第16章サブプライムショック②



⑥8月16日(木)


ダウ平均終値12,861ドル(前日比-167ドル、-1.28%)
S&P500終値1,406.70ポイント(前日比-19.84ポイント、-1.39%)
ナスダック終値2,458.83ドル(前日比-40.29ドル、-1.61%)

米国市場は大きく下落し、さらに東京市場の寄付き前に不穏なニュースが流れます。



地合いの悪さも手伝って気配値はS安まで行ったようです。
三井住友FGは前日15日の終値で25日線乖離率-13.50%でした。

三井住友FGは8月6日に一旦底を付き、その時の乖離率は-12.46%でした。
おそらくBNFはこの乖離率の水準を予想乖離率として、再びこの乖離率近くになることを待っていことでしょう。
前日15日の終値で25日線乖離率-13.50%になり、BNFはチャンスと見たはずです。

そこから最後のカタリストである米国の影響でのGDがやってきます。
さらに数十億の損失と言う悪いニュースが出ました。

「ただでも反発するパターンに入ってる下げのきつい株が、アメリカ市場などの下げで朝安く始まる」(2004年4月18日23時40分)

というものです。
BNFが狙っていた逆張りのチャンスです。



三井住友FG時系列データ


参考
みずほFG時系列データ
三菱UFJFG時系列データ
りそなHD時系列データ


BNFは買いに行きます。

“14、15日に大きく下げていた銀行株のリバウンド狙いで買い”(ダイヤモンドZAi2007年11月号)
「16日はこの辺が底値かと、銀行を中心に買い」(SPA2007年10月2日号)
「今日(※16日)は朝一番に、銀行株を中心に大量に買いつけました。額にして100億円分ぐらいです」(東京スポーツ8月18日号)
「16日は、下げのきつい銀行株を中心に80億円を30銘柄に投資」(KING2007年10月2日号)

買ったタイミングは“朝一番”と書かれていますが、BNFは乖離率を使った逆張りの時は寄付き及びその直後に買って行くので、そのあたりで買ったのではないでしょうか。
三井住友FGは890,000円(前日比-3.26%)、25日線乖離率は-15.53%で始まり、BNFは870,000円で三井住友FGを買います。
日経平均は-179.21円(前日比-1.1%)の16296.40円(現物)で始まり、25日線乖離率は-6.15%でした。

日経平均時系列データ

ところがBNFの読みは外れます。
従来のセオリーが通用する相場ではありませんでした。

日経平均はGDで始まり、さらに下へ向かいます。
三井住友FGをはじめ銀行株も同様の動きでした。











前場終了です。



BNFが寄付きで買った銀行株も下がります。

「持っていた三井住友FG株は買値の87万円からさらに下がり、一時84万円台まで値下がりした」(KING2007年10月2日号)

銀行株だけでなく他の株も下がり、大きな含み損を抱えます。

“前場では1億5000万円の含み損に”(ダイヤモンドZAi2007年11月号)
“一時は損失が1億4千万円”(AERA2007年8月27日号)
「損失は一時1億6000万円までいきました」(東京スポーツ2007年8月18日号)
「午後1時の時点では含み損が持ち株全体で1億5000万円という状態でした」(KING2007年10月2日号)

メディアによって損失額はまちまちですが、1.5億円前後の含み損を抱えたようです。
損切りしなかったのは、乖離率を使った逆張りに自信があったのかもしれません。

後場、先物が大きくGDして始まります(当時の昼休みは先物も休み)。



ここから先物はリバウンドが始まります。



BNFが買っている銀行株はまだ売られます。







13時15分過ぎ、先物とともに銀行株にもリバウンドが来ます。







大引け間際、三井住友FGはじめ次々と銀行株がプラス転換します。
最後に押したため、三菱UFJFGとりそなHDはプラスで終えますが、みずほFGと三井住友FGは前日比マイナスで終わります。

四本値です。
みずほFG
始値646,000円、高値677,000円、安値621,000円、終値666,000円(前日比-10,000円(-1.50%))。下髭陽線。

三井住友FG
始値890,000円、高値927,000円、安値841,000円、終値917,000円(前日比-3,000円(-0.33%))。下髭陽線。

三菱UFJFG
始値1,050,000円、高値1,110,000円、安値1,020,000円、終値1,110,000円(前日比+30,000円(+2.78%))。下髭陽線。

りそなHD
始値218,000円、高値231,000円、安値212,000円、終値228,000円(前日比+2,000円(+0.88%))。下髭陽線。





先物の日中足です。



日経平均(現物)四本値
始値16,296.4 高値16,296.4 安値15,859.46 終値16,148.49(前日比-327.12円-1.99%)

日経平均(現物)の日足チャートです。









カブトモネットの「今日の相場」です。

cis「終わってみたらほとんどの銘柄ごく普通の下げ幅になった」
cis「今日の安値はしばらくいかなさそうだ」

2007年8月16日「今日の相場」

BNFは

“午後1時半を過ぎたあたりから突然銀行株を中心に反転し始める。
猛烈な買いが入ってマイナス8%まで暴落していた三井住友FGが一時プラスにまで浮上したため「売り抜けた」という。
結局、損どころか2億4000万円以上の利益となり、トレードは大成功だった”(東京スポーツ8月18日号)

「三井住友株の売値は92万円」(KING2007年10月2日号)

“後場で急速に戻して含みも含めて2億6000万円のプラスに”(ダイヤモンドZAi2007年11月号)

「含み益込みで2億6000万円儲けました」(SPA2007年10月2日号)

「午後、急激な値下がりの後、リバウンドを始めた。
後場が引ける3時には逆に2億6000万円の含み益で終わっていました
」(KING2007年10月2日号)

と言うように前場では1.5億円前後の含み損を抱えながら、終値では2.6億円の含み益になったようです。
前場にあれだけ下落しながらもホールドし続けたのは、乖離率に対する自信だったのかもしれません。

三井住友FGは売り抜けたようですが、「そのまま銀行株などは持ち越した」(SPA2007年10月2日号)となります。
BNFは日足が下髭を付けてその日の高値圏で引けた場合はほとんど持ち越すので、基本通りに持ち越したのでしょう。

⑦8月17日(金)



FRBによる緊急利下げのうわさで為替が動き、つられる形で米国市場も大きく上下します。
当初大きく下げていたダウ平均、S&P500、ナスダックですが、このニュースによって大きく上昇し、ダウ平均とナスダックは小幅マイナス、S&P500小幅プラスで引けます。

ダウ平均始値12,860ドル、高値12,997ドル、安値12,456ドル、終値12,846ドル(前日比-16ドル、-0.12%)
S&P500始値1,406.64ポイント、高値1,415.97ポイント、安値1,370.60ドル、終値1,411.27ポイント(前日比+4.57ポイント、+0.32%)
ナスダック始値2,440.91ポイント、高値2,460.50ポイント、安値2,386.69ポイント、終値2,451.07ポイント(前日比-7.76ポイント、-0.32%)

日経平均は始値16,035.38円(前日終値比-113.11円、-0.70%)でスタートします。
BNFは持ち越していた株を決済します。

「その晩のNYが一時300ドル以上下げてて、明日は5億円ぐらい損するだろうと覚悟しました。
ところが17日は銀行株が高く始まってくれて助かりました。
輸出株などでは1億1000万円の損が出たのですが、全部手仕舞って『今日はもう何も買わないぞ』と相場を見守りました
」(ダイヤモンドZAi2007年11月号)

“商社、鉄鋼、自動車――。
朝方から好業績銘柄も割安株も売りたたかれる値動きに違和感を覚え、すぐに保有株を売却。
利益を確定して損失を最小限に抑えた”(日経金融新聞2007年8月30日号)

BNFは米国市場の下落に大損を覚悟するも緊急利下げの噂によって助かります。
東京市場が始まって、好業績銘柄も割安株も売り叩かれる値動きに違和感を覚え、1億1000万円の損切りをして様子見に回ります。

場が始まって先物は売られます。







cisは前日の大引け後に「弱気予想」「いったん底だとしても戻り過ぎた」(カブトモ)と言っていることから、寄付きで空売りを入れたようです。
しかし、みずほFGは+1.50%で始まり(始値676,000円、前日終値比+10,000円)、日経平均の-0.70%(始値16,035.38円、前日終値比-113.11円)よりも相対的に強く、さらに始まった後に上昇したため、cisは強さを読み取ってドテン買いしたようです。
その後にメガバンクは急降下してき、往復びんたを喰らいます。









cisは8月10日の1.8億円の損を悔やんでいます。
前述のようにBNFもこの日2.8億円損をしていますが、翌営業日の13日にすでに取り返しています。



前日に三菱UFJを底で買えなかったことです。





前場終了です。





後場はGDして始まりした。





























大引けです。



日経平均は-874円と言う大暴落でした。

日経平均(現物)四本値
始値16,035.38 高値16,062.59 安値15,262.1 終値15,273.68(前日比-874.81円-5.42%)

先物の日中足です。



日経平均(現物)の日足チャートです。



cisです。



収支は



になります。
ドテン買いと言うのは売りで持ち越していたソニーのことを指します。
ソニーの空売りを手仕舞って21銘柄11億円分をショットガン買いしました。



カブトモネットの「今日の相場」です。

cis「俺は先物売りはストップ安銘柄のヘッジが入ってると思い、今日の引けで買いに回ってしまったよ」

2007年8月17日「今日の相場」

ストップ安の激増によってヘッジで先物が売られ、翌営業日にその買い戻しが入るから、上昇するはずだということです。
ストップ安は一時含め東芝機械、日精工、第一中央汽船、川崎汽船、明治海運、山陽特殊鋼、丸紅、新日鉱HD、新日石、三井造船、佐世保重工業、任天堂、カーボン、フルキャスト、中国塗料、日鉄鉱、日農薬、等になります。

ストップ安の激増を底打ちのサインとしてみるのは、びびりおんも愛用するサインです。



BNFは寄付き直後に持ち越しの株を手仕舞いして様子見をしていました。
ところが、14時半過ぎに日経平均が売り込まれるとBNFは反応します。

「市場が閉まる直前の午後2時38分過ぎに日経平均が一気に下がったんです。
これは絶好の買い時でしたが、米国株がまだ高値圏にあって翌日の暴落もあると躊躇してしまったんです
」(フライデー2007年9月14日号)

「午後2時35分~38分さらに200円も急落!?さすがに買いだろうと、80億円突っ込もうか迷いましたが、この額だと注文に20分はかかる……。
大引けから逆算して、考える時間はわずか2分。結局、買えませんでした
」(SPA2007年10月2日号)

「14時35~38分に先物が売り込まれた時に2分間迷って買わなかった」(ダイヤモンドZAi2007年11月号)

BNFは買いに向かおうかと考えましたが、時間が無かったことと米国株がまだ高値圏にいたことから見送ります。
米国株が高値圏と言うのは、明け方の米国株が、ダウ平均とナスダックは小幅マイナス、S&P500小幅プラスだったことでしょう。
BNFはまだ下落余地があると見ました。

ストップ安の激増による底打ちのサインをBNFが知っていたかどうか分かりません。
cisは海外市場の動きをほとんど考慮せずにトレードするのに対し、BNFは海外市場や為替、商品などに気を配りながらトレードをします。
ここで判断が分かれたのでしょう。

この日の国内主要指数です。


https://cadillac600.blog.fc2.com/blog-date-20070817.html



注目の米国市場が始まる前、日本時間の21時過ぎ、ニュースが世界を駆け巡ります。



東京市場はストップ安の激増というテクニカルに加えて、FRBの緊急利下げというファンダメンタルの買い要因あり、これで株が上がらないわけありません。
日経平均は鋭角的に回復していきます。

BNFは2分間迷って買わなかったことに関して、

「買っていたら利益は五億円。
時間と勇気が足りなかった。今年最大のミス
」(日経金融新聞2007年8月30日号)

「買っていれば5億円は獲れたんです。
この2分間の判断が今年最大のミスでした
」(ダイヤモンドZAi2007年11月号)

「狙っていた銘柄は軒並み7%ほど上昇……この2分間が今年最大の判断ミスでしたね。
5億円は儲けられていたはずですから
」(SPA2007年10月2日号)

と言っています。

BNFの収支です(フライデー2007年9月14日号(次述)より)。



cisの収支です。



その後の日経平均の日足チャートです。




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