第9章クラスター爆弾②


7.クラスター爆弾

クラスター爆弾とは、大型の弾体の中に子弾を多数搭載し、大型の弾体が空中で破裂することによって広範囲に子弾で攻撃することが出来る爆弾の事です。
しかし、ネットトレード界隈では、2006年4月13~17日の間に行われたBNFのクラスターテクノロジーの取引のことを言います。

4月13~17日のトレードを追って見てみます。

4月13日(木)

クラスターテクノロジーは2006年4月13日に新規上場しました。



と言うようにライブドアショック以降、全体の地合が悪い状況での上場です。
加えてクラスターテクノロジー自体にも厳しい状況が予想されていました。



それでも



と言うようにボラティリティを求めて多くの個人トレーダーが参戦します。
クラスターテクノロジーの公募価格は70,000円でしたが、2.7倍の190,000円で寄り付きます。



一旦、20万円を超えるとその後、次々売りが降ってきます。









前場のストップ安(160,000円)は一旦リバウンドしますが、後場14時半過ぎに再びストップ安に行きます。





ストップ安で引けるかと思いきや大引けで大きな買いが入ります。



クラスターテクノロジーは上場初日から乱高下でした。

始値190,000円、高値202,000円、安値160,000円、終値188,000円
出来高69,002株

BNFはこの日に4792株を平均単価170,759円で買います(購入金額8億1827万7128円、保有割合は8.78%)。
どのような判断で買いに行ったのか不明ですが、全体の地合いが悪く、クラスターテクノロジーの業績も赤字で、初日からストップ安張り付きも予想されました。
しかし、予想外に高く寄り付き、ストップ安まで売り込まれてもリバウンドする力があるところから、強さがあると見たのかもしれません。
安いところでうまく買っています。

この日はライブドアの最後の取引日であり、前述のようにテレビカメラの取材が入っていましたが、ライブドアよりはクラスターテクノロジーのことで精いっぱいだったのかもしれません。
その日のうちに199株を平均単価192,145円で売って、425万5814円を儲けます。
これは上髭のところでうまく売っています。

4月14日(金)


この日は特買い気配でなかなか寄り付きませんでした。



cisも前日にクラスターテクノロジー(4240)を買って持ち越していました。
大きくギャップアップして始まります。
cisは寄付きで利確したようです。





寄付いた後も強く上がりました。
そのまま高値引けです。

始値214,000円、高値218,000円、安値213,000円、終値218,000円(前日比+16.0%)
出来高20,977株



cisはギャップアップして陽線高値引けの強い形だったせいか、改めて買い直し、持ち越しました。
cisは全体の地合いが悪いせいか慎重なトレードをしています。
もし全体の地合が良ければ、一度決済して買い直すと言うやり方ではなく、そのままホールドして買い増し(長方形)をしていたのではないでしょうか。



赤字の業績は見たものの需給(=強弱)で買いに行ったという事です。
BNFはcis同様、寄付きで643株を売って2780万3963円を儲けます(売却単価214,000円)。
そのまま残りの3950株は持ち越します。

4月17日(月)


4月17日は特買い気配の後、大きくギャップアップして寄り付きます。
一度ストップ高を見ますが、そこまでで、どんどん売り込まれます。
クラスター爆弾の始まりです。



一気にストップ安まで行きますが、ストップ安に到達するとリバウンドが入ります。













ストップ安をしてはリバウンドが入るということを繰り返し、結局大引けはストップ安でした。

始値242,000円、高値247,000円、安値178,000円、終値178,000円(前日比-18.3%)
出来高75,770株

cisはプラスの利益を確保します。持ち越しは300株程度でした。
前述のように全体の地合いが悪いため、BNFに比べると投入資金は小さめです。







cisは半分を寄りで売り、残りはホールドするつもりでしたが、値動きが弱くなったらすぐに残りも手じまいました。
前営業日の大引けで買ったとすれば470万円程度の儲けになります。

BNFは寄付き前の時点で7.55%の株数(3950株)を持っていました。
そのせいか、逃げ遅れ気味でようやく平均単価190,128円で売り終わります。
7650万7550円の儲けでした(3日間の累計利益は1億0856万7327円)。

BNFのトレードは、おそらく地合いの悪さや赤字の業績にしては強さを感じたため、初日に買いに行き、3日目にチャートが崩れたところで手仕舞うという基本に忠実なトレードでした。
cisも概ね同じスタンスでのトレードです。
そのトレードは首肯できますが、理解不能なのは投入金額です。

cisは300株でトレードしているのに対し、BNFは4792株を買っています。
上場直後が活況なのは通例ですが、赤字での上場のため、いつストップ安張り付きになるか分かりません。
仮にそこまで売り込まれなくても、手仕舞いたくても買い板が無いと言う閑散相場になってしまうこともあります。
これらのリスクを承知でもこの量を買いに行くのは理解不能です。

「いっそ大損すれば株を止められる」と言うようにあえて破滅的なトレードをしているのか、あるいはBNFにだけ見えている何かがあるのか、謎は深まります。

上場3日目である4月17日は大陰線でした。
この日の出来高75,770株のうち3,950株(出来高に占める割合は5.2%)がBNFになります。
どこまでBNFの売りがこの日の大陰線に影響があったかは分かりません。

4月19日(水)


クラスター爆弾から2日後の4月19日、BNFの大量保有報告書が提出され、そのトレードが明らかになります。
BNFはジェイコム以来二度目の大量保有報告書です。

クラスターテクノロジー大量保有報告書①
クラスターテクノロジー大量保有報告書②
クラスターテクノロジー大量保有報告書③









BNFのトレードはチャートが崩れたので手仕舞うという基本的なトレードでしたが、BNFが売り崩したような印象を与えるのは否めません。
実際はBNFは逃げ遅れ気味でBNFが売り崩したということは無いのですが、損したトレーダーはとかく人のせいにしがちです。

BNFのトレードへの感嘆と同時に批判が集中します。
特にライブドアショック以降、損をしているトレーダーが多かったので尚更クラスター爆弾の犯人にされます。





















ただ、批判ばかりではありません。









そもそも投資は自己責任です。







ヤフー掲示板はかなり荒れていたようです。










※BNFが見せ板をしたという根拠はありません。

クラスターテクノロジーは2006年4月13日に上場し、BNFはその初日買って3日目の4月17日に手仕舞いました。
この4月17日はクラスター爆弾と呼ばれる大陰線になりました。
クラスターテクノロジーはこのクラスター爆弾に焼き尽くされたのか、単に業績の問題だったのか、十数年たった今でも2006年4月17日が上場来高値となっています。



BNFは基本に忠実なトレードをしたのですが、思わぬ批判を浴びることになりました。
そのせいなのか、大量保有報告書を出すことは以後ありませんでした。
2024年6月現在、BNFの出した大量保有報告書はジェイコム(現社名ライク)とクラスターテクノロジーの2件のみとなっています。


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