第14章2トップ②
4.2007年4~7月のcis
この時期のcisについて触れます。
cisの収支です(単位は万円)。
地合いの良さも手伝って好成績です。





4-1.ネットマネー2007年7月号(2007年5月21日発売)
cisは起業や経営にはほとんど興味を示さず、株だけで生活を送っていたのですが、コテハン仲間の三空とますぷろに誘われる形で2007年4月に株式会社すぺいろんの取締役に就任します(社長はますぷろ、三空は取締役)。
すぺいろんは個人投資家の交流を目的としたカブトモネットと言うサイトの運営が主たる事業でした。
https://www.kabutomo.net/
※メールアドレスによる登録が必要。
そのことがきっかけとなって、それまで一切マスメディアに出なかったcisがマスメディアに出るようになります。
初のマスメディア出演が2007年5月21日発売のネットマネー2007年7月号でした。


ネットマネー2007年7月号(2007年5月21日発売)




さんざんBNFやびびりおんの頭髪をおちょくってきたcisですが、ついに自らの身に降りかかってきたのかもしれません。
cisは36億8267万9473円の資産を公表します。
cisはバーチャの振りをするのが好きでしたが、

それもできなくなって寂しそうです。

現在の投資資金48億8000万円と書かれていますが、残りの資金については後に

と言っています。
順張りを強く主張することの多いcisですが、ここでは珍しく逆張りについて触れられています。
(逆張りは)「誰が見ても「もうダメだろ」ってやつを探す。
状況的にも心理的にも最悪で、絶望感が広がってる感じの。
さらに厚い売り板があったら最高」
「もしくは連日下がってる銘柄が、米国の暴落でより下げたときとか、需給が悪化して値崩れしていた銘柄が、悪材料でさらに落ち込んだときとか。
そんな具合に悪条件が2つ重なったとき初めて、逆張りの期待値がプラスになる買いポイントが生まれるんじゃないか、と。
ま、見込みちがいもよくあるけどね」
「連日下がってる銘柄が、米国の暴落でより下がったとき」と言っていますが、いつ反発してもおかしくない乖離率に加えて、米国の影響でGDしたところを狙っていくのはBNFの逆張りと同じです。
逆張りの手法について語っていますが、最後はやはり順張りを主張しています。
「下がってる株価の底を拾える確率って相当低いし。
ふだんよく見てる銘柄でも、底を当てろっていわれたら、半分も的中しないと思う。
やるからには勝ちたいから、ふだんはやっぱり順張りのほうに比重が傾くよ」
4-2.cisのポートフォリオ
cisはこの時期よくポートフォリオ(SBIのスクショ画像)を2ch上に公開していました。
そのうちの一つが今でも残っているので紹介します。

フランシスコ・フィリョは当時立ち技系格闘技で活躍した格闘家です。



https://cadillac600.blog.fc2.com/blog-entry-1348.htmlより



cisは39億4652万6057円の資産です。
前述のネットマネー7月号(取材は4月17日)の36.8億円から3か月で2.6億円ほど増やしています。
住友金属工業(5405現在は上場廃止)、JFE(5411)、三菱マテリアル(5711)、住友金属鉱山(5713)、トヨタ自動車(7203)、ホンダ(7267)について詳しく見て行きます。
不二ラテックス、吉野家、松屋フーズ、投信は長期投資になり、cisの本来のスタイルではないのでここでは除外します。
マネーパートナーズグループは新規上場8営業日目で瞬間瞬間の判断力が求められる鉄火場相場の最中で、ここで検証するには不適切なので除外します。
4-2-1.トヨタ自動車・ホンダ
まずトヨタ自動車、ホンダについて見て行きます。
これらは買値から見るに、前営業日の6月29日(金)から買っています。


【cis予想購入単価】は、cisの過去のトレードパターン及びスクショ画像の単価から、このように分散して買っただろうという予想です。
【cis予想購入数量】も同様です。
【cis予想購入金額】は、【cis予想購入単価】と【cis予想購入数量】を掛けたものです。
【始値比】とは、始値を0%とした時、どのぐらい株価が上昇した時にcisが買ったか見るものです。
始値比=cis購入単価÷始値 で求めます。
プラスならば陽線、マイナスならば陰線の時に買っています。
【安値高値比】とは、その日の安値を0%、高値を100%と見た時、cisがどの位置で買ったかを見るものです。
安値高値比=(cis購入単価-安値)÷(高値-安値) で求めます。
66.7%(100%の2/3)以上ならば高値圏で買ったと言えるでしょう。
【終値比】とは、終値での損益になります。cis購入単価を0%とした時の終値の比率になります。
終値比=(終値-cis購入単価)÷cis購入単価 で求めます。
プラスならば含み益、マイナスならば含み損になります。
大引けで買い増した分を除けば、寄付きもしくは寄付きからさほど上昇していないところで買っています。
このこととcisの過去の発言を踏まえてトヨタ自動車とホンダのトレードについて推測で書きます。
〔以下推測〕
日経平均(現物)が+0.44%のGUに対してトヨタ自動車は+0.79%のGUで始まったため、cisは寄付きから買って行きます。
始値である7,680円でおよそ10億円分の130,000株の買い注文を飛ばしますが、一部スリッページ(狙った買付単価と実際に約定した買付単価の差)が発生し、7,680円で124,000株、1ティック上の7,690円で6,000株約定します。
その後、一旦様子見しますが、流動性(出来高や約定状況)の多さと値動きの底堅さから上昇すると判断し、7,700円で板1枚分の145,800株の買い注文を入れますが、ここでもスリッページが発生し、7,700円で140,200株、7,710円で5,600株約定します。
一方、ホンダは+0.45%のGUであり、日経平均の+0.44%とさほど変わらないGU率だったので、一旦寄付きは様子見します。
トヨタ自動車に買い注文を入れるかたわら、ホンダの板を見ているとトヨタ自動車同様、流動性と値動きの底堅さを感じたため、寄付きから20円ほど上昇した4,460円で300,000株の注文を入れます。
これは全てその値段で約定します。
その後狙い通りにトヨタ自動車とホンダは上昇します。
cisはデイトレードが中心ですが、強さが続いていたので(高値圏を維持していたので)、そのままホールドします。
大引け近くになり、日足の足形が見えてきたところ、cisが特に強い足型と見ているGU陽線でしかも高値引けになりそうです。
cisはすかさず大引けに買い増しの注文、トヨタ自動車に100,000株、ホンダに200,000株を入れます。
長方形です。
結果的にホンダは高値引けではありませんでしたが、トヨタ自動車は高値引けでした。
翌営業日の7月2日(月)、ダウ平均とナスダックがそれぞれわずかに下落(-0.10%と-0.20%)したのを受けてGDしてもおかしくありませんでしたが、6月29日(金)の大引けと同じで値段で始まったこともあって、そのままホールドします。
ホンダは上昇軌道に乗って陽線を付けます。
トヨタは深く押す場面もありましたが、5日線の上を維持していたこともあり、そのまま持ち続けます。
〔推測ここまで〕
4-2-2.住友金属鉱山
住友金属鉱山(5713)について見て行きます。
これはスクショ画像を上げた日(7月2日(月))に買ったものです。

7月2日(月)の始値が5,380円であり、cisがその1ティック上(5,390円)という中途半端なところでおよそ1.7億円を買い付けたとは考えにくいので、トヨタ自動車やホンダ同様、何回かに分けて買ったものと見られます。
推測で説明します。
〔以下推測〕
7月2日(月)の日経平均は、前営業日の終値とほぼ変わらずの18,139.04円(+0.68円、+0.00%)で始まります。
住友金属鉱山は5,380円(+30円、+0.5%)での寄付きです。
日経平均が示すように、ほとんどの銘柄が変わらずか、マイナスで始まる中、健闘していると言えます。
そこでcisは寄付く直前、20,000株およそ1億円の注文を入れます。
始値5,380円で全て約定します。住友金属鉱山はcisの読み通り、寄り底で上昇します。
流動性と値動きに加え、25日線のサポートもありますのでcisは始値から20円ほど上昇した5,400円で10,000株を買い増します。
値動きは衰えそうにないのでさらに5,440円で2,000株ほど買い増します。
結局このまま上昇し続け、大引けは高値引けになりました。
GU陽線高値引けと言う最も強い足型です。
cisがスクショ画像をアップロードしたのは14時56分なので大引けの状況まで分かりませんが、大引けで買い増した可能性は高いのではないでしょうか。
〔推測ここまで〕
4-2-3.住友金属工業・JFE・三菱マテリアル
住友金属工業(5405現在は上場廃止)、JFE(5411)、三菱マテリアル(5711)について詳しく見て行きます。
これらはスクショ画像をアップロードした7月2日(月)に買ったものです。

【安値高値比】から高値圏で買っていることが分かります。
〔以下推測〕
前述の住友金属鉱山と違い、7月2日(月)の寄付きは特に強くなかったのでトレード対象としては見ず、その後株価が上昇したところで監視し始めます。
特に値動きが強かったので14時30分過ぎに持ち越しを目的に買いに行きます。
14時30分過ぎですと時間もありませんから、分散買いはせず、1回で買います。
翌7月3日(火)の寄付きは、この3つの銘柄に関しては住友金属工業とJFEはGDして持ち越しに失敗しますが、最も多く持ち越した三菱マテリアルがGUし、その利益でトータルで利益を上げています。
〔推測ここまで〕
cisのエントリーポイントのイメージ図です。

参考発言







少し蛇足になりますが、この時期のcisな有名な発言を一つを紹介します。


どんな時でも冷静に自分のスタイルを貫くことを説いています。
4-3.北尾吉孝SBI社長との対談
cisはトレードにSBI証券を利用しています(当時はSBIイー・トレード証券)。
そのSBI証券の社長である北尾吉孝との対談が実現します。
対談のオファーはすぺいろんを立ち上げてまだ2週間程度の2007年4月26日に来ました。

cisは2chでこそ有名人でしたが、この当時一般的には全くの無名でした。
すぺいろんもできたばかりの小さな会社です。謎は深まるばかりです。


長者村というのはSBI証券がやっていた個人投資家同士の交流を目的としたSNSです。
cisが取締役をしている すぺいろん (カブトモネット)とちょうど競合関係になるものです。

悲しいことにすぺいろんのような零細企業はSBI証券には眼中に無いのかもしれません。

SBI証券に買収提案されたら?という質問に対しても

と言っています。
ますぷろと三空に誘われてやっているだけなのでcisはやる気が今いちです。
このようなcisの取締役の座がどうなったかは、第20章を参考にして下さい。







cisは北尾吉孝との対談に向けて張り切っていますが、不穏な噂が流れます。




インフォメーションミーティング(IM)とはSBI証券がやっている個人投資家向け説明会です。
そこで北尾吉孝はBNFと対談する予定だと言います。
すでに対談の日まで決まっているcisとの対談については全く触れません。


BNFとcisを間違えているのではないか…そんな噂で持ち切りです。



(上段のAAは孫正義)
真相はいかに…いよいよ対談の日です。
対談がザラ場中に設定されたのでcisは後場を休むはめになりました。


肝心の対談は、


幸いBNFとの人違いではなかったようです。
対談は3回にわたって公開されました。

第一弾です。












ぶ○に何が入るのか不明ですが、ヤワラちゃんこと柔道家の谷亮子に似た女性がいたようです。
繰り返しになりますが、○さに何が入るのかは分かりません。
この対談でcisは長方形トレードについて明確に説明しており、参考になります。
孫正義とBNFがどこでどういう風に会ったのかは現在に至るまで謎となっています。
第二弾は四日後の6月18日に公開されました。









cisは2chでのふざけた発言とは裏腹にアナリストレポートや決算書にきちんと目を通しているのがうかがえます(トレードはあくまでも値動きの強弱でやっており、この手の情報は売買の判断には加味していないということです)。
テレビに出ているカリスマトレーダーを苦々しく思っているのは北尾吉孝も同様のようです。
cisは上手く北尾吉孝の話を盛り上げ、聞き役に徹するだけでなく、先物口座と株式口座の一元化を提案するなど、「課長」のニックネームにふさわしい中間管理職的スキルを発揮しています。
先物口座と株式口座の一元化については、この時は北尾吉孝は前向きな返事をしていますが、2021年5月現在まだ実現していません。
最終回の第3弾です。












cisはかねてから北尾吉孝に言うと言っていたSBIホールディングスの株券の新規発行について「会社が大きくなっても株主として夢が見れない」と熱弁を振るっています。
北尾吉孝は耳を貸しつつも新規発行によってEPSが下がったとしても「どこかでそれを上回る収益が期待通りに上がっていく」から「それまでの辛抱」と言います。
議論は平行線ですがcisが「確かにSBI自体は財務とか収益とか経済基盤とかを見ると、今が飛躍の前段階のような気が僕はします」と歩み寄ると北尾吉孝も「cisさんのような方にそのような印象を持っていただけると非常に有り難い」と安心したようです。
なおもcisが資金調達(増資)をしないでソフトバンク・インベストメント(現SBIホールディングス)がイー・トレード証券を合併していたら「会社としてはそんなに大きくなってないかもしれないですけど」「株主によってはその方が良かったかもしれない」と食い下がると、北尾吉孝はSBI証券がネット証券で断トツ一位になれたのは「あの時の合併によって資金力をつけられたからだと思う」ということです。
株価の上昇を望むcisと企業の成長を望む北尾吉孝の議論は、典型的な投資家と経営者の議論とも言え、平行線のままです。
cisはSBIホールディングスへの批判から、新興企業一般への批判に鞍替えし、なおも食い下がります。
「他の新興企業の場合ですと資金調達額がさらに大きいじゃないですか。
500億円とか、新興企業の経常利益を全て足した額より、調達額の方が多かったりする。
なので、個人投資家は新興市場全体を株券印刷業だと言っていて・・・、それが長期で持てない理由でもあるんです。
何人か機関投資家とも話したことがあるのですが、「新興企業は株券を印刷して発行済み株式数を増やすから、投信に組み入れるのはなぁ・・・」と言っている方もいましたね」
北尾吉孝はそういう企業であっても機関投資家は成長性があるならば買って行くべきだが、
「今の機関投資家の考え方が、ややデイトレーダーに近くなってしまっている」
「最近の機関投資家は、企業の成長もそのくらいのタームで見るということが出来なくなっています。
短期間でしか見られなくなっている」
と言っています。
cisは資金を生かす能力もないのに増資をしようとする経営者に不満で、北尾吉孝はある程度長い期間で成長性を見ようとしない機関投資家に不満そうです。
cisは企業のファイナンスに対して見識が深く、大物経営者を前に堂々と渡り合っています。
最後に回転売買について
「日後の受け渡し後の現金を担保として、イー・トレード証券が個人にそれと同じ、信用取引みたいにレバレッジはかけないで、それを担保として同じ株券だけの現金を貸し付けるということは出来ないんでしょうか?」
と要望を上げています。



北尾吉孝はブログでcisとの対談について、
「cisさんとの対談も最終回を迎えましたが、大成功を収めている個人投資家から率直なご意見をいただき、このような対談企画もいいものだと考えております」
と言っています。

https://www.sbi-com.jp/kitao_diary/archives/20070622169.html
この時の対談は月刊CIRCUS2007年9月号と10月号に収録されています。
cisが懸命に主張した株式口座と先物口座の一元化や回転売買の無制限化はカットされてしまっているのが残念です。
CIRCUS2007年9月号①
CIRCUS2007年9月号②
CIRCUS2007年9月号③
CIRCUS2007年10月号①
CIRCUS2007年10月号②




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