第41章下髭陰線①
1.cis本
2018年11月27日、cisが意外なツイートをします。

cisはもともと株本には否定的でした。




5chでの反応です。


将棋の羽生善治が27年ぶりに無冠になった12月21日にcis本は発売しました。





※件のレビュー








※該当の件

ココ☆ナツは五月の「勝つ投資 負けない投資」のレビューに「寿司15皿食べれば良かった」と書いたレビュワーです。
cisの記事が載った「稼ぐ人の株投資 億越えの方程式6」(2015年7月27日発売)にもレビューしています。

からかいもあって5chではネタ扱いです。








具体的に内容を見ていきます。
プロフィールです。

※下線は管理人が引いたもの。
cis伝のcis基本情報です。

表現が類似しているので参考にしたのは明らかでしょう。
参考にするのは自由ですが、参考文献ぐらいには載せて欲しいものです。
トレード手法についてです。
トレード手法については、いくつかの手法が混載して書かれており、一見すると矛盾する箇所も多くなっています。
整理して説明します。
まず総論としてデイトレードとスイングトレードの前提を説明し、その後に各論として①デイトレード、②スイングトレード、③リスクとリターンによるトレード、④トレードに関するその他のこと、について説明します。
最後に⑤cisのエピソードについて紹介します。
○デイトレードとスイングトレードの前提
①デイトレードについて
②スイングトレードについて
③リスクとリターンによるトレードについて
④トレードに関するその他のこと
⑤cisのエピソード
○デイトレードとスイングトレードの前提
まずトレード手法の大原則です。
「上がっている株を買う。下がっている株は買わない。買った株が下がったら売る。マーケットの潮目に逆らわずに買う。
そして潮目の変わり目をいち早くキャッチする。この大原則に従うようにして今の資産を築くことができた」(P15)
大原則と言うだけあって大雑把なものです。
cis伝からいくつかコメントを引用して説明します。

「上がるとき」というのは相場に資金が流入した時です。
cisは資金が流入したセクター(物色されているセクター)を素早く見つけ、そのセクターの個別銘柄を監視します。

個別銘柄の需給は売買状況から読みます。

売買状況で見るのが、値動きと流動性です。

より詳しく言えば、出来高・値動き・約定状況・近似チャート・VWAPなどです。

これらを見ていく中で最も重視するのが「違和感」です。


「違和感」をいくつか紹介します。




いつもと違う何か―違和感―があった時にcisは動きます。
cis本では2018年1月の「一撃19億」に至る安川電機の違和感が紹介されています。
「四半期決算がどんどん出始めた。
1月下旬に口火を切ったのが安川電機という会社で、23日に第3四半期の決算発表があって、4~12月期の累計経常利益が前年同期比85%増、直近の10~12月期も前年同期比62%増という非常にいい結果だった。
普通に考えれば好決算。ところが翌日の株価は4%も下げるということが起こった。
(中略)僕も安川電機を買っていたけれど、予想に反して下げ気運になった瞬間、その日の前場で売り切って逃げた」(P41)
2017年から安川電機をはじめFA関連の銘柄が買われていました。
ところが、2018年1月、四半期決算が好決算にも関わらず、安川電機は売り込まれます。
cisはこの違和感を読み取って安川電機を手仕舞います。
その後、同じようにファナック等のFA関連銘柄の買いが薄くなっていくのを見て、先物売りを仕掛け一時19億円の含み益を得ます(第39章参照)。
違和感を読み取れたための大勝利でした。
違和感を読み取って買って行くことはcisのトレードで最もコアな部分の一つですが、cis本ではほとんど語られていません。
五月が上方修正を買って行くことを著書で語らなかったように、cisもここは語りたくないのかもしれません。
cisの取引銘柄について説明しておきます。
cisはほとんどの場合、全市場の中で最も勢いのある銘柄を取引します。
cisの手法から選ばれる銘柄(=最も違和感がある銘柄)が結果的にそのような銘柄になるためです。

cisは本の中で頻繁に順張りを薦めます。
「投資家や投資を始める人に「何かアドバイスください」と言われたとき、僕は「上がり続けるものは上がり、下がり続けるものは下がる」とだけ言うことが多い」(P14)
「たった今下がった株はそこから反転して上昇するよりも、さらに下がることのほうが多い。
また、たった今上がった株は、そこから反転して下がるよりも、さらに上昇を続ける可能性のほうが高い。
正確にいえば、可能性が高いというより勝負の効率がいい」(P23)
これは全市場の中で最も勢いのある銘柄を前提に言っているということに注意が必要です。
cisはこのような銘柄に集中投資します。
「大きく動く銘柄に大きく突っ込むのが最も効率がいい」(P88)ためです。


以下、各論を見ていきます。
①デイトレードについて
デイトレードについてです。
cisは売買状況の強さを読んで買って行きますが、強さが続かなければすぐに手仕舞いします。
「値動きを見ていて、1時間後には今よりも下がっているんじゃないかと思った瞬間に売ってしまう」(P27)
「買った値段に関係なく、その株で得していても損していても、これから下がりそうだと思ったらすぐに売ってしまう」(P31)
強さが続いている限りはホールドしますが、cisはデイトレードが中心なので原則としてその日のうちに手仕舞いします。
ただ、14時半ごろから大引けにかけて特に強いものはそのまま持ち越しをします。

※この場合のスイングは持ち越しのこと。
②スイングトレードについて
スイングトレードについてです。
持ち越した銘柄のうち、日足の陽線が多く、平均線が右肩上がりの場合は、そのままホールドします。



さらに、勢いを感じる度に買い増していきます。

CIRCUS2007年9月号
「勝手な予想はしないで、上がっているうちは持っておくのが基本」(P18)と言っています。
スイングトレードの利確についてです。
「僕の場合、あまり小さな動きは気にしないで、ある程度下がったときに売ることが多い」(P18)
「上昇局面での利確は勝つための方法としては間違っている」(P22)
「せっかく上がっている株なのに打ってしまい、今日の勝利を確定することで、明日や明後日の勝利を捨ててしまうことになる。目先の利確に走ってはいけない」(P23)
と言っており、ある程度下がった時に手仕舞います。
具体的には「2度目の押し目で売ることが多い」(P18)と言っています。
cisは平均線で手仕舞うことが多いです。
おそらく下落して平均線を割り(1度目の押し目)、再度平均線の上に復帰したが、もう一度平均線を割ったら(2度目の押し目)手仕舞うと言うことではないでしょうか。



※「5日線再度割るまでストロングホールド」=5日線を再度割ったら手仕舞う。
平均線を二度割るというのは一度は平均線の上方に復帰することが前提となっています。
もし、1回目に平均線を割った後、再度平均線の上に出ることが無かった場合は、そのまま株価が下落して平均線が下向きになった時やその平均線のさらに下にある別の平均線を割った時に手仕舞います(SBI座談会より)。
具体的な期間はこちらの発言から2週間程度が多いのではないでしょうか。

③リスクとリターンによるトレードについて
売買状況の強さ(=需給、違和感)を読んでトレードをしていくのがcisのトレードの基本ですが、強さが読みにくい時に使うのがリスク・リターントレードです。
リスク・リターントレードとは、「上がる確率と上げ幅、下げる確率と下げ幅を比べて、明らかにリターンの方が大きい」時に買って(もしくは売って)行くものです(「アベノミクス株投資の法則」より)。

仮説を立ててリスクとリターンを計算する場合と、経験則(過去のパターン)から計算する場合があります。
順に見ていきます。
③-1.仮説によるトレード
仮説によるトレードです。
「「こんなことが起きたら、こんな展開で儲かる」みたいな仮説をいつも考えていて、アイデアを何十個か持っている。
それがたまに実際に起こることがあって、そんなときは「はい、きた」みたいな感じになる」(P51)
cisはいくつも仮説を持っていると言います。
その一つは日経平均の組み入れを狙ったものです。
「たとえば僕が狙っているのは、日経平均の計算方式に関わるもの。今の日経平均は、(中略)単価が高い株は日経平均に組み入れできなくなっている。
たとえば、任天堂とか村田製作所とか1株1万円越えの株は、日経平均に採用されるんじゃないかと言われつつもいまだに採用されてない」(P52)
株価が1万円を超えているため日経平均に採用されそうで採用されない任天堂と村田製作所です。
これらの銘柄に対して、cisは仮説を2つ建てています。
1つ目はそのまま日経平均に組み入れられる場合です。
その場合はそのままこれらの銘柄を買えばいいと言います。
「ひとつは、そのまま組み入れるようにすること。
もしひとつでも入れたら、あとは順次入れるようになる。
(中略)そうすると、組み入れられる株価はすごく上がってオイシイことになる」(P52)
2つ目は株価の高い銘柄を採用しやすいように、日経新聞社が日経平均の計算方法を株価の平均ではなく、TOPIXのように時価総額の平均に変える場合です。
(日経平均を時価総額の平均に)「変えますよ、ということになったら、それはイコール、株単価が高いやつを組み入れられるようにしますよってことだから、単価が高い株は日経平均採用狙いで徐々に買われると思う。
これがもし起きたら、僕は発表された瞬間に1万円以上の株価で日経平均に入っていないやつを買う。
10億円ずつ5~10銘柄買って、全体で10~20%アップする、みたいな」(P53)
cisは説明を省略していますが、日経平均に採用されると、日経平均連動投信などが個々の銘柄を買うため、それによって採用される銘柄の株価が上昇することを前提としています。
いわゆるコバンザメ投資法になります。
実際に2021年9月6日、任天堂と村田製作所(及びキーエンス)は日経平均への採用が決定します(日経平均への組み入れは10月1日から)。
そのまま組み入れるわけでもなく、時価総額に計算方法を変更するわけでもなく、著しく株価が高ければ株価換算係数を掛けるということになりました(任天堂は0.1、村田製作所は0.8)。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB065HS0W1A900C2000000/
cisは日経平均に組み入れられる前日の9月30日、任天堂と村田製作所とキーエンスを空売りします。
実際に日経平均に組み入れられると利益確定売りが来ると見たのでしょう。
過去の事例を見ても必ずしも利益確定売りが来るとは限らないので値動きから読んだのでしょう。



この空売りは上手く行きました。

いつ手仕舞ったのか分かりませんが、利益は出たことでしょう。
③-2.経験則によるトレード
経験則によるトレードです。
「ロジックは不明だけれど、事実こういうことが起こっている」(P55)というように意味不明にパターン化している値動きをトレードしていくものです。
「相場では、1匹目のドジョウがものすごくオイシイ。
だけれでも2匹目のドジョウもそれなりにいる。
ただし3匹目からは、いるかいないかもうわからない」(P56)
「2匹目のドジョウは、マーケットから学習して、儲かっているだろう事象をすぐやること。
これでもそれなりに利益を上げることができる」(P57)
cisは2匹目のドジョウも「それなりにいる」と言っています。
いくつか紹介します。
③-2-1.ダイエーと双日と大京の連動性
ダイエーは大手小売業、双日は商社、大京は不動産業です(※cisは著書ではUFJホールディングスと言っていますが、おそらく双日の間違いなので双日として紹介します)。
全く関係ない業種にもかかわらず、連動して動いたことがあり、それを利用して利益を上げました。
「昔のIPOは、ラーメン屋とか不動産屋とかIT企業とか、業種はまったくちがうのに、上場日が近いと連動して上がっていた。そこからヒントを得た」(P55)と言っています。
「ダイエーが増資するか何かで資本の動きがあるというので、東証で売買停止になった。
(中略)ふと思い立って(※ダイエーの)買いの気配値をストップ高にしてみた。
(中略)すると、UFJホールディングスや大京などの銘柄がどんどん上がってきた。
そのためUFJや大京を空売りしてからダイエーの注文を取り消した。まもなくUFJや大京は下がった」(P54)
※UFJホールディングスは双日の間違いと思われる。
「全然別の業種でも、説明はつかないけど株価が連動することはある」(P55)
これは2004年8月20日のことです。
ダイエーが大幅減資するという噂が流れ、12時24分から真偽を確認するため売買が停止されました。

この時点でダイエーは273円(前日比+16.17%)で値上がり率ランキング1位でしたが、みるみる気配値が下がり、250円付近で膠着します。


すると双日、十字屋、大京などが連れ安し始めます。

これらの銘柄の連動性に気がついたのか、今度は「誰か」が買い注文を入れて気配値を上昇させます。

ほどなくダイエーから減資の噂はガセネタであることが発表され、東証から14時27分に売買が再開されることが発表されます。




売買が再開した後もダイエーの売買は成立せず、売り気配のまま引けます。
気配値で遊んでいるやつがいると2chでも批判されていましたが、この犯人はcisだったようです。
cisの他にも空売りで儲けた人は何人かいたようです。


ただ、cisはこの日さほど利益を上げおらず、おそらくそんなにうまく行っていなかったのではないでしょうか(当時の運用資産はおよそ1億円)。

参考文献
https://info.monex.co.jp/lounge/monexmail/2004/08/20-018014.html
③-2-2.利上げ時の買い
一般に金利が上がれば、株が下落すると言われますが、cisは経験則から上昇を読んで買って行きます。
「経済学の教科書には「金利が上がると株価は下がる」と書かれているものがある。
(中略)で、実際にそうなのかといえば、利上げ時には株価もやたら上がったりする」(P58)
(利上げする時は景気がいい時なので)「株価はぐんぐん上がる。上がって上がって最高値を更新したあと、ドカンと落ちる。
おそらく、大手のファンドや投資銀行が、この利回りなら債券に行ったほうが得じゃないか、と思った瞬間に、株が1000億円単位で売られて、お金が債券のほうに行くというメカニズムなんだと思う」(P58)
教科書的に言えば金利が上がれば、株から国債への資金の移動が起こり、株が暴落するはずです。
ところが、cisは金利が上がると株は上昇し、しばらく上昇が続いた後、一気に下落すると言います。
cisはこのような時、プット買いでヘッジしながら先物を買って行きます。
暴落と隣り合わせのためでしょう。
「金利上昇局面では先物を買いながら現在値から1000円以上安いプットオプション(株価が暴落したときに損失を減らす保険の機能を有するもの)も買うみたいな戦略」(P59)
③-2-3.世界的大事件の時の逆張り
「上がっている株を買う。下がっている株は買わない」(P15)という大原則に反し、世界的大事件が起きた時は逆張りをします。
「日本、アメリカ、ヨーロッパの3つのマーケットのうち、時差の関係から月曜日に最初に市場が開くのが日本。
なので週末に世界的な事件が起きると、日本で最初に影響があらわれる。
イギリスのEU離脱決定、トランプの勝利など、欧米の政治的な事件があると、まず大きく売られる。
そのとき日本では売られすぎる傾向がある。僕の経験からいえば、こういうときは90%は逆張りで買っていい」(P74)
日本は欧米の市場が閉まっている時間に動いているため、ヘッジで使われていると言う人もいます。
そのせいか、日本市場はやたらと売り込まれる傾向があり、事件が過ぎればヘッジの買戻しもあって急騰します。
特に先行きが不透明の時は逆張りが有効と言います。
「トランプの大統領選勝利のように、「今後どうなってしまうんだ?」という状況のときこそ逆張りだ」(P74)
第39章で紹介しましたが、トランプが当選した2016年11月の大統領選の時、cisは売りも買いも素早く手仕舞ったため大きな利益を逃しています。
そのことについて紹介されています。
(大統領選当日)「いったん株は暴落したけど、トランプはアメリカの会社を手厚く保護すると言っていたので、買い時だと思い、ダウ先物とS&P500先物をかなり買って仕込んだ。
けれども、いつまでも反転せず下がったままだった。しばらく待ったんだけど…、オカシイ、これは何か自分の知らない情報があるのかなと思い、アメリカ市場が開く直前になって売ってしまった。
いざアメリカ市場が開いたかと思えば、最初の予想どおり、果てしなく上がり続けた。
(中略)もちろん上がり始めてからもう一度買う手もあった。
でも、アメリカ市場は日本市場とは違った難しさもあるので、そのときはそうしなかった。
(中略)不自然さを感じたら、結果はどうあれ、基本はすぐ売るべき。結果として損切りが早すぎたのは確かだが、姿勢としては正しかったと思う」(P31)
④トレードに関するその他のこと
トレードに関するその他のことについて説明します。
④-1.損切りについて
損切りについてです。
「株でいちばん大切なのは迅速な損切り」(P26)
「「損したくない、損を認めたくない」という人間的な感情が、相場では敗北につながる。
すばやい損切りは、ものすごく重要。これはテクニックというより心構えに近い」(P31)
損切りと言う概念はないと言います。


値動きに合わせて手仕舞っているだけで利確か損切りかは関係ありません。
cisは損切りが早く、2ch時代は高速損切りと呼んでいました。


ただ闇雲に早ければいいと言うわけではありません。



耐える損と切る損は、出来高(≒流動性)と値動きの強弱によって判断します。
損をしないことではなく、大きな損をしないことが重要になります。
「重要なのは、損をしないことではなく、大きな損をしないこと。大ケガだけはしないようにする、という方針で僕は今の資産を築いた。
僕の勝率を銘柄で見れば3割くらいだと言ったけれど、24時間以内に決済する予定で売買したトレードにかぎれば6割くらい勝っている。
逆に20年近く株に触れてきてもようやくそれぐらいといったところ。そして2週間以上見据えたものだと3割くらいになる」(P27)
小さな損を重ねながら、大きな利益を狙いに行くというスタンスです。



④-2.ナンピンについて
ナンピンについてです。
「ナンピンは最悪の買い方だと思っている。場合によっては一撃で死亡してしまうから」(P25)
「ナンピンは失敗しているにもかかわらずロットを増やす(=賭け金を上げる)という点でも矛盾している」(P25)
実際cisはナンピンをしますが、それはナンピンではありません。



④-3.押し目買い
押し目買いについてです。
「押し目買いは、下がったところで買おうとするわけだから、逆張りの一種になる。つまり、やってはいけない買い方のひとつ」(P19)
「「少し下がったところで買う」とか「割安なタイミングで買いたい」とか考えるのは、そもそも発想として間違っている」(P20)
押し目買いは良くないと言います。
それは2ch時代から言っていることです。



ただ、実際には押し目を買って行くこともあり、これは損切りやナンピン同様、強さがあれば押し目でも買って行くのでしょう。

④-4.損切りした後の再エントリーについて
cisが「大きなポイント」と言うのが、損切りした後により高値で再エントリーすることです。
「買った株が下がり損切りしたとして、そのあと損切りをあざ笑うかのように上がりだしたとき、上昇株として買うことができるかどうか?ここも大きなポイントがある」(P27)
「まず、損切りする時点で自分の敗北を認めることになる。買ったのは間違いだったと認めて撤退するわけだ。
そのあとで自分が売った値段よりも高い値段で再び買おうというのは「損切りも間違っていた」と、二重に間違いを認めることになる。
そこに抵抗を感じてしまう人もいるのではないかと思う」(P27)
「でも僕はそれを気にしない。いつも平気でやる。
1回ごとの売買で勝ち負けを考えていないから抵抗がない。買った株が下がったら売るし、上がっている株は買う」(P28)
cisは損切りした銘柄も臆することなく再び買って行きます。
感情をトレードに反映することは無いと言います。



これらの信念を支えているのは、
「勝てたらもちろん楽しいけれど、負けたからといって悔しい気持ちを持ったかというとあまりそうではない」(P117)
というように、負けても悔しくないという達観した境地なのではないでしょうか。
「勝ち負けの結果より、勝てる確率が高い勝負をすることを重視していた」(P117)
「結果よりプロセスとして適切な勝負ができているかのほうが大事」(P117)
ということです。
とは言え、3回以上繰り返して損切りしたらさすがにcisもその銘柄のトレードを止めます。
そこまでミスをすると他の銘柄に行った方が効率良いということなのでしょう。
「さすがに同じ銘柄で売買を3回以上も繰り返して全部外したら、「俺をハメようとしているのか?」とイヤになってしまうこともあり、この銘柄は読めないと思って手を引く。
けれど、それまでは気にせず続ける。局所的な勝敗を考えてもあまり意味はない」(P28)
④-5.リスクヘッジについて
リスクヘッジについてです。
「リスクヘッジは基本的に僕はやらない。リターンを求めてリスクを取っているのに、そのリスクを分散させるためにコストを使うのではリターンを薄めるだけ」(P37)
「個人トレーダーとしては、ヘッジしていては意味がない」(P38)
巨大資金を運用している機関投資家のファンドマネージャーならともかく、個人トレーダーでリスクヘッジをするのは無駄と言います。


前述しましたが、利上げ時には先物買いでリターンを狙いつつプット買いでリスクヘッジをするのがいいと言っています。
さすがのcisもあまりにもハイリスクな時はヘッジをするのかもしれません。
注意が必要なのはcisはもっぱらヘッジのみを目的したポジションを批判しているだけで、ポートフォリオの中に売りと買いが混載することは頻繁にあります。
これは上がると思った銘柄を買い、下がると思った銘柄を売っているためです。いずれも利益を上げることを目的としたポジションです。
結果的に売りと買い、どちらかがどちらかのヘッジになっていることはあります。
⑤cisのエピソード
本の後半はcisのトレード人生におけるエピソードが書かれています。
⑤-1.降臨
このHPでも度々紹介してきた降臨です。
「かなり昭和のギャンブラーで、当時ヤクザのような外見をしていたけれど、今は丸々した好々爺みたいになった」(P95)
降臨がヤクザのような外見をしていた…?
第28章魚のいない釣堀②で紹介しましたが、cisが初めて降臨と会った時はこう言っています。

大友さゆりのフェイスブックより

この件はさておき、降臨は2008年6月頃、不動産を買います。
(降臨が)「40歳くらいのとき、5億円ちょっと出してマンションを買った。
それ自体は良くも悪くもないと思うけど、そのときの彼の総資産が7億円。残っているのが1億円ちょっとだった。
それはありえないでしょ!」(P94)
「彼の言い分としては、相場をやっている限り明日がどうなるかわからない、だから奥さんや子どもに確かなものを与えたかったと。
そんな非効率なことをして、なぜ相場をやっているのか!とツッコんだ。もう買ってしまった以上、最善の策は、損になってもすぐ売ること。
そうじゃなかったら、そのマンションを担保にできるだけお金を借りることだと思いっきり説教した」(P94)
思いっきり説教…?
cisが初めて降臨と会った時はこう言っています。

説教したのか、失禁したのか、不明です。
⑤-2.uoaとびびりおん
第3章2ch登場①で少し触れましたが、2002年12月、当時負け組だったcisはオフ会を開きます。

オフ会に集まったのは8名でした。
「男性が6人ほどで、女性は2人。男性メンバーのなかにuoa、すくる~じとびびりおんがいた」(P135)
uoaは当時8000万円ほど持っており、2ch株板のトップトレーダーでした。
cisはお騒がせ男として知られていました。
すくる~じとびびりおんは名無しで2chに投稿していたため無名でした。
cisのびびりおんとの出会いはその後の人生を大きく変えます。
「びびりおんとは電車で一緒に帰った。
年齢も同じで、オタクっぽくて、なにか気が合いそうな感じがしていた」(P136)
「僕が吊革につかまりながら「何を買ってるの?」と聞いたら、目線を合わさずに「ダイドードリンコ」って一言。
理由を聞いたわけじゃないけど、TOPIXに組み入れられると自動的に上がるから、それが狙いなのはすぐわかった」(P136)
「当時の僕は負け続けていて、割安株を買う長期の方法ではダメだとうすうす感じていて、他の方法を模索していた。
新たに向かうべき方向について、そのオフ会で確信を得た」(P136)
「割安とか割高とか、将来この会社は業績が伸びるはずだとか、そういった要素は、自分が勝手に思い込んでいるに過ぎない。
勝っている人ほど、短期の値動き、かつチャートや指数組み入れなどの理由がある株を買っていた。
『今ある優位性』に張る」(P136)
cisは割安株投資を止め、値動き重視のトレードへと舵を切ります。
「そのオフ会をきっかけに、長期トレードをやめて、値動きだけを見る短期トレードに変えた。
すると、それまで負け続けていたのが嘘のように連戦連勝になった」(P136)
「僕が勝ちに転じたのは、2ちゃんねるの株板のオフ会に行ったのがきっかけになっている。
逆に行かなければとっくの昔に株の世界から退場していたかもしれない」(P135)
「ふだんは引きこもりのようになっていても、同好の士と交流する場があれば、出て行って情報交換する積極性は
大切なのかもしれない、と思った」(P135)
「今だとuoaはおそらく200億とか300億とか、すくる~じとびびりおんは数十億ぐらい持っていると思う」(P135)
その後のcisの快進撃はこのHPでも語ってきました。
⑤-3.セブンイレブン
cisが初めて買った株について載っています。
「はじめて株を買ったのは高校生のとき。
その頃ちょうど、セブン-イレブン・ジャパンが1対1.1という謎めいた株式分割をよくやっていた。
8000円の株を分割して1株7000円になったのに、それがすぐまた8000円に戻るみたいに分割するたびに実質的な株価が上がっていた。
「だったら、分割している株を買えば儲かるんじゃね?」と父親と話をして、僕も10万円だけ出して一緒に買ったのが始まり」(P133)
対応する2chの投稿です。

「それから21歳で口座を開設して株を買うようになるまで、株はやらなかった。
2ちゃんねるでは「5年間勝ち続けた」と吹いていたみたいだけど、あんまり覚えていない」(P133)

5年間無敗というのはフカシだったようです(負けていたわけでは無いので無敗と言うのも間違いではないですが)。
まだ何者でも無かったcisは自分を少しでも大きく見せたかったのでしょう。
⑤-4.ゲーム
(トレードには)「取引自体をスムーズに行うための基礎的なスキルも必要。
自分が買いたい値段で買うためには、すばやいコマンド入力と値動きに対して瞬時に動ける反射神経が求められる」(P112)
「基礎的な能力はテレビゲームやパソコンゲームで磨いてきた面が大きい。
とっさにコマンドを入力する動作と反射神経を鍛えたのは「ストリートファイターⅡ」だったし、
自分のレベルを上げることの大切さ、相手に関する研究をする事前準備の必要を学んだのは「ウルティマオンライン」だったし、
瞬時に変化する場況を読む広い視野と戦況に対応する能力は「エイジオブエンパイア」で磨いた」(P113)
cisはテレビゲームの名手で高校生の時に大会で優勝したこともあります。

コマンドを入力する動作と反射神経を鍛えたという「ストリートファイターⅡ」はcisが得意なゲームの一つです。


自分のレベルを上げることの大切さ、相手に関する研究をする事前準備の必要を学んだというのが「ウルティマオンライン」です。
cisのウルティマオンラインへの没頭ぶりは2chでも有名でした。

http://www.roy.hi-ho.ne.jp/ciss/uo/uotop.htm
コピペも作られました(UOはウルティマオンラインの略)。

最後はアカウントを売却して引退したということです。

瞬時に変化する場況を読む広い視野と戦況に対応する能力を磨いたというのが「エイジオブエンパイア」です。


※RoRというのはエイジオブエンパイアシリーズの一つのライズオブローマのこと。
「僕自身(※株に必要な)こうした能力はゲームで鍛えた」(P113)と言うようにcisの能力の土台となっています。


⑤-5.投資会社
「じつは一度、トレードの会社をつくって失敗したことがある。
会社をつくって、大学の友だちを5人雇った。
僕が彼らに株の売買を直接教えたら、少なくとも半分くらいの人は億を稼げるようになるんじゃなかなと思って」(P105)
これは2006年のことです。



このトレーディング会社は2008年に終わります。


大きく成功した人はいませんでした。
「みんな、1000万円でスタートして、2年間やった結果、一人だけ2400万円になり、あとはちょいプラスやちょいマイナス。
数百万円のマイナスもいた」(P106)
トレーディング事業を終えた後、cisは資本金で藤商事の株を買い、藤商事の配当をもらい続けるという無限黒字の会社になっています。
⑤-6.中国出張
2003年の話です。
cisは仕事の関係で中国出張に行くことになります。
「総資産が1800万円になった頃に中国出張に行くことがあった。
(中略)自分が持っていたのは三井住友フィナンシャルグループとUFJホールディングス。
信用取引も込みでレバレッジをきかせて、3000万円分の株を持っていた」(P138)
cisはこのまま銀行株を持ち越して中国に行きます。
「1800万円の資産で、値動きの激しい株を3000万円も持っているのは、かなりアブナイ。
中国では当時の日本のガラケーでは電波が入らなかった。
日経平均とニューヨークの株価指数くらいしかわからず、それも中国語と英語での情報だけ、という状況」(P139)
「結果は……というと、出張に行った翌日は上がって、次の日に暴落して、その次の日に帰ってきた。
そのときにはまた上がり、行った日の値段を超えていたから、ほんとにいいタイミングで帰ってくることができた」(P139)
幸い利益を得ることが出来ましたが、かなり危険な取引をしています。
この話は第3章2ch登場①に載せているものです。
⑤-7.ソフトバンク
「総資産が3000万円くらいになっていたとき、ソフトバンクグループをほとんど全力で買っていたら、旧ソフトバンクBBによる個人情報流出問題が起きた」(P140)
「そのときは結局、ストップ安までいかずに寄って500万円負けた。
3000万円中の500万円だから、かなり大きな負けだった」(P141)
これは第4章2ch復帰①に載せてある話です。
再掲します。

cisは総資産が3000万円くらいと言っていますが、2004年6月は8000~9000万円持っていました。
損した金額も上記の通り500万円ではなく300万円でしょう。
それに最終的にはプラスに転換しています。
いろいろ記憶が違っているのかもしれません(cisは頻繁に自分の歴史を間違えます)。
⑤-8.彼女募集
2ちゃんねるで彼女を募集した話が出てきます。
「専業になりたての頃に『電車男』がブームになっていた。
そのとき一緒に遊んでいた投資家の友だちが、2ちゃんねるの純愛掲示板に「3億持ってます、彼女募集中」というスレッドを立てて、
「25歳くらいまでの容姿に自信のある方」を募集した」(P146)
これはびびりおんのことです。
3億持ってます。彼女欲しいPart1
https://cis-9984.blog.jp/archives/1058063757.html
「面白そうだから、こっちは「1億2000万持ってます、彼女募集中」みたいな、金額を3分の1くらいにした劣化版を作ってみた。
「年齢、容姿を問いません」としたら、友だちの100倍くらいメールがきた」(P146)
cisのスレです。
1億持ってます。彼女欲しい
https://cis-9984.blog.jp/archives/1019925795.html
「10か月で3000通くらいきた。そのうち2000通は株系からの冷やかしだったけれど。
それでも1000通は女性からのメールだった」(P147)
女性から1000通のメールが来たと言います。
cisは10か月と言っていますが、実際の募集期間は2004年9月~2005年1月の4カ月です。
第12章経験の差で紹介しましたが、もう一度整理してみましょう。
募集してきた人数です。
2006年10月16日の発言:350人
2007年05月04日の発言:900人
2008年01月27日の発言:1000通(※22時48分)
2008年01月27日の発言:1500通(※22時57分)
2008年09月22日の発言:1000~2000人
cis本の初版は2018年12月21日なのでその日の発言と言うことにすると
2018年12月21日の発言:1000通
ということになります。
史上初めて下方修正されました。
どこか体調でも悪いのでしょうか。
心配です。
「どう見ても50歳を過ぎている女性が来て、「お姉さんすぎたかな」と言われた」(P147)
これは、第12章で紹介した例の女性のことでしょう。
cis伝HOME BNF伝TOP
第40章チョムチョム秋葉原②>第41章下髭陰線①>第41章下髭陰線②