3月25日

なんでも良いけど(良くないか)、近年古のオーディオ機器の中古価格がうなぎ登りだ。

まあ買いたい人がいるのでそうなるのだが、こちとらはいい迷惑である。

いい迷惑はよいが、世の中よっしーの都合では回っていない。やむを得ない。

そこで
ジャンク品に目が向く。

それらは腕に多少の覚えが無いと立ち直らせないので完動を謳う物よりは
安くなる。

…とはいってもそれらも結構値が上がってしまう場合もあるので、更に不人気で
世評が今一つの物をターゲットにする事になるのだが、その辺も目利きの腕の見せ所と思う。




3月26日



そんなこんなでこのカートリッジもやって来たのだが、ぱっと見て何かわかる人は
かなり
年季の入ったマニアだ。

なんとなくシュアー
M75みたいな雰囲気を持っている。
だがピンの配列は
M44的でもある?

シールドケースはピカピカ光る、このカートリッジはなによ?


そう、これは
ジムテックのV-�Vというカートリッジなのだ。

ステレオ誌
1974年3月号に記事が載っているのでその時代の物という事になる。





ジムテック。

この社名というかブランド名が
ジムランとアルテックを掛け合わせたものだというから凄い。

世のなか舐めている?

いや、遊び心があって良いんじゃないかと思うけど。

そしてこの会社、
横浜光学。SAECの流れの中にいる、歴史的には要所に居た会社なのだ。
知られるところだがサエクのアーム
WE-308の初期にはジムテックの名が入った物が存在した。

ジムテックはどちらかというと
スピーカーで名を成した(成していない?)ブランドなのだが
その後管球
アンプを発売。続く第三弾がカートリッジになって、それがこのV�Vなのだが、
まあこりゃ
シュアーを意識していなかったというと嘘になろう。

良くぞ作りました、と言いたくなる。

このカートリッジが生まれた背景には、それまでカートリッジを発売していた
横浜光学
コンダクトが倒産して、そこに居た田中さん(といえばSAEC)がフリーになり、
それでこの製品の開発に関わったとか。
そんなことがステレオ誌に書かれていた。

V�VだがもちろんMMで
出力2,4mV。
針圧が0,8〜2,5gと滅茶苦茶な?数値だが、このあたりにコンダクトの血統を感じる?
適性針圧は
1,5gとされてはいるが大らかなものだ。


さて
音出し…


3月27日

さて音出し…と行きたいがこの個体は
ジャンクであり、チップ落ち。

しかし見ると本当にチップが無いの?本当はあるんじゃない?という感じだったのだが、
残念、やっぱりチップは無い。



ま、手持ちのMMカートリッジ達の針がどれか刺さるだろうと思ったら、これが
どれも嵌らない。

甘かったか…と呟いて、次は
かけつぎを考える。

だがかけつぎも結構大変なのだ。

眺めている内に
カンチレバーごと引っこ抜いてしまったらどうか?と思った。

で、ピンセットで引っ張ったら割と簡単に抜けてしまった。

抜いてどうするんだ?と思われそうだが、かけつぎするよりも
別のカンチレバーを
丸ごと挿す方が容易。

今回は
日立ST-23の物を利用。

どうかな?と心配したが割と
すんなりと刺さってしまった。



そんなんで良いのか?と言われたら良くないかもしれないが、こうしたことが出来るのも
アナログならでは。そしてジャンクオーディオの
醍醐味。

取りあえずヤマハのシェルに付けてみたが、V�Vさま、なかなか
格好良くて、
これは本家SME様のシェルに付けたいくらい?

もっとも本当は後の
SAECのシェルに似た形のシェル込で売られていたカートリッジだったっけ。

ま、取り合えず今はテスト段階。
これで
音を出してみようではないか。


3月28日

音を出してみようではないか…は良いが事はそう簡単ではない。

カンチレバーを引っこ抜いて挿しました。終わり、となるほど世の中
甘くない?

まあ色々やったのだが、それを全部書いてみても読む人には大して面白く無いに違いない。

ダンパーにラバープロテクションを垂らしたり、カンチレバーの入り具合を加減したり、
シェルを取り換えたり針圧を色々動かしたりと様々だ。

結果として出てきた音はなかなか
まともな物でほっとしている。

改造V�V(なんか格好よネーミングだ)の音だが、ややハイ上がりに聴こえるが
これが本当のV�Vの音かどうかはわからない。
ステレオ誌の
記事なんか読むと、やや大人し目。しっとり系。後一歩高域にパンチが…
みたいな感じのはずなのだが、それとはちょっと
違う物になっている?

まあその辺は仕方ない。何しろ
ジャンク改造品だ。音が出るだけ儲けもの。これは本当だ。

ひとつ気になるのが、このカートリッジの美点として針ガードを上げた状態では
針先ユニットが
抜けなくなる構造というのがあってそれは確かに機能しているのだが
どうも今一つ勘合が甘いというか、接着剤で針ユニットをボディに
接着したくなるような部分がある。

こんなの音に良いわけないので、その内なにかしてしまうかもしれない。

でも、まあ
蘇生して良かったね。

万歳!ジャンクオーディオ♪


3月29日

その後のV�V
だが…というほど時間は経過していないのだが印象はだいぶ変わって来た?

一時は妙に大人しく感じられたのだがその後
ほぼ中立な感じに落ち着いた。

そんなにコロコロ音が変わるもんか。オマエの弄り方がテキトーなだけだ、と
言われたら、はい、その通りです。とお応えするしかない。

ひとつには
ダンパーのゴムの問題があったと思う。
ここが良い感じに落ち着くのに時間が掛かった。

時間が掛かっても落ち着くのは
良品である。
困るのはカチカチに硬化。あるいはゴムが溶けてボディーが盤面を擦る様になる。
そんなパターンだ。

ジムテック、
48年後も健在とは立派なものである。



これもヤマハのシェルだがPX-2のシェルに付け替えてみた。

そうしたらやっぱりPX-2でも再生すべきだろう、と思って使ってみている。



もうひとつ。

PeerlessのTA6FD00-04が化けた。

やはりオーディオ装置は繋いですぐの音だけで判断してはいけない。

特にスピーカーユニットはそうだ?

これ一本あれば他の物は捨てても良い、
まではいかないかもしれないが
長時間聴いてみても
不満もなくガッカリもしないというレベルにある。

これは当初からなのだが、ワイドレンジではないものの
奇妙なフラットネスを持っていて小音量でローブーストとかを
しないでも鑑賞に耐えうるのだ。

もう一つも最初からだが思ったよりパワーが入って
耐入力がある。

一応補足するとCD-10とAU-α907iMOSという組み合わせで鳴らしている。



3月30日

話しは変わり、ただ今
オーディオ模様替えの最中。

まあそんな事をしている時が
幸せな時である。

きっかけの一つは先日の腰痛。

アンプを引っ張り出す時にしてやってしまった。

やはり機器の
裏側には簡単にアクセス出来るようにしておかないとならない。

三方向に装置があって、うち二か所はそれが実現していたのに残る
一箇所が問題だった。

それがひとつの理由で、あとは装置の
使い易さの問題。

御多分に洩れずアンプもスピーカーもいっぱいあるのだから
それらをもっと
鳴らし易くしたい。

ってことでザック
リ三系統に装置を切り分けてみた。

一つは
G7を鳴らす装置で、プリはダウンしたPRA-2000に替わってSY-88。
メインアンプは恐れ多くもSONY
TA-NR1様だ。
ここには
DV-AX10やGT-2000黒+WE407/23やMU-1800+EPA-100が加わる。

次に
C-2X→HMA-9500という流れを作って、これでロジャースLS5/9を鳴らす事にした。
ここには
GT-2000X+WE-407GTが二台とONKYO T-4070が加わってハイレゾも鳴らせる。
CDX2200も参入。

そしてセンターに
AU-α907iMOS Limitedを中心にPX-2やCD-10を加えて別のスピーカー群を
鳴らせるようにしてみた。

それに何の意味があるか、などと問うてはいけない。
なぜって意味なんかないからだ。



3月31日

ロジャース
LS5/9。
家に居座って
20年を越えている。

近年は待機の位置にいることがほとんどだったが
これを常駐させないのは罪深いと思って今回は
定位置を作ってみた。

といっても実に適当に、空いている場所に設置したに過ぎないのだが
随分ちゃんとした音が出ていて驚く。

もっとも、
ここから先の15%とか20%を詰めるのに難儀するのだが、今はそれはやらない。

それよりも深々と懐深く鳴る
バスに感嘆したりして過ごしたい。

そうそう、低音、というより、バス、なのだ。

この辺は音に関する彼我の
考え方の違いが現れる所でもある。
もうすこし引き締めたい気もするけど、このままでも別に良い。



G7は…というと、このスピーカーはよゐこなのだと思う。

まともな音がする。
もっとパリッと、とか思う瞬間もあるが、それはもう
G7ではなくG9にしろと心の声がする。

メインアンプに
TA-NR1を使うとどうか?というとさすがに美しい音がするし
一段と
鳴りが深くなる。

これは今回ラックからNR1を引っ張り出して
床置きしたみたら却って音は良くなったかも?
というお話しだ。オーディオは奥が深い。

なおNR1をずっと今の位置に置くかどうかはわからない。

プリに
SY-88でメインにNR1というのもこれまでやったことが無かったのかも?

実は
相性が良いのかもしれないが、この世の誰もこんな組み合わせはやっていない?
あるいはやっていても発表が無いのか?

わからん。




それにしても、
あっちにこっちに装置があって、色々なソースを掛け放題。

実に贅沢というか
幸せな話しである。

ただ、人間が主役なのか機器が主役なのかというとわからなくなる。

オーディオが主役になり掛けるのを意志の力で
踏みとどまっている。

…と思いたい。

オーディオという趣味に関しては毎日幸せいっぱいだ。

時々
それで良いのか?と思いたくもなるのだがビョーキだから仕方ない。

この世にオーディオさえなかったら、きっと色々な事を成し遂げたことであろう。
そう考えると全人類的にモッタイナイ事をしてしまった(笑)


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