわ!痛い!
 いくら俺が頑強でももそんなところ鍛えてねんだよ。」

「はは、は……。
 やっとアレン、っぽい顔になった。」

カインはアレンに余計な心配を掛けさせたくなかった。

そう言っては力なく笑うと、
アレンから手を離した。

笑ってはいるが、この短い会話で
少し息を切らしているじゃないか。

あんまり安心する気にはならないのだが、
カインの強い思いを感じて、アレンは一度ため息をついた。

「悪態つけるんだから、大丈夫そうだな。
 もうお前喋ってないでその薬飲んで寝てろよ。
 朝飯の時間になったら起こすよ」


あえて大丈夫そうだと言った。

色々聞きたいのが本音であるが、
まずはこいつの体を治すのが先だろう。

有無を言わさずカインを布団に押し込めて、
憤怒の表情で「寝ろ!」とすごんでおいて、
これ以上ごちゃごちゃ言わせないように、
アレンも隣のベッドに転がった。

今までカインを心配して寝付けないでいたが、
ダンジョンに挑戦して魔物と戦ったりで、
アレンもそれなりに疲労感もあった。

しばしまどろんでいると、
いくらもしないうちに、アレンはその意識を手放した。


カインは隣のベッドに寝ころびながら、
アレンが眠ったことを確認した。

アレンの足を引っ張るのは嫌だったのに。
結局大事なところで、アレンの足を止めさせてしまった。

情けないなあ。
悔しいなあ。

ごろりと寝返って反対の壁側を向いた。

もう一度ゆっくり深呼吸してみる。
息が詰まって、引き攣れるような痛みがあった。

「………っ…。」

肺に穴でもあいたかもしれない。
血を吐いたのもそのせいだ。

カインは一度呼吸器を悪くしているので、
肺にダメージを受けやすい。
疲労があると咳が出やすかったりするので、
それで念のため薬は持ち歩いていたりした。

でも、このダメージは魔物の攻撃による外傷性の負傷によるものだから、
少しずつ良くなるだろうと、
そういう意味では楽観視していた。

「…ホイミ」

寝ころんだままで、こっそりと回復魔法を唱えると
胸をおさえたその左手がふわっと光った。






+++

朝と言っても、この世界では
爽やかな朝日を浴びて目覚めることもないし、
人々はよくこんな常闇の中で、
日々の生活を送っているなと感心する。

代わりと言っては何だが、この旅では、
アレンは朝になるとカインの作る朝食の匂いで
爽やかに目覚められるのだ。

世の人々も朝は同じパターンだろうか?などと思いつつ、
アレンはふと目を開けた。

「……なにやってんだ、お前……。」

そして予想通りと言うか、予想外と言うか、
その光景に、アレンは呆れたように言った。

「あ、アレン、そろそろ起きる頃かなと思って。」

卓上には朝食が並べられていた。
パンとサラダとスープがあり、香ばしいコーヒーの匂いもする。
カインが朝食の用意をしていた。

「起きたら、飯だーって言うかなって。」

確かに、並んでいる飯を見ていると、
勝手に腹がなりだした。
いや、腹なんてのはならせたくてなるもんじゃなくて、
勝手になるもんなんだが。

「アレン、疲れてたようだね。
 よく寝てたよ。」

「いや、いやいやいや。
 何やってんだ。お前はどうなんだよ。」

さすがに昨日の今日で、これはないと思った。
睨みつけるようにカインを見上げた。

「飯の用意なんて俺がするから、
 座ってろ。」

一応昨夜よりは、いくらか顔色もよくなっているようだ。

だが、無理やり手を引いてカインを座らせると
顔をしかめて咳き込んだ。

「ほら見ろ、まだ調子悪いんだろ。」

「ゲホッ。
 はぁ、僕って本当駄目だね……。」

「ん?」

なんだか肩を落とした様子だ。

「心配かけて、ごめんね。
 胸の方は大丈夫。外傷でダメージを受けた分は治るよ。
 薬も飲んだし。」

「その、薬っての。
 お前ずっとそんなの持ち歩いてるのか。」

アレンは気になっていたことを聞いた。

「あー……。気になるよね……。
 前に体壊してから、一応ね、念のため持ってるんだ。」

カインが言うには以前に病気をしてから、
確かに昔みたいな無理が効かなくはなっていると実感があった。

そのうえで、自分の身の丈以上の魔法を使って
ここまで戦ってきた。
口に出さずとも、その負担も自覚していた。

「みっともなく、倒れるの、嫌じゃないか…。
 ってぶっ倒れたけどー。」

とか言いながら、カインがベッドに突っ伏した。
その様子にアレンは目を点にして、ふっと笑った。

「お前、本当、なんていうかあれだな。
 案外見栄っ張りだよな。」

「………そうかな…。」

「それで、限界ギリギリまで突っ走られて、
 倒れられる方の身になってくれよ。」

そう言いながら、アレンはつんつんとカインをつついて、は〜と息を吐いた。
どれだけ肝をつぶしたと思ってるんだ。

「ごめん。
 アレンの足、本当に引っ張りたくなくって。」

「引っ張られてねえよ。全然。」

「だって、僕がいなかったら、
 同行していたのが僕じゃなかったら、
 アレンはきっとアレルさまとルビス様に会いに行って、
 大魔王ゾーマを倒しに行ってたでしょ?」

カインの中でのアレンはまだ大魔王ゾーマを倒す勇者のようだ。
そのアレンの姿を一番近いところで見たかった…という後悔。

「違うだろ、買いかぶりだ。
 お前がいなかったら
 こんなところまで来れてねえっての。」

実際は、ちょっと小島から町へ帰ってくるだけでも、
アレンは四苦八苦するザマなのだ。
今までの旅の中でも、何度もカインに助けられたし、
カインがいなかったら、とてもこんな所まで来れなかっただろう。

呆れたように息をついた。

しかし、とりあえず、ひとまず話が出来て
アレンは状況に納得もした。

せっかく朝飯が用意されてるんだ。
腹ごしらえでもしよう。
アレンはパンをむんずとつかんで口にほおばって、飲み物で喉を潤した。
温かいパンはまだできたてのようで美味かった。
これなら何個でも食えそうだと、
もう一つにアレンは手を伸ばした。

「見てねえで、お前も食えよ。」

「うん。」

そう言って体を起こすが、
アレンが食事をしだしても、飲み物を一口飲んだだけだった。

「アレンは美味しそうに食べるねえ。」

「いや、俺の食べてる様子を観察しててもしょうがないだろう。」

アレンは一通り食事を取ると、
一皿分だけ残して、立ち上がった。

「お前のこれな。」

「ありがとう。」

アレンは使い終わった食器類を重ねた。

「これ、どこに片付けんだ?」

「あ、1階の食堂で借りてきたんだよ。
 返してくるね。っ……。」

そう言って立ち上がろうとして、
胸を押さえて思わず何度か咳をした。

「お前、本当にまだ調子悪いだろ。」

「……そうなのかな。」

「俺が返してくる。
 お前は飯食ってろ。
 食うもの食わないと、元気になんないからな。
 お前のことを俺以上にも心配するやついるんだからな。」

「………ありがと…。」

そう言って、アレンは盆に食器を乗せて立ち上がった。
扉を開けようとしたとき、背後からカインの声がした。

「こんなんじゃ、マリアに心配かけちゃうね。」

その言葉を、アレンは聞こえないふりして、
そのまま部屋を出た。


あのいじっぱりカインはマリアに心配かけるのを
特に嫌がる傾向がある。
元気になるためには、飯でも何でも食うだろう。

それは良い傾向なのかどうなのか、と思いつつ、
食器を返してから、ぼんやりと廊下を歩いていると、
前方から見知った4人組がやってきた。

「あ。」

思わず間抜けな声がでた。
相手もこちらを認めたようだ。返すように大きな声で指さしてきた。

「あー!」

やってきたのはルビスの塔の攻略を終えて戻ってきた
アレルたち勇者一行だ。

「あんた、我儘大王のアレン!」

顔をあわすなり、エナは嫌そうな顔をしている。

「はは。我儘大王ってひどい言い方だな、エナ。
 皆無事に帰ってきたのか。」

無事に、とはいったものの、
アレル達は皆一様に全身に負傷を負っていた。
回復役のクリスはエナに背負われていた。そのせいであろうか。

アレンが先に帰って来てから、もう12時間は経過している。
十分な治癒もままならないほどの過酷な戦いが続いていたのだろう。

「ちょっと、思わせぶり大王。
 私たち疲れてるの。そこをどいてくれない?」

「あ、ああ。悪い。」

アレンはエナに道を譲った。
そのままエナはすっと通り過ぎたが、
アレルは何故かちらちらとこちらの顔を何度か伺っている。

「どうした?俺の顔に何かついているか?」

「い、いや……。」

そう言ってアレルはすっと視線をそらした。

「アレル、大変だったようだな。
 ルビス様とは本当に会えたのか?」

アレンの質問にアレルは、
一度頷いて、そして違う事を呟いた。

「クリスが言った仮説は本当なのかもな。」

「仮説?なんの話だ?」

「ああ、いやこちらの話だ。
 なあ、アレン良かったら……。」

「良かったら?」

アレルは何かを提案しようとして、ジェフに制止されている。

「アレル、そんな事より、
 まずは傷を癒すことが先だろう。」

「ああ、そうだな。クリスもまだ眠ったままだったな。」

一行はダンジョンへの挑戦を終えて、
傷を癒しに休息を求めて宿に来たのだろう。

「お前たち疲れたんだろう?
 早く休んだ方が良いぜ。」

アレンもその様子を慮って、一行を案じてそう言った。

「アレンはこの宿に泊まっているんだな。」

「え?ああ、そうだ。」

「もうどこかへ出立するのか?」

アレンたちがどこかへ行くかを気にしているようだ。
だが、カインの体調もまだ戻っていないし、
しばらくはどこにも行きようがないだろう。

「まだ、ここにいると思うぜ。」

「そうか、じゃあ明日にでもお前たちの部屋に行かせてもらう。」

「……?
 あ、ああ。分かった。」

アレル達は何か自分たちに用事があるらしい。
アレンとしても、それは願ってもなかった。








- 続く -


2019/07/17

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【後書き】
うんじゃらかんじゃらとまだ続いていた。
カインは見栄っ張りの足を引っ張りたくないマン。




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