ルプガナ 1

「つ、着いた・・・やっと着いた。」

一行はとうとうルプガナに到着した。
ムーンペタを出てから、ここまで野宿ばかりで3人の体力は限界であった。


ルプガナは海に近い港町である。
漁業も盛んで、潮の香りがする。
人も多く賑わった町だ。


「無事着いたから、とりあえず宿屋いくか。」

疲れている二人にアレンは聞いてみた。

「やったね。ふかふかのお布団〜。」
「そうね、少し休息を取りましょう。」

「俺は腹も減ってるんだが。」

アレンは街につくと、その安心感から空腹だったことを思い出した。

「ちょっと休憩してから、食べに行こうよ。」

「そうだな。」



3人は町の中央の通りを歩いて宿屋を探した。

「本当に賑やかな街だな。」

「うん、きっと船も出してくれるよ。」

この街に来た理由は、アレフガルドをはじめ、世界中を旅できる船を
手に入れたかったのだ。漁業も盛んなようだ、きっと船は多いのだろう。




宿屋では、長旅の間にたまった軍資金がかなり多かったので、
今回は豪華にもそれぞれ一人部屋で休むことにした。

「じゃあ、一休みして晩飯のときに、集まれよー。」

「了解〜。」

「また、後でね。」

3人はそれぞれの部屋に別れていった。





+++





アレンは部屋に入ると、荷物を下ろした。

「は〜。一人部屋なんて何日ぶりだよ。
 カインと会ってからは、宿に入っても二人部屋だったもんな〜。」

靴を脱いで、上着も脱いで、アレンはベッドに転がった。

「ちょっと寝るか〜。あー寝る前に、風呂に行くべきかなあ。
 でも風呂はマリアが行ってるかな。後にするかあ。」

そういえばマリアは風呂に入りたがっていた。
やはり若い女性が風呂にも入れない旅ってのは大変だろう。

これからは船を手に入れて、ゆっくり休める場所を作りたいものだ。
まだまだ先は長いんだから、旅は快適であったほうが良いだろう。

「じゃあ、船には厨房もいるよなー。
 そしたら、飯作れるもんな。干し肉ばっかりじゃあ、体力がもたねえし。」

独り言は続く。
でっかい船が手に入れば良いんだが。

しかし船って何ゴールドくらいするんだ?

一国の王子であったアレンにはそのような経済観念は身についていない。

「ま、なんとかなるだろう。」

ふぁーあ。

「ねっむ。カインの奴は寝てんだろうなあ。そういえば、布団で寝たいとか言ってたし。
 貧弱なやつだよなー。」

ふと思い出す。

「そういえば、ドラゴンの角で、俺に何か頼みたいことがあるとか言ってたけど、
 ・・・なんなんだあれ?」

考えてみるが、思いつかない。

「刃こぼれでもしたのか・・・?刃を磨いでくれとか、そういうアレかな。」

・・・・・・

「わかんね。なんでも良いや。寝よ。」

アレンはしばしの眠りについた。








+++






目覚めると外が夕暮れ時となっていた。
体は大分回復しているようだ。
腹部から無意識にぐーという腹の音が聞こえる。

「・・・もう駄目だ、腹減った。そろそろ飯の時間だろう。」

アレンは階下の食堂に向かった。


「あ、アレン来た。」

食堂に入ると、入ってすぐの席にカインが座っていた。
マリアもいた。どうやらやはり風呂上りのようだ。

「なんだ、お前ら寝てなかったのか?」

風呂に入らず寝てたのは自分だけらしい。

「寝ちゃったら、きっと朝まで起きないわ。」
「右に同じ。」

なるほど。自分も腹が減ってなければ、朝まで寝ていただろう。

「でも横になってたから、結構回復したと思うよ。」

「そうね、眠らなくても、休んでるだけでもゆっくりできたわ。」

魔法力も尽きかけていた二人だが、その辺も少し回復したようで
顔色も良い。

「そりゃ良かったよ。じゃあ、飯飯。
 えーっと俺は・・・山盛り海鮮丼と、エビフライと煮魚と焼き魚を定食で!」

「アレン多!どんだけ食べるの!」

うるさい。
腹が減ってるとどんなメニューを見ても旨そうに見えるものだ。

「えっと、じゃあ私は海老たっぷりのサラダと、
 白身魚のマリネ。」

マリアは妙にお洒落なものを頼んでいる。さすが姫だ。

「じゃあー、僕は野菜ごろごろシチュー。」

「おま、何でここに来て、『野菜ごろごろ』だよ。せっかくなんだから魚食っとけよ!」

思わずつっこんでしまった。

「えー別に良いじゃない。僕シチュー好きなんだもん。」

そういえばリリザの街でもシチュー食ってたような気がする。
乳臭いやつだ。さすが空気を読まないのんき者、健在。



飯を食っていると、周りの話が耳に入ってきた。

「そういえば、宿屋は色んな人がいるだろうし、情報集めといた方がいいね。」

なるほど。飯を食いつつ、聞いてみよう。


食事を運んでいる給仕にカインが尋ねてみた。

「少しお伺いしたいんですが、船を出してもらいたいときはどこへ
 いけば良いんでしょうか?」

「街の北側の港から船は出ていますが、近海の漁業専用ですよ。」

漁業専用?こんなに海が近くて、近海にしか出ないとはどういうことだ?

「実は僕達アレフガルドまで船を出してもらいたいんです。
 出来ればその先も乗せてもらえる船を捜しています。
 どなたに相談すれば良いでしょうか?」

「え・・・・」

給仕はそこで固まってしまった。
どうやら周りがざわついている。俺達の話を聞いていたようだが、
何か変なことを言っただろうか?

「兄ちゃん達、アレフガルドへ行くって?」

後ろで話を聞いていたらしい大男が話しに入ってきた。

「ああ、行きたい。どうすれば出してもらえる?」

俺が聞き返すと、急に大男は大笑いしだした。

「何が、おかしいんだ。」

むっとして聞き返した。

「止めとけ止めとけ。今アレフガルドは死んだ大陸のようになっている。
 兄ちゃん達みたいなのが行っても死んじまうぜ。」

マリアはハッとした。まさかハーゴンの軍勢がアレフガルドをも
襲ったのだろうかと思った。

「まさか、ハーゴンの軍勢がラダトームを襲ったのですか!?」

ラダトームとはアレフガルドの大陸の中にある唯一の城下町であった。
俺達はラダトームには何度も行って、世話になっていた。

「ハーゴン?なんだそりゃ?」

「ムーンブルクという国を滅ぼした悪の元凶だよ。」

マリアとアレンの話に男達はきょとんとしている。違うのだろうか?

「いや、そんなのはシラネエが。
 あれだよ、俺は竜王が復活したと聞いたぞ。」

大男が答えたのは意外な答えであった。

「「「竜王!!!?」」」

3人は驚愕した。
竜王といえば、100年前勇者アレフが打ち倒したはずだ。
そして今この100年の平和が生まれたのである。
まさか、竜王が復活しているなんて話は初耳である。

「どういうことだ!?竜王が復活したとはどういうことだ!?」

アレンは大男につかみかかって聞いた。

「詳しくは知らねえよ。アレフガルドには今行けねえんだから。
 ただ船乗り達は皆そう言ってるよ。」

大騒ぎをしているアレンたちの周りに人が集まってきていた。

「俺も聞いたぜ。竜王の話。」

酒を片手に男がどっと3人割り込んできた。

「本当か?詳しく教えろ。」

アレンは今度はそちらの男に聞いた。

「違うって。竜王じゃなくて、大魔王だろ。」
「いやいや、本当に怖いのはあれだ。進化の秘法だ。」
「なんと魔王は変身するらしいじゃないか。お前見たことあるか。」

「な、なんだ?なんだ???」

アレンは混乱していた。結局何が出たんだ?

「アレンー、この人たちは酔っ払ってるだけみたいだよ。」

カインがこっそり耳打ちしてきた。
どうも、酔っ払い達は話が白熱して、喧嘩になってきている。
ただの酔っ払いの戯言だったのだろうか。

無駄な時間をつぶした。




そう思ったとき、最初に話に割り込んできた大男がアレンに告げた。

「竜王の話は本当さ。」

「え?」

「それから、船を出してもらいたかったら、長老のところに行くんだな。
 船の航海を取り仕切ってるのは全て長老だからな。」

そう言って、大男は去っていった。




- 続く -

2010/10/08
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続きます。続いてみます。
ちょっとルプガナではストーリーを動かそうと思ったりしてます。
うまく書けるかなあ。

でもまだこの辺はさほど原作からはみ出てません。



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