九州支部例会

更新日: 2018/11/23

2018年度

第2回: 2018年12月1日(土)午後1時~3時
福岡大学 文系センター15階 第7会議室
何潔(九州大学・院)
中国語の副詞“倒”と対応する日本語の表現
中国語の副詞“倒”は本来動詞から転じてきたものであり、多様な意味と役割を持つものである。副詞“倒”は、逆接、譲歩、詰問や催促、婉曲の語気など様々な意味を表すことができるため、文と文を繋ぐ接続の用法と話者の語気を表出する用法があるが、一見したところ共通点のない用法が一つの副詞で表出されていることが理解の難点となる。副詞“倒”に関する研究は多数あるが、それを日本語と対応させた表現に関する研究はまだ欠如しているため、本発表では、副詞“倒”が日本語とどのように対応しているかを明らかにする。
宮下尚子(福岡大学)
『元刊雜劇三十種』にみえる“有”
『老乞大集覧・上』には「漢兒人有」という項目に「元時語必於言終用有字,如語助而實非語助,今俗不用」とある。この元代のいわゆる「句末の“有”」は、現代漢語において存現文を構成する動詞や、名詞等に先行してとりたてを行うものとは異なり、句末に置かれたり名詞に後置され、元代の公文書や蒙漢対訳文献に多用されるが、これが公文書や対訳文献とは直接の関係がない元曲元刊本や同時代の評話等にも用例があることは周知の通りである。本発表では、一旦モンゴル語から離れて、『元刊雜劇三十種』にみえる“有”の用例と機能を整理し、「句末の“有”」についての発表者の見解を述べ検討したい。
馮蘊澤(熊本学園大学)
統語成分(“句子成分”)という概念
「統語成分」(“句子成分”)という概念がある。文形成メカニズムを考える立場から見た場合、統語成分分析理論は意味的に不適格な文の生成を阻止できず、言語話者が内的に持っている「言語知識」を正しく反映していないことが分かる。統語成分と意味役割の間に対応関係があり、その関係は非対称性で、かつ、文の(事態)類型によって異なる。これらの事実がほとんど解明されていない点に問題がある。従って、文形成メカニズムの解明にとって、統語成分と意味役割の関係の解明がカギとなる。他方、いわゆる統語成分とは、事実上単に「位置」を表す概念であり、統語成分と意味役割の関係の解明は「位置」と「意味役割」の関係の解明を意味する。
会場所在地:
福岡市城南区七隈八丁目19-1
アクセスマップ:
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キャンパスマップ:
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例会担当:
木村裕章(東亜大学 人間科学部)kimura◆toua-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
第1回: 2018年7月7日(土)午後1時~6時
熊本大学 黒髪北キャンパス 文学部法学部棟本館2階「共用会議室」
王瑶(熊本大学・院)
“給”在近代前期變化―以『朱子語類』為中心―
“給”在現代漢語中的一般含義和用法,主要形成于清代。并且[kei]214這個廣泛用于北方地區的讀音,其入聲的舒聲化方式也比較特殊。本文擬探討的核心問題是:“給”字在從上古到中古的一個過渡時期內,語義發生了怎樣的微妙變化?並對變化的條件加以思考,進而試闡述這些變化是否構成了“給”字演變的条件。『朱子語類』作為一部由學生盡可能忠實記錄老師的言論,並進行匯總而成的著作,可以說是反映當時口語的很好的材料。(木津祐子:2011)并且,成書時代在上古到近代的過渡期。故本文選擇了『朱子語類』作為語料,考察其中“給”的使用情况。尽管“給”在書中出現頻率不高,或已經開始顯露微妙的變化。
王姝茵(熊本大学・院)
“姑娘”の語義及び機能の歴史的変遷について―明清時代の白話小説を中心として―
“姑娘”は明清時代で良く使われる親族呼称語であるが、この言葉の語義の変化は複雑である。初期の宋元時代の「父の姉妹」から清代中期の「地位が高い若い女性」という意味まで、この言葉がどう出現し、語義がどのように変化したのか。また、語義の変化に伴って、“姑娘”の機能がどう変わったか。さらに、“姑娘”の意味と機能の変化は他の類語に影響も与えているのか。本稿は“姑娘”の語義の変化を究明し、また、同時代の「若い女性」を呼ぶ呼称語の意味と機能の変化についても検討する。これにより、明清時代の親族呼称語の歴史変遷の特徴を探求する。
楊明(九州大学・院)
コーパスにおける“是不是”構文に関する一考察

この発表は,発表者の都合で取り消しになりました。

本発表ではコーパスにおける“是不是”構文を対象とし、考察を行う。主に宇都(2003)、中田(2015)などの先行研究を踏まえ、“是不是”構文の意味分布の分析を行った。データにタグを付けて調査した結果、“是不是”構文を、文頭型“是不是”構文と、文中型“是不是”構文と、文末型“是不是”構文(“是不是”の前に“,”記号がある場合もない場合も含まれる)という三つのパターンに再分類できる。また、それぞれの実例を挙げてそれらの意味の違い及びスコープについて記述的な分析を試みた。特に、文末型“是不是”構文に注目し、認知的意味役割、付加疑問機能及び談話標識などについても考察を行った。
宮雪(新潟大学・院)
~过₁”と“~了₁”の文法的使い分けと意味的分析
~过”と“~了”はどちらも動詞の後ろに付き、動結形として使用される。二つとも動作の完了の意味と認められる。“~过”と“~了”が動結形として使用される場合には、共通点が多いため、同じ構文の中でも、置き換えられる場合と置き換えられない場合がある。「完了」を表す“~过”と“~了”について、近年様々な観点から研究が行われているが、まだ検討する余地が残っていると考えられる。本稿では、両者の意味の分析を通し、どのような意味で両者が置き換えるのか、そして、置き換えられる場合にはどのようなニュアンスの違いがあるかなどの問題について論じていく。また、置き換えられない要因も研究範囲に入れ、詳しく分析して行く。
張婉清(熊本大学・院)
≪醒世姻缘传≫中“真真”和“真个”的比较研究
根据白维国《白话小说语言词典》的解释,“真真”和“真个”都可以表示“的确、确实”之意。但是通过对《醒世姻缘传》全书进行考察,在具体的语句中,二者可以相互替换的情况却非常少。为什么二者语义相同,但是在《醒世姻缘传》中却很少能相互替换,二者存在什么样的差异性,二者不能替换的内在原因是什么。这是本文着力要解决的问题。本文以汉语语法研究中的三个平面语法理论为理论基础,从语义、句法、语用三个方面来对《醒世姻缘传》中的“真真”和“真个”进行共时比较,以期能够找出二者的差异性。同时对“真真”和“真个”进行深入分析,找出二者存在差异性的内在原因。
謝平(福岡大学)
心里惦记着孩子”と“手上流着血”について
存現文の中には、「身体名詞+V+NP2」のような使用例が多く見られる。しかし、「身体名詞+V+NP2」という構文であれば、存現文であるというわけではない。例えば、“心里惦记着孩子”と“手上流着血”という例文は、両方とも「身体名詞+V+NP2」という形式を持っている。一見すると、どちらも存現文の形式である「NP1(場所)+V+NP2」に合っており、存現文のように見える。しかし、本発表では決して同じ構文ではないと考える。本発表は、まず存現文になる条件を再考察し、NP1が身体部位である例文をベースにし、“手上流着血”は存現文であるが、“心里惦记着孩子”は存現文ではないことを論じる。
秋山淳(下関市立大学)
中国語のNP1+V+R+NP2構文(VR他動詞構文)の使役義解釈について
沈力(2014)では中国語の結果複合動詞が使役義を獲得することを因果連鎖(<ACT>+CAUSE+<BECOME>)の観点から考察を行っている。それによると、“武松打死了一只老虎”のようなVR他動詞構文の“打(V1)死(V2)”が使役他動詞となるのは統語構造で“死”が“打-<CAUSE>”の<CAUSE>の位置に移動することで、“打死”が<CAUSE>の意味を獲得すると分析している。しかし、“张三追累了李四(了)”(沈家煊2004)のような使役・非使役の両方の解釈が可能なものの存在から、この分析に完全には同意できない。本発表は、VR他動詞構文ではV1、V2それぞれの意味、NP1やNP2に現れる要素、コンテキストなどの百科事典的知識により使役義に解釈されると考える。
植田均(熊本大学)
关于近代汉语的词义分类
现代汉语词汇的词义分类词典出版于1988年,但近代汉语词汇的尚未出版。笔者先把清代北方官话分为初期、中期和后期这三个阶段,然后再试对清代初期的代表性白话资料≪醒世姻缘传≫的词汇进行词义分类。现在还没完工,但已经把整理过程中碰到的几个问题梳理过,并作了报告。如词义分类上的难度:同样是表示人的词语,却出现在不同的大分类中,“马夫”属于交通的J组,“随从”属于社会交际的D组。此外,还有“扭嘴”不是把嘴扭过来的动作,而是表示示意,应该放在F组里的表情小组。又如“外人”(=陌生人)放在小分类的“闲人”小组里面,按理说“外人”和“闲人”在一个小组恐怕不太合适。接下来,还包括一些记音词问题。
会場所在地:
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木村裕章(東亜大学 人間科学部)kimura◆toua-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)

2017年度

第2回: 2017年12月2日(土)午後1時~
熊本大学 黒髪北キャンパス 文学部法学部棟本館2F「共用会議室」
宮下尚子(福岡大学)
《児女英雄伝》に見える“跟”
太田辰夫『中国語史通考』では、“跟”の介詞化の時期を「“跟”は清末に至って介詞および連詞となった」、清代後期の《児女英雄伝》では、「介詞“和”は本書には無く、すべて“合”と書く。“合”は連詞にも用いる。“跟”は近似の例が一つ見えるにとどまる」とし、“就是我過來那年舅母跟我姐姐在園裏住的那一程子的事麽”」(40回)を上げる。“跟”の動詞と介詞の境界は曖昧であるが、介詞節の後に来る主動詞が非移動動詞の場合、前項“跟”の移動に関わる意義は抑えられていると思われる。その“跟”を伴う非移動動詞として“吃”や“講”の例がある。本発表では、《児女英雄伝》北京聚珍堂本を底本として、“跟”の語法化についての検討を行う。
楊明(九州大学・院)
早期白話における“是”構文に関する一考察
上古漢語において“是”が主に指示詞として使用され、中古時期に至ると、指示機能が衰退して繫辞としての機能が強くなったという傾向が検証された。“是”構文の意味変遷及びその文法化プロセスを究明の一端として本稿では早期白話に属する《遊仙窟》(以下略称《遊》)と《大唐三蔵取経詩話》(以下略称《大》)というテキストをデーターベース化して「是」構文の全体像を把握した。《遊》では合計37例で、《大》では合計80例を取り上げて考察した結果、“是”がコピュラとしての使用頻度が非常に高いこと、及び「是」の前に副詞が“是”と共起すること、つまり「NP,副詞+是NP」という構文の出現頻度が高いということが明らかにした。
石亮亮(熊本大学・院)
关于对《醒世姻缘传》中的“常时”的考察
“时常”一词在现代汉语普通话中使用频繁,而与其词序互逆的“常时”一词却很少被使用。然而对清初《醒世姻縁传》的考察发现,“常时”在当时使用频繁,作时间名词平时往常义,基本以口语会话体出现,虽然意思与“平时”“往常”相近,但“常时”更多的强调与现在节点的对比。另外对其在汉语史上演变考察,“常时”经历了上中古时期从通用语到明清时期以至现代汉语方言南方型词汇的历时变化。本文主要选取《醒世姻縁传》中双音复合词“常时”,首先分析“常时”的词汇化过程,其次对其在汉语史上的发展演变轨迹加以考察,揭示其使用特点,又将“常时”与当时意义相关联的近义词进行比较,探讨其使用差异。
楊偉健(九州大学・院)
認知意味論の立場から見る“什么”の各意味間関係
従来、“什么”の構文上の特徴について分析した研究が多く見られるが、認知言語学的観点からの分析が不足している。本稿は認知意味論の枠組みを用いて“什么”について分析した。そして、辞書の記述及び先行研究の知見を踏まえ、“什么”の意味分類を再考した。その上、「中日対訳コーパス」を使用し、具体例を分析することによって、各意味の特徴を図式化し、理解しやすくしている。さらに、各意味間の繋がりを考察し、意味ネットワークにまとめられる部分はできる限りまとめている。今報告では、これらの分析によって、“什么”の意味拡張プロセス及び各意味の関係が意味ネットワークで分かりやすく示すことができる点を証明する。
王姝茵(熊本大学・院)
明清時代の親族呼称語の“爷”“爹”“叔”
“爷”、“爹”、“叔”は日常生活で常用される男性の親族呼称語である。明清白話小説資料の中では、親族への呼称語以外、非親族の相手を呼ぶ用例はたくさんある。それらの用例は意味機能面では、同じ呼称語の中でも必ずしも同じではない。歴史的視点から見れば、“爷”、“爹”、“叔”の意味機能は単一化、厳密化される傾向があると思われる。本稿は、これまでなされていない各資料間の用法上の差異を明らかにする。具体的には、北方区域に属する《金瓶梅詞話》、《醒世姻緣傳》、《紅樓夢》を中心に“爷”、“爹”、“叔”の意味機能を比較した結果、意味の単一化、同時に指示機能が系統化される傾向にあることを証明する。
趙葵欣、劉莎(福岡大学)
基于文献记录的[kei214](给)音再考
现代汉语里give义动词“给[kei214]”的发音一直是学界公认的音变例外(太田辰夫1958;潘悟云1985)。不仅其来源尚无定论(太田辰夫1958;志村良治1995;池田武雄1962;平山久雄2000),[kei214]音产生的时间也很不明确。本研究通过考察两类语料(A.从《四元玉鉴》、四版《老乞大》到明末《醒世姻缘传》等9部官话教材及白话小说;B.从《西儒耳目资》、《字典》、《汉英韵府》到《官话口语语法》等7部传教士著述的发音记录)初步确认了“[kei214]”发音的出现及成熟时期。参照语音变化理论(Philips2001;Bybee2002、2006;Marlett2017),本研究从语言使用角度认为使用频率、词形结构及词性对语音演变有重要影响。
会場所在地:
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例会担当:
植田均(熊本大)hitoshi◆kumamoto-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
第1回: 2017年7月8日(土)13:00~
福岡大学 文系センター15階 第5会議室
石亮亮(熊本大学・院)
关于对明清时期“齐整”和“整齐”的考察
在现代汉语普通话中,“整齐”较为常用,“齐整”用的很少,用法基本相同,两者主导义为“东西不凌乱、外形规则完整”,方言义均为“漂亮、俊俏”,那么在近代汉语中“齐整”和“整齐”这对逆序语使用情况又是怎样。清初期《醒世姻縁傳》中“齐整”出现115例,“整齐”仅出现2例。通过考察发现,明清时代“齐整”无论在小说叙述描写部分还是在口语会话部分,出现频率远远高于“整齐”,即“齐整”较为常用,“整齐”用的很少,并且“漂亮、俊俏”义是“齐整”的常用义之一,南北方皆有使用。本稿主要探讨明清时代“齐整”和“整齐”在语义功能方面具有哪些区别,并从句法结构上,会话文、叙事文的使用方面进行阐述,同时探讨怎样演变到现代汉语。
张恩培(熊本大学・院)
对于《醒世姻縁傳》中“踏、踩、跢”的考察
现代汉语中“踏、踩、跢”都可以表示脚部用力于地面或物体的动作。虽然《现代汉语词典》对三者作出的基本释义如出一辙,但是通过对《醒世姻縁傳》的考察发现,他们由各自的本义引申出来的意义却是大相径庭。如“踏青”“踏雪”等在描述足部动作的同时,还隐含“前进”的意义。又如“踩”所描述的动作中,与接触物体的位置关系一般不需要再次使用介词来说明。另外“跢”在现代汉语中的基础释义有三个:①跌倒。②小孩行走的样子。③携幼儿行走。然而《醒世姻縁傳》中“跢”的使用却是更加丰富。即:①用力踏地;跺。如跢脚。②踹;踢。如跢门。③剟扎。当“跢”在描述用力踏地的动作时,与“踏、踩”相比较“跢”更加能够突出动作的力量之大等。
陈陆琴(九州大学・院)
汉语动词重动句和名词短语
关于重动句的先行研究有很多(范晓1993,王灿龙1999,刘2012等),但是,到目前为止笔者没有看到有关名词短语对重动句的影响的专门研究。所以,本文的研究目的主要是探究名词短语对动词重动句的影响。通过考察,我们发现名词短语有无修饰语会在语义上和句法上对动词重动句产生影响。首先,第一个动词之后的名词短语可以有修饰语也可以有修饰语,但是两者在语义上有区别。有修饰语时,即使没有前后文,重动句一般暗含有对比和强调的意思;而没有修饰语时,一般只表达陈述的意思。其次,第二个动词之后的名词短语都必须还有修饰语。它们构成的动宾短语表示结果的意思。
王姝茵(熊本大学・院)
明清白話小説の中の非親族を呼ぶ親族呼称語について――女性を呼ぶ親族呼称語を例として
明清白話小説中、親族呼称語を用いて非親族を呼ぶ現象は多い。特に女性を呼称する時よく用いられる。先行研究では、“亲属称谓扩大化”、“拟亲属称谓语”、“亲属称谓外化”の三つの考え方があり、親族呼称語を三つの概念の中どれかに嵌めて説明する。しかし、筆者は、実際は三つの概念に各々合致していると思われる。例えば: “嫂子”、“大嫂”、“奶奶”等。更に、ある呼称語の使用は歴史的に変化していることもある。例えば、“姐姐”は“拟亲属称谓语”、後に“亲属称谓外化”として用い、現代漢語で“亲属称谓扩大化”とする。本報告は非親族の女性を呼ぶ親族呼称語について、「親族呼称語を用いて非親族を呼ぶ現象」を検討する。
会場所在地:
福岡市城南区七隈8-19-1
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例会担当:
植田均(熊本大)hitoshi◆kumamoto-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)

2016年度

第2回: 2016年12月3日(土)13:00~
熊本大学 黒髪北キャンパス 文学部法学部棟本館2階「共用会議室」
薛晨(熊本大学大学・院)
関連性理論に基づく中日ニュース見出しにおけるテンス・アスペクト形式に関する一考察――『人民日報』と『読売新聞』を中心に
本稿は、中日ニュースの見出しにおけるテンス・アスペクト形式の使用状況を調査する。調査の結果、テンス・アスペクト形式がよく省略されるということが判明した。関連性理論により、その省略現象の原因を探る。テンス・アスペクト形式の省略は、読者との心理距離を短くし、理解過程にかかわる労力を下げる働きがあるのではないか。特に、日本語の場合では、いつも漢語動詞の後ろにつく「スル」形式を省略することによって、読者に視覚的な刺激と内在的な刺激(推論・思考)を与え、関連性を高めている。
于姝君(新潟大学・院)
V起来AP”と“V上去AP”の意味分析と使い分けについて
従来、方向補語“V起来”の一つの派生義:動作を通じて、「推測」或いは「評価」をすること、についての研究は多いが、同じ意味を表す“V上去”についての研究がまだ不十分だと考える。そしてこの派生義では“V起来”を“V上去”に置き換えられる場合も多いものの、両者の意味的相違に関する比較研究もまだ不十分だと思われる。本発表では、この派生義をめぐって、“V起来”、“V上去”と共起できる動詞を分類し、意味的相違についての分析を行う。さらに、“V起来AP”、“V上去AP”の構文を考察し、“V起来”、“V上去”に置き換えられない原因を究明する。
王笑飛(新潟大学・院)
方向補語“起来”と“”についての比較研究―「開始義」を表す場合―
方向補語“起来”と“”、 いずれも「~し始める、~し出す」という開始の意味を表すことができる。同じ構文の中でも、置き換えられる場合と置き換えられない場合がある。「開始義」を表す“起来”と “”について、近年様々な観点から研究が行われているが、まだ検討する余地が残っていると考える。本稿では、次の二つの観点から“起来”と“”を分析し、両者の文法的使い分けと意味的相違を解明する。⑴方向補語“起来”と“”それぞれの空間的な意味から時間的な意味への拡張現象について分析し、両者の意味的特徴を明らかにする。⑵文末助詞“”の“起来”、“”との共起状況について分析する。
宮下尚子(熊本大学・非)
『元刊雜劇三十種』にみえる“”の分析――授与動詞との関係を中心に
漢語の授与動詞とそれに伴う文法現象の歴史変化検証の一端として『元刊雑劇三十種』(以下『雑』)にみえる“”の用例を検証する。『雑』では“”が当時の代表的な授与動詞“”の受益者標識の役割を果たしている。太田1956によれば處置式を導く介詞“”はすでに唐代にあった。『雑』の“”も介詞用例が主であり、現代の“”構文に共通する用例の他、“把水驟住”の“”は現代語では結果補語“”に相当すると考えられる。動詞では“把盞”等の他、“你不把俺一分錢才”(私等に僅かな財物もくれない)の様な授与動詞の用例があるが、数例に過ぎない。
石亮亮(熊本大学・院)
《醒世姻縁傳》の“喜歓”と“歓喜”について
現代共通語の会話では喜ぶ気持ちを表現する時一般に“開心”を口頭語で使用し、地の文では“愉快”を使う。本稿は清初期《醒世姻縁傳》(略称《醒》、下同) の“喜歓”と“歓喜”を中心に口頭語と地の文では一体どちらが一般的か、また両者の機能上の区別と特徴にも言及する。《醒》の会話文では“喜歓”の用例は、全用例79のうち36例を検出した。地の文では“歓喜”の用例は全用例45の中に41例を検出した。
趙葵欣(福岡大学)
《官话指南》的助动词系统――十九世纪末汉语官话助动词系列研究之三
本文着眼于汉语助动词历史演变,考察《官话指南》(1881)的助动词系统。整理了该书所有十七个助动词及其各种情态用法,指出该书助动词系统的一些特点,如意愿类动力情态主要用“要、愿意”,“想”助动词用法尚未发达;能性类动力情态没有“能够”;应该类道义情态主要用“该当、应当”,“应该”仍不见等。对比李明(2001/2016)、趙葵欣(2015)的研究成果,文章还描述了从清末到现代汉语助动词演变的一些特征,如道义情态助动词呈现明显简化趋势、“能”在十九世纪末期还保留有认识情态用法等。对该书助动词系统的考察,与趙葵欣(2015)的研究相互印证,能更加细化汉语助动词在近代的演变过程。
張恩培(熊本大学・院)
跳、躍、騰”について
跳、躍、騰”は「二つの足が地面から離れて、上にあるいは前に移動する」という共通の意味がある。この三つの動詞はよく似ていて、母語話者である中国人にとっても使用上曖昧になることが少なくない。ましてや、外国人の中国語学習者にとって、その運用方法は非常に難しい。そこで、本稿は《醒世姻縁伝》(略称《醒》。以下同じ)における“跳、躍、騰”の用例を分析し、まとめたうえ、類義語の視点から、三者の共通点と相違点を分析し、具体的な意味用法を明らかにする。
王姝茵(熊本大学・院)
性別からの≪醒世姻縁伝≫親族呼称語の使用の差異への考察
≪醒世姻縁伝≫(略称≪醒)。以下同じ)では、様々な親族語が使われている。使用法から分類すると、「面と向かっての呼称」、「陰での呼称」、「自分を呼ぶこと及び叙述に用いる呼称」、「会話の第三者などを指示する呼称」の四種類に分けられる。本稿は≪醒≫の親族呼称語を調査し、性別による使用法と使用した相手などから、≪醒≫の親族呼称語の使用法を考察する。それによりまず、清代初期の山東方言の親族呼称語についての用法を究明し、今後の近世漢語全体の親族呼称語の使用法を検討するための一つの手掛かりとしたい。
木村裕章(東亜大学)
中国語における目的語前置と動詞の他動性について
中国語は基本的に「S+V+O」の語順をとるが、その直接目的語を動詞に前置させることができる。このような目的語前置にはいくつかの形式があるが、これらの文の適格性を文中の動詞の他動性を検証することで判断し、動詞分類に関する考察を行う。具体的には、『剧本』にあるシナリオの会話文の中から目的語を前置した主題文・目的語前置文・“”構文を収集し、それらに使用されている動詞の他動性の強弱や前置された成分の指示性を比較し、使用されている動詞の他動性との関連性についても検討を行う。全体的な傾向としては、主題文・目的語前置文よりも“”構文に使用される動詞の方に他動性が高いという結論が得られた。
会場所在地:
〒860-8555 熊本市中央区黒髪2丁目40番1号
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例会担当:
植田均(熊本大)hitoshi◆kumamoto-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
第1回: 2016年7月9日(土)午後1時~(会場12:30~)
久留米大学御井キャンパス800号館(御井メディアセンター)4階LL2教室
薛晨(熊本大学・院)
中国語ニュース見出しにおけるテンス・アスペクト形式の使用状況について――『人民日報』のネットニュースを中心に
アスペクトの表現形式というと、日本語では、動詞のシテイル形式とスル形式で継続相と完成相の対立を表しているのに対し、中国語では、動詞の語形変化がないため、主に、動詞の後につく助詞“”、“”、“”によって完成相、継続相、過去相が表現されると思われている。しかし、実はそれらの助詞だけでなく、“”、“”、“正在”、“”などの副詞もアスペクト意味を表せる。また、未来のことを表す時、よく“”、“”などの副詞が使われる。今、ニュース見出しは特殊な文体表現として重要な役割を果たしている。本稿では中国語ニュースの見出しに着目し、それにおけるテンス・アスペクト形式の使用状況とその構文特徴を究明する。
王姝茵(熊本大学・院)
≪醒世姻縁伝≫の親族呼称語“大嫂”についての考察
今回の報告は、≪醒世姻縁伝≫の親族呼称語“大嫂”に対する考察をおこなう。≪醒世姻縁伝≫中の“大嫂”は99条出現する。そのうち、「兄の妻」という意味の“大嫂”が2条で、他の97条は非親族の既婚女性への呼称語である。先行研究では、その97条の“大嫂”はは「親族呼称語の拡大化」だと主張する。(黄悦(2012): 「『醒世姻缘伝』の親属称谓語の研究」,揚州大学,2012年5月) 筆者は話し手が聞き手と関係によると、その97条の“大嫂”は二つ種類に分けられると思う。一つは、話し手が聞き手と親族関係を持たない場合で(66条)、「親族呼称語の拡大化」である。もう一つは話者が使用人での場合(31条)、「親族語の敬語化」である。
石亮亮(熊本大学・院)
關於對《醒世姻緣傳》中“難為”的考察
近代漢語對“難為”一般以①“使人為難”②“多虧;表感謝或稱贊”③“不易對付”④“糟蹋”四種義項詮釋,即使現代漢語對其解釋也大同小異。但是通過對近代明末清初的《醒世姻緣傳》(間稱《醒》)中“難為”的考察發現,“難為”不僅具有以上義項,還含有反諷意味和轉折意味。並且其中的“難為”在語法結構上也形式豐富。另外“難為”在《醒》中用例出現了高達54次,而逆序語“為難”用例只出現過一次,為了更好的理解“難為”在近代漢語中的用法,有必要對《醒》中“難為”進行全面考察。本文通過對《醒》中的“難為”在語義上和語法構造上進行比較分析從而闡明“難為”的使用範圍。
陳相偉(熊本大学・院)
中国語の「動詞+主語」構文について――自然現象を表す用語を中心に
一般的に、「孤立語」に属している中国語の自動詞構文は「主語+動詞」というSV型である。しかし、「下雨」、「下雪」、「涨潮」などのように、自然現象を表す場合、「動詞+主語」というVS型の組み合わせになっていることがよく見える。これも多くの日本人が中国語を学習する時、迷っている点だ。本文は先行研究を踏まえ、中日対訳コーパスから収集した例文を利用し、自然現象を表す用語における「動詞+主語」構文と「主語+動詞」構文を対照しながら、「動詞+主語」構文の特徴と成立条件を考察したい。
江冰燕(熊本大学・院)
日本語「重い/軽い」と中国語“重/轻”の一考察――五感に関わる形容詞的用法を中心に
日本語の「重い/軽い」と中国語の“重/轻(輕)”は両言語において頻繁に使われるが、必ずしも意味用法が完全に一致するとは限らない。例えば、視覚の場合、日本語では「軽い色」という言い方があるのに対し、中国語では“轻色”はほとんど使われなく、“淡色”で表すのが規則的である。本研究では日本語の重い/軽いと中国語の重/轻(輕)の触覚・味覚・聴覚・視覚・嗅覚という五感に関わる形容詞的用法に絞り、KOTONOHA「現代日本語書き言葉均衡コーパス」や「北京大学漢語言語学研究センターコーパス」(CCL)、及び中国明清時代における六つの小説に基づいて、用例をまとめた上、日中対照研究を行ってみる。
井上云云(北九州市立大学・院)
不定量を表す“点(儿)”と“”の比較研究
点(儿)”と“”は不定量を表す際に「数詞“”にしか接続できない」「修飾できる品詞の範囲は広く」「名量詞と動量詞二つの語法機能を持ちかねている」などの共通点があるが、相違点もある。然し、各自表せる「量」や修飾できる名詞・動詞・形容詞の二次元範疇等の相違について全面的な研究が少なく、論点は錯綜している。本論では、“”と“”自体及びそれぞれの慣用形式は、具象(固形・非固形)・抽象名詞、動作・程度・変化動詞、性質・状態形容詞との修飾可否を明確にし、語彙・語法・語用の三つの面から“”と“”の同異点を纏める。また、“点(儿)”と“”と日本語の「少し・ちょっと」との対応関係を考察し、両言語における不定量表現の相違を明らかにし、日本語を母語とする学習者に判断基準を提供する。
王珍(北九州市立大学・院)
汉日语歧义表现的对照研究
歧义是对一个句子的语言意义有两种或两种以上的理解的言语现象。现代汉语的歧义研究中从赵元任起,对歧义的研究涉及到各个方面。本文在前人的研究基础上,对歧义进行分类:包括语音歧义、词汇歧义、语法歧义、语义歧义、语用歧义、修辞歧义、参照系歧义以及省略歧义等类型。借用汉语研究中的歧义分类方式对日语歧义现象进行类似分类,并且对歧义产生的条件及消除歧义的方法进行考察。另外,本文以汉语为原语,日语为译语,对汉日两种语言歧义形式的对译情况进行比较分析,按(1)原语有歧义→译语有歧义;(2)原语有歧义→译语无歧义;(3)原语无歧义→译语有歧义三种情况进行考察。
会場所在地:
〒839-8502 福岡県久留米市御井町1635
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植田均(熊本大)hitoshi◆kumamoto-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)

2015年度

第2回: 2015年12月5日(土)午後1時~
熊本大学(黒髪北キャンパス)文学部法学部棟 1階(A3教室)
劉玲(新潟大学・院)
“能”と“会”の文法及び意味について-「可能」を表す場合-
中国語の可能表現の中では、助動詞“能”と“会”が文法と意味の面で交差している所があるため、両者の使い分けは常に難問として指摘される。本論は、「S+能/会+V+(O)」構文における「S」の性質を焦点にして、“能”と“会”の意味的使い分けを分析する。両者は「可能」を表す場合について、「S」が「有情」か「無情」かを焦点にして、“能”と“会”が用いられるとき、及びそのときにおける“能”と“会”それぞれに関する「S」の意味の相違を研究する。
李婷(新潟大学・院)
“不”と“没”の意味用法について ―過去を否定する“不”と“没”―
現在の中国語学界には主観と客観の視点から或いは「過去」、「現在」、「未来」を否定できるかどうかという視点から“不”と“没”を区別する。しかしながら、理由を詳しく分けないで、非常にぼんやりであると思われる。“不”と“没”は中国語の否定表現として、過去の出来事を否定することができる。しかし、“不”と“没”が過去を否定するときには区別がある。本論で構文論と意味論の観点から、理由を明らかにする。学界は過去を否定できる“不”と“没”の相違点について説得力のある理論がないから、本論は時制とアスペクトの視点から過去を否定できる“不”と“没”を比較して、区別を整理する。
丁浩(新潟大学・院)
中国語の将然相形式“快~了”、“要~了”、“该~了”の成立条件について
朱継征(2000:p.21)は将然相に「実際には動作・作用はまだ開始していないが、すでに実現態勢に入っている過程を指す」を定義した。しかし、“要~了”、“该~了”は将然相ではない構文もある。例をあげると「日本冬天最冷的地方要算北海道了。」「那家伙已经该我500块钱了,半年都没还我,你不能借他钱。」は将然相ではないことが分かる。先行研究では、“要~了”、“该~了”に関しての研究が不十分である。本報告では様々な例を挙げ、将然相である構文と将然相でない構文を徹底的に比較し、限りがある先行研究を踏まえ、改めて将然相の成立条件を明らかにする。
石亮亮(熊本大学・院)
《醒世姻缘传》中的“照依”双音复合词分析
双音动词两个构词语素之间的顺序与现代汉语中常用用法相反,可与现代汉语中的常用用法组成同素异序词。近代北方代表性的白话小说《醒世姻缘传》中的介词“照依”在当时普遍使用,到现代汉语中,介词“照依”作为旧介词退出介词系统,介词“依照”却是被广泛使用,介词“照依”在清代时逐渐衰退的同时,哪些“依据”类介词使用增多了呢。 本文选取《醒世姻缘传》中的“照依”双音复合词作为研究对象,通过对“依据”类介词的比较分析,考察“照依”的使用特点以及揭示“照依”-“依照”这对逆序语的产生、分化、淘汰和保留情况,并初步探讨其演变的原因。
王涛(熊本大学・院)
明清小説「咱(偺)」、「咱(偺)们(每)」について――使用上の歴史変遷
明清時代の白話小説の中で「咱(偺、喒)们(每)」の使用比例は次第に上がっている、それに「咱(偺、喒)」の使用比例は次第に下がる。それに、時が経つにつれて、清の中期以降、特に清の末期には、「咱(偺、喒)们(每)」が主に「咱(偺、喒)」に取って代わる。「咱(偺、喒)」は明末清初の語義は、①一人称複数(私たち)②一人称単数(私)③二人称単数(あなた)、三つがある。しかし、清の末期には、「咱(偺、喒)」に一つの語義――一人称複数(私たち、みんな)だけを残す。「+的」の連用する形を通じて、「咱(偺、喒)们(每)」の発展の歩みを速める。現代中国語にも上記のような歴史変遷が残る。
胡玉華(熊本大学・院)
“愛+VP”及相關結構的分析
在近、現代漢語中,“愛+VP”結構主要表達“喜好”和“傾向性”。该结构在表達“傾向性”的意义時,通常有著反意願的用法。與其語義、語用相近的結構有“好+VP”,且前者的反意願用法是受到後者的影響而產生的。現代漢語中的一些常用固定結構,如:“愛A不A”、“愛咋咋”,是經過概念疊加和重新整合等語法手段而產生的構式,其語義主要表達說話人的不滿情緒,有著強烈的主觀性,這些構式的產生經歷了逐漸主觀化的過程,與“愛+VP”結構也有著密切的關系。由這些構式類推而來的還有“願A不A,願咋咋、想咋咋”等。我們將對“愛+VP”、“愛咋咋”、 “愛A不A”等相關結構的語義、語用及來源進行分析。
会場所在地:
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第1回: 2015年7月4日(土)午後1時~
福岡大学文系センター15階 第5会議室
劉宇飛(新潟大・院)
中国語における可能性を表す“能”と“会”に関する研究
中国語では可能表現助動詞として、“能”と“会”がよく用いられる。呂叔湘、朱德熙、渡辺麗玲など著名な学者は“能”と“会”を多く方面から研究した。しかし、可能性の高低についての研究はまだ少ない。瀋家煊(1989)は「槪率情態」という術語を用いて「可能性」(即ち、「蓋然性」、可能性の高低)を表し、「一定>很可能>能/会>可能>0」という結論が出た。周有斌(2010)は「会>能/要>很可能>多半>0.5>可能>0」の順に可能性の高さを並べることができる。本研究では、中国語における可能性を表す助動詞“能”と“会”について、両者が可能性の高低にどのような使い分けが存在するのかを分析する。
石亮亮(熊本大・院)
以“闹热”-“热闹”这对逆序词为例考察同义逆序词的历史演变特点和原因
近代汉语上承上、中古汉语,下启现代汉语,具有重要的语学研究价值,此阶段频繁出现逆序词,它们与古代汉语、现代汉语存在千丝万缕的联系,通过对此阶段出现的逆序词的考察,对汉语词汇发展的轨迹的分析起到一定积极的作用。 本文从历时的角度, 利用同时代或历代的语料语库,选取《醒世姻缘传》中的“闹热”-“热闹”两序作为研究对象,对其在汉语史上的发展演变轨迹加以考察,通过典型性的个案分析,初步研究同义逆序词两序的产生、分化、淘汰和保留情况以及揭示其演变的特点,并初步探讨其演变的原因。
郭暁萌 (熊本大・研究生)
<水浒传>中“动词+得+补语”用法研究
“动词+得+补语”在近代汉语中,是一个重要用法。根据补语的词性不同,“得”字所表现的意思也不同。本文在前人研究的基础上,结合语料库,对“动词+得+补语”这一用法进行了研究。《水浒传》作为近代汉语的典型著作,具有一定的代表性,所以本文主要以《水浒传》为蓝本,主要解决以下两个问题:1.分析“得”后成分如果作为补语使用,需是什么词性。2.“得”后面成分为补语的情况下,“得”字的意思与词性之间的关系。本文主要通过对先行研究的归纳与整理的方法,提出自己的拙见。
趙葵欣(福岡大)
也谈“要”与“若”—19世纪末汉语官话助动词系列研究之二
《语言自迩集》“谈论篇百章”转用两个世纪前的《清文指要》时,将其中假设用法的“要”全都改为了“若”。但该书的其它部分如散语章、问答章里仍有“要”表假设的用法,同时也用“若”、“若是”、“倘若”等表假设。这一资料可以帮助解释刘祥柏(2014)提出的假设义“要”仅见于明清小说而不见于其他口语资料的疑问,并表明“要”即“若”的可能性不大。假设义“要”由表意愿的模态词语法化而来,但在用于假设分句时,已经超越模态范畴,具有文本功能。“要”的表意愿用法具有明显的主观性,发展为假设用法后,主观性削弱,是从subjective>textual function(Narrog 2012)的一个例子。
会場所在地:
福岡市城南区七隈8-19-1
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植田均(熊本大)hitoshi◆kumamoto-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)

2014年度

第2回: 2014年12月6日(土) 13:00~17:00
熊本大学黒髪北キャンパス文学部棟法学部本館1階
宮下尚子(熊本大学・非)
元曲元刊本における曾梗宕江摂入声字とその音価
中古音で入声韻尾-kを持つもの(曾梗宕江摂)のうち中原音韻の歌戈韻と蕭豪韻の双方に収録されるものについて、①元曲元刊本中の曲韻は口語音に傾き使われるのは韻尾を持つ口語音である、②入声韻尾について通説では消滅或は喉頭音化したとされるが、-k>-iのように韻尾として体系的に作用している、③曲韻に用いられる入声字は中原音韻の収録項目より多く、元曲元刊本の用字(元代漢語の音韻体系)は入声字の音韻変化という点において規則的かつ保守的であることを論じる。早期の研究長田1953、平山1960等では文言音の起源を南京方言との接触によるものと想定しており、それより早い時期に記録された『中原音韻』中の文言音の起源は今のところ不明。
石亮亮(熊本大学・院)
『醒世姻縁伝』と『児女英雄伝』から見る「同素逆序詞」の使用実態
本文は明末清初の口語章回小説『醒世姻縁伝』と清末期の武俠小説、現代中国語の上限『児女英雄伝』に使用されている「同素逆序詞」への比較考察から、二つの小説に出る「同素逆序詞」の用法と意味について分析を行い、さらに、話し言葉と書き言葉の使い分けについて考察を進める。その結果、「同素逆序詞」は明清代どのように使用されるのかを提示し、用語の意味の「消亡」、「転換」と「保留」の実態や通時的変遷の一端を明らかにする。
植田均(熊本大学)
关于近代汉语词汇语法的整理
明清时代代表性的近代汉语资料中,所有词语使用的用法共有几种? 每一个词语的使用数量又是多少? 并且要弄清楚每一章回里的出现数量。以此来弄清楚当时资料中词语的用法和数量究竟有多少? 我们想首先研究清代北方官话的作品,然后研究清代南方官话。我们收集调查所有的词汇,同时根据意义为每一个词语分类。通过对这些近代汉语词语和现代汉语词语的比较,确认义项的扩大、缩小、消失,弄清楚同音词、同义词等问题。具体地用如下此12条来分析每一个词语。A<同音词> B<误刻问题> C<在现代普通话里意义缩小的词> D<同义词•近义词>E<词语已不被使用> F<方言词> G<书面语> H<与现代汉语词性不同>I<语序问题>J<词尾>K<修辞、语境问题>L<版本问题>
秋山淳(下関市立大学)
中国語の結果構文が表す意味
村尾(2006)によれば、(1)“John hammered the metal flat”のように、英語の結果構文は既に“S+V+O+C”という構文が、「SがOをVすることでCの状態にする」という目的語の状態変化(使役義)を表す構文であるという。一方、中国語の場合、たとえば、(2)“武松打死了老虎”や(3)“张三打累了李四”のように、動詞+結果補語(以下VRとする)の形式を用いた“S+V+R+O”という構文を用いるが、(2)のように目的語の状態変化(使役義)を表すだけでなく、(3)のように主語の状態変化(非使役義)も表すことができる。本発表では、なぜ中国語の結果構文は使役義と非使役義の両方を表すことができるのかについて、考察するものである。
陳陸琴(九州大学•院)
中国語と日本語「第三者の受身文」の対照研究――結果的影響について
本発表では中国語と日本語の対照研究を通して、結果的影響の視点から「第三者の受身文」について考察を行った。「第三者の受身文」の場合、受動者は、その事態に直接関わっていないため、間接的にでも、その事態から影響を受けている必要がある。これを本発表では「結果的影響」と呼ぶことにする。結果的影響の使用状況と現れ方に関しては、日本語であれ中国語であれ、いずれの受身文にも結果的影響が存在している。日本語では、結果的影響が明示される場合もあり、明示されない場合もある。それに対し、中国語の場合には、もっと複雑な条件がある。
趙葵欣(福岡大学)
《法英华会话指南》的助动词系统——19世纪末汉语官话助动词系列研究之一
本文考察Langue Mandarine,Guide de la conversation franҫais-anglais-chinois(《法英华会话指南》,Séraphin Couvreur,1886)的助动词系统,主要得出以下结论:1.表意愿的动力模态(dynamic modality)在该书中主要用助动词“愿意”而不是“想”。表应该的道义模态(deontic modality)用“该当”,而“应该”未出现。2.“能、要”表达的模态跨越了动力、认识两个层级,显示了语法化过程伴随着主观化的进一步加强。3.“要”从动力模态>认识模态(epistemic modality)>后模态用法(postmodal uses)“将来”的语法化轨迹与van der Auwera and Plungian(1998)著名的情态语义地图一致;但“能够”、“愿意”发展出的后模态用法“祈使、劝诱”与西方语言有较大不同,而与日语有相似之处。文章还指出在该书中频繁使用的助动词“该当”的衰落及与“应该”的交替问题尚待研究。
李孟娟(熊本大学•院)
”の含む受動表現の構文的特徴
本発表は、“”の含む受動表現の構文的特徴ついて考察するものである。木村(1992)及び同氏の(2004)、(2008)、(2012)では、受動表現の成立にはVR構造(動詞V+結果補語R)が必要であると指摘する。実際にコーパスを利用し用例を分析した結果、Rは結果的補語・状態的補語・補語が伴わないというさまざまな構造が存在することが分かる。それに、“”構文と対照し、“”は一部の残留目的語が容認できることに対し、“”は残留目的語が容認できず、一種の直接目的語の受動化構文であることを論説する。
会場所在地:
〒860-8555熊本市中央区黒髪2丁目40番1号
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例会担当:
石汝杰(熊本学園大)shiruj◆kumagaku.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
第1回: 2014年7月12日(土) 13:00~
熊本学園大学四号棟 44 A教室
張婷婷(九州大学・院)
日本語の「そうですか」と中国語の“(是)这样啊”の対照研究
日本語と中国語の指示詞対照研究において、中国語は対象を自分の領域に引き寄せる傾向が強いと言われています。特に、話し手に対して同意を示したり、相槌を打ったりする時、日本語においてはよく「そうですか」、「そうか」を使うのに対して、中国語においては“原来如此”、“原来是这样”といった近称指示詞「」を使うのが一般的である。本稿は談話管理理論と認知言語学の角度から日本語の「そうですか」と中国語の“(是)这样啊”について分析を行う。
范碧琳(九州大学・院)
文末の「ものだ」「ことだ」とそれに対応する中国語に関する研究
文末の「ものだ」「ことだ」はモダリティを表す助動詞であり、様々な意味、用法、機能を持っている。日本語の文法研究には、「ものだ」「ことだ」に関する研究は非常に多いが、両者と中国語との対照研究はまだ欠如している。本発表は「ものだ」「ことだ」に対応する中国語はどのようなものがあるのか、どのような傾向を表しているのかを解明するものである。また、「ものだ」「ことだ」に対応する中国語の考察を通して、「ものだ」と「ことだ」の類似点と相違点を究明する。
任暁雪(九州大学・院)
中国語「人家」の対称用法に関する一考察
現代中国語における「人家」は人称代名詞として使用されるとき、「他人」を意味したり、自称及び他称を意味したりするだけではなく、最近対称を意味することもあるという主張を提出したが、日常生活において対称として使用するのが殆どないと言える。そこで本稿では収集した例文を基に、「人家」の対称用法という説は成立できるか、それともその用法を使用する際の条件が厳しいかということを明らかにしたい。
橋本愛(九州国際大学)
“深”とそれを巡る語の関連性について
『現代漢語詞典』には、“沉”,“重”,“好”,“坏”,“浓”,“厚”,“熟”等、語義項目部分に“程度深”と記されている語が幾つかある。上記語は多義語で、その多義を形成する構造の中で“深”と関わりを持っていると考えられる。本発表では、まず“深”という語がどのような構造を持っているのか、先行研究を基に整理した上で、“深”と上記語の関係性について認知言語学的観点から考察していく。“深”とそれを巡る語は、それぞれに共通の認知プロセスを介して繋がっており、“深”とそれを巡る語はひとつのカテゴリーを形成していることについて、初歩的な報告を行う。
王一萍(熊本学園大学・院)
19世紀の欧文資料からみる上海方言動詞「話」、「説」、「講」の史的変化
現代中国語(普通話)においては、「説」と「講」は動詞で、「話」は主に名詞として用いられ、動詞の機能はほぼ持っていない。一方、19世紀から20世紀初頭にかけての上海方言の資料においては、「話」、「説」、「講」はいずれも動詞として用いられていたが、「話」は「説」、「講」と比較すると、遥かに優勢を保っていた。しかし、上海方言がこの百数十年間で大きな変容を遂げてきたと言われている様に、「話」や「説」の動詞機能が次第に「講」に取って代わられてきたことも現今の方言辞書にて判明された。本発表は上海開港初期の在華外国人による六冊の著作の実例を利用し、「話」、「説」と「講」の語義及び文法的機能を整理しながら、語義における普通話との相違を明らかにし、更に上海方言における史的な発展の過程を辿ってみたい。
会場所在地:
〒862-0971 熊本県熊本市中央区大江2-5-1
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例会担当:
石汝杰(熊本学園大)shiruj◆kumagaku.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)

2013年度

第2回: 2013年12月7日(土)13:00~17:00
北九州市立大学 北方キャンパス D-403教室
山口要(熊本学園大学・院)
クブルールの『中国古文大辞典』から見た19世紀の官話音系
本発表では中国語音韻史の観点からクブルールの『中国古文大辞典』(Séraphin Couvreur, 1890, Dictionnaire Classique de la Langue Chinoise)の官話音系を取り上げる。主な特徴として、(1)いわゆる「尖音」、「団音」の区別が保たれている。(2)ng声母を持っている。(3) iŏ韻母を持っている。(4)iai韻母を持っている。(5)ouen韻母を持っている。(6)中古音の咸摂、山摂開口二等荘組字と三等章組字において韻母が異なる。(7)中古音の通摂合口一等幇組字、三等非組字と曽摂、梗摂開口二等幇組字、及び開口三等知系章組字を区別する。『中国古文大辞典』の官話音系の特色は、現代北京語に比べて中古音に対応している点が多いことであるが、モリソンの『字典』やメドハーストの『華英字典』と比較すると、ウィリアムズの『漢英韻府』と同様に、対応している点は僅かに少ない。
王一萍(熊本学園大学・院)
『法華字彙』に見る19世紀末の上海方言語彙――単音節形容詞を中心に
フランス出身の宣教師P. Corentin Pétillonによる『法華字彙』(Petit Dictionnaire Français-chinois,1905)は仏中対照の上海方言辞書で、当時の上海方言を忠実に記録したものである。本発表は『法華字彙』の出版背景や、体裁などを紹介した上で、その中から“稝”、“恘”、“痠”、“投”、“兴”等一部の単音節形容詞を取り上げ、更にエドキンズ(J. Edkins)やP.A.Parker等在華宣教師による著作を参照し、単音節形容詞の実例およびその拡張した語形や用例を整理し、類義語間の意味の相違、当て字の使用などに検討と分析を加え、19世紀末から20世紀初頭にかけての上海方言語彙の実態の一端を解明する試みである。
羅濟立(台湾東呉大学日本語学科副教授)
日本統治時期台湾客家語に入った三字漢語の日本語借用語 ―『廣東語辭典』(1932年)を資料に―
本発表は、日本統治時期対訳資料の『廣東語辭典』(1932年)にあらわれる三字漢語の日本語借用語を研究対象に、その語構成の特徴を明らかにすることにより、統治時期どんな日本語が台湾客家語に流入したかということを考察したものである。その結果、次の3点が明らかになった。(1)語構成パターンにおいて、2+1型の三字漢語が抽出語全体の87%を占めており、1+2型のより圧倒的に多く、造語力の強さを見せている。(2)後部一字語基では、48種の語基が使用され、1語基あたりの平均造語数が約6語となっており、平均造語数が最も多く、客家語への影響が比較的に大きい。(3)二字語基の約2~3割は日本人による造語である。その二字語基の創出はほとんどが法律政治、教育文化、病気医療、金融経済などに関係する近代の言葉である。
李智麗(熊本大学・院)
「也」、「就」を含む「岐義句」の韻律特徴
現代中国語の副詞「也」、「又」、「再」、「就」、「才」、「都」、「只」は同じ文中位置でありながら、意味的にいくつかの要素を取り立てることができる特殊的な副詞である。重音がこれらの副詞を含む「岐義句」(同音異義文)の意味解釈に重要な役割を果たしていることが従来の研究から分かっている。本発表は重音だけではなく、ポーズ、語の音節数等の韻律特徴も文の意味決定に緊密に関わっていることを明らかにする。趙元任の「軽重の型」と馮勝利の「韻律詞」等の先行研究を踏まえて、「弱化」と「韻律フレーズ」の概念を導入し、特に副詞「也」と「就」に焦点を当て、副詞の意味決定における韻律特徴の役割を探る。
陳陸琴(杭州師範大学・院/熊本大学交換留学生)
中国語における「第三者の受身文」の構文特徴に関する一考察――述語動詞が自動詞である場合
一般的に、「第三者の受身文」は日本語特有であり、中国語には存在しないと言われている。しかし、中日対訳コーパス、茅盾文学奨を受賞した作品と先行研究から収集した例文によると、中国語には「第三者の受身文」がわずかであるが、確かに存在しているということが明らかである。本稿は中日対訳コーパス、茅盾文学奨を受賞した作品と先行研究から収集した例文を持ち、先行研究を踏まえ、中国語の「第三者の受身文」の構文特徴を明らかにしたい。(本稿では述語動詞が自動詞である受身文を「第三者の自動詞受身文」と呼んでいる)
張晨迪(九州大学・院)
中国語の「有(yǒu)」についての再考察
中国語の「有(yǒu)」という語はさまざまな構文で大きな役割を果たす。しかし、従来の研究では、「有(yǒu)」の様々な用法に共通性があるにもかかわらず、別々の用法としてとらえてきた。たとえば、劉月華他(1988)は、以下のようにまとめている。(a) 屋里有人(存在)。(b) 这座桥有两层(所有)。(c) 去年国民收入又有了增长(出現)。(d) 云的种类很多,有卷云、积云、层云等(列挙)。 (e) 那条河有五百米(到達)。本発表は、「統語意味論」という新しい枠組みに基づいて、「有(yǒu)」の用法を再考察し、その統語的・意味的共通性を捉えることを目的とする。
会場所在地:
〒802-8577 北九州市小倉南区北方4丁目2番1号
アクセスマップ:
http://www.kitakyu-u.ac.jp/access/kitagata.html
例会担当:
石汝杰(熊本学園大)shiruj◆kumagaku.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
平田直子(北九州市立大学)pingzhi◆kitakyu-u.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
第1回: 2013年7月13日(土)13:00~17:00
九州大学 伊都地区比文言文棟321室
浅野雅樹(下関市立大学)
語彙学習用中国語中級テキストの一課分の構成とその試作例について
日本の大学で使用される中級レベルの中国語テキストは、中国の社会や文化などへの理解を高めるための課文を中心に編成された総合教材が圧倒的多数を占める。ヒアリング用、文法用、読解用といった内容を限定した教材も一部見られるが、使用者の語彙学習を中心に作成されていると見なせるテキストは非常に少ないという状況がある。本発表では、まず語彙教育に関する現状の課題について指導面、学習面、学習環境面の三つの側面から述べる。そして語彙学習用中国語中級テキストの作成について考察を行った上で、テキスト一課分の構成とその試作例を示す。
王一萍(熊本学園大学・院)
19世纪上海方言的“拨”字结构——以艾约瑟(J. Edkins)的语料为中心
上海方言中的“拨”字既是动词,又是介词。从语义和用法上来看,类似普通话的“给”,关于两者的异同,以及“拨”字结构在上海方言中演变的历史,即历时的研究已有诸多论述。本文以艾约瑟(J. Edkins)的两部著作:《上海方言口语语法》(A Grammar of Colloquial Chinese,as Exhibited in the Shanghai Dialect,初版1853,第2版 1868)及《上海方言词汇集》(A Vocabulary of the Shanghai Dialect, 初版1869)为主要语料,结合稍晚时期的《沪语指南》(上海美华书馆,1897)、《土话指南》(上海土山湾慈母堂第二次印,1908)等相关作品中的用例,集中讨论19世纪上海方言“拨”字结构的句法特征。
山口要(熊本学園大学・院)
ウィリアムズの『漢英韻府』から見た19世紀の官話音系
本発表では中国語音韻史の観点からウィリアムズの『漢英韻府』(Samuel Wells Williams, 1874, A syllabic dictionary of the Chinese language。2001影印本:London: Ganesha Publishing.)の官話音系を取り上げる。主な特徴として、第一に、いわゆる「尖音」、「団音」の区別が保たれている。第二に、ng声母を持っている。それは中古音の疑母字、影母字に限られる。第三に、ioh(yoh)韻母を持っている。それは中古音の宕摂三等薬韻字、江摂二等覚韻字に限られる。第四に、iai韻母を持っている。それは中古音の蟹摂佳韻字と皆韻字に限られる。第五に、中古音の咸摂、山摂開口二等荘組字と三等章組字において韻母が異なる。第六に、中古音の通摂合口一等明母字、三等非組字と通摂合口一等並母字、梗摂開口二等幇組字、及び曾梗摂開口三等知系章組字を区別する。『漢英韻府』の官話音系の特色は、声母、韻母、声調のいずれの点においても現代北京語に比べて中古音に対応している点が多いことであるが、モリソンの『字典』やメドハーストの『華英字典』と比較すると、対応している点は僅かに少ない。
王慶(九州外国語学院)
中国語語気助詞連続使用の語順制限
文末に生起する中国語の語気助詞「的,了,呢,吗,吧,啊」には、連続使用の制限があると言われている(胡明扬1981,朱德熙1982,胡裕树1992,张谊生2000など)。例えば、「还够吃三个月的呢!」は言えるのに対して、「*还够吃三个月呢的!」は言えない。「怎么,你已经知道了啊?」は言えるのに対して、「*怎么,你已经知道啊了?」は言えない。本発表では、そういった語気助詞の連続使用に関わる現象を考察し、その裏にある規則性を模索する。
李慧(九州大学・院)
日本語「たら」と中国語“呢”の対照研究―仮定条件文中の機能を中心に―
本発表は日中両言語の仮定条件文について対照研究を行うものである。管見の限り、従来、日本語「たら」と中国語“呢”の両者を対照する研究は見られない。今回の分析によって次のような知見が得られた。両者を文中の位置から見れば、日本語の接続助詞としての「たら」は一定の条件下で文中から文末へ移動し、終助詞化しており、これに対して、中国語の語気助詞としての“呢”は文末から文中に転じて、次第に接続助詞化していると判断される。また、文の焦点から見ると、両言語は共に主節から従属節へ転化していると言えよう。今回の発表では、その原因を日本語と中国語の言語構造から解明したい。
張晨迪(九州大学・院)
中国語の「有些N」目的語前置総称解釈構文
中国語には、次のような構文がある。
 (1) a. [有些人] 不值得 爱。 b. [有些人生] 不必 看懂。
上の文では、「有些N」が意味的に目的語を担い、また文の解釈としては「誰にとっても」という総称解釈が得られる。本発表は、この構文を研究の対象とする。(1)が示すように、この構文は、能願動詞を含む場合が多い。そのような場合、肯定文も成り立つが、「不」と共起すると、さらに座りがよくなる。また、能願動詞を含まない場合、「无法」とよく共起する。
 (2) [有些记忆] 无法 抹去。
「无法」は可能性を表すという点では能願動詞と同様の働きを持っていると考えられる。さらに、この構文は英語のtough構文と似た側面があるため、研究の上で、何かの手がかりになるかと期待される。
会場所在地:
福岡市西区元岡744番地
アクセスマップ:
http://suisin.jimu.kyushu-u.ac.jp/info/index.html
例会担当:
石汝杰(熊本学園大)shiruj◆kumagaku.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
西山猛(九州大学)ilsan2480◆gmail.com(◆を@に代えてご使用ください)

2012年度

第2回: 2012年12月15日(土)13:00~17:15
熊本学園大学12号館3階1232教室
侯仁鋒(県立広島大学)
中国語検定試験3級の発音部分の測定についての一考察
中国語検定試験3級は、筆記試験において41問のうち、発音を測定する問題が10問もあり、率にして24.3%占めているので、発音重視の意図が伺える。中国語発音の言語構成の規則と日本学習者の間違いやすい点を出題の基本として出された課題は、試験の妥当性が高く維持されている。一方、試験の妥当性と信頼性を些か損ないそうなところに3点気づいた。1.漢字語からピンインを無視して直接に声調を測る問題は初級者にとってふさわしい形式とは言いがたい。2.ピンイン表記の課題では、中国語にありそうもない音節を無理やり作り出して、言語構成の規則に反する例が多く見られる。3.選択肢に変量個数が多いので何を測ろうとするかが不明確になる。
羅濟立(台湾東呉大学日本語学科)
日客對譯『廣東語辭典』(1932年)に反映された台湾北部客家語としての一側面
本発表は『廣東語辭典』(1932年、以下『辭典』と略す)に反映されている台湾北部客家語の音韻特徴について記述したものである。苗栗四県音との比較を通じて、『辭典』に反映されている北部四県音は典型たる四県音ではなく、海陸方言も参入したいわゆる「四海話」の一種と考えられる。すなわち、『辭典』四県は強勢を持つ海陸音に影響を受けた「四海話」であり、音韻変化のカギは海陸音の舌葉音である。ただし、rhに侵透されておらず、はっきりした唇音+iと唇音+uiの対立、gie/ge とgai/giai の対立もないことから、その変化は自由変異の段階、一種の過渡的中間的状態を経たと考えられる。
王一萍(熊本学园大学・院)
艾约瑟记录的19世纪上海方言动词——以单音动词为中心
英国传教士艾约瑟 (J. Edkins)所著《上海方言词汇集》(A Vocabulary of the Shanghai Dialect,初版1869)等著作是使用科学方法比较全面地记录19世纪上海方言实况的著作。其中有不少极具特色的单音动词,如: 抢 'ts 'iang、噏 h'ih、舀 'yau、缚 vóh、掮 kien、着 tsáh、担 tan、掼 gwan‘、稀h'í、掇 töh、闪 sén‘、隐 'yung等,本文以此为中心,联系各种明清时期以来的历史文献和研究著作,并结合现代的上海方言,加以整理、归纳、分类,并探究其来源和演变。
王慶(九州外国語学院専任講師)
指示代名詞の多様な解釈
指示代名詞「」に疑問を表す用法があるということは、中国語母語話者の衆目の一致するところであろう。しかし、「」がなぜ疑問を表せるのか、そして、疑問以外に平叙文において「ある人」という不特定の意味、あるいは、「すべての人」という全称の意味を表す用法もあるということについては、これまであまり言及されてこなかった。そこで、本発表では、これまでの先行研究を基に集合という立場から「」には2種類の統語構造があることを提案する。「」の多様な意味解釈は、その異なる統語構造と「」,「一起」、そして文末に生起する語気助詞「」,「」との総合作用で生まれるものであることを指摘する。
趙葵欣(関西学院大学)
武汉方言句尾“它”字句考察
武汉方言里有一种在句尾用第三人称单数“[tha]”(本文记作“它”)的句子。主要有三种形式:(1)与受事标记共现的“把”字句。如“把窗户关它”;(2)没有受事标记的宾语前置句,如“盘子收它”。(3)表示听任、任凭的“尽他去冻病它”。前两者都表达对听话人的要求或希望,也就是一种表达祈使的处置句。第三类则表达说话人不满的听任情绪。前两类动词部分有三种结构:①光杆动词;②动词后带“了”;③带有结果补语。第三类则要求动词部分必须有结果补语同现。句尾“它”在这三类句式中指代功能都已减弱,主要承担的是完句和舒缓语气功能。文章最后还指出,这种句尾复指代词句在汉语方言中广泛存在,但内部差异很大,“它”的功能也表现迥异。
宮下尚子(熊本大学・非)
『元刊雑劇三十種』および『五代史平話』等元代資料における複数表示接辞〈每〉
人称代名詞に後接する複数表示接辞に関して、太田辰夫『中国語歴史文法』(江南書院、1958年)には以下のような記述がある。「元代では宋代からある《門》のほかに《每》も用いられる。前者は南方で、後者は北方で用いられた傾向がある。」(111頁)「《咱門》という南方の表記法に對し、元代の北方では《咱每》が普遍的に用いられた。この《咱毎》あるいは《咱門》の合音が《喒》である」(112頁)。『元刊雑劇三十種』における複数表示接辞は主に〈–每〉であるが、上の記述とは異なり、〈咱每〉は1例が見えるのみ、その他の1人称、2人称へ後接する〈–每〉も〈俺每〉〈您每〉〈你每〉が僅かに見えるのみで、元末の資料とされる元代漢語本老乞大の使用情況とも大きく異なる。このことが、〈–𢡛〉>〈–每〉>〈–們〉の通時的変化においてどのように位置づけられるか、『五代史平話』等の雑劇以外の元代資料も参照しつつ検討する。
李孟娟(熊本大学・院)
中国語の再帰動詞の分類について
動作の結果、動作の主体に変化の生じる他動詞を『再帰動詞』と呼び語彙的に再帰的な意味をもつ他動詞の下位分類とすることが、仁田(1982)以降、日本語学では定着している。本発表では、「再帰動詞」という概念が中国語学にも援用できることを、使役構文や授益構文の分析を中心に論じる。同様な先行研究を参照した上で、中国語においても、再帰動詞と再帰用法をもつ非再帰動詞の分類が必要なことや、これらの動詞が他動性の低い他動詞の下位分類とみなしうることを主張する。
山口要(熊本学园大学・院)
从马礼逊《字典》看19世纪汉语标准语音
马礼逊《字典》的语音有以下特点:第一,保留尖团的区别。《字典》中的舌尖前音声母及舌根音声母在齐齿呼、撮口呼韵母前没有变成舌面音。第二,保留g声母,但是只用在ae、an、ăn、ang、aou、ĭh、o、ŏ、ow韵母前,并限于中古疑母、影母字。第三,保留eŏ、yŏ韵母。不用euĕ、yuĕ韵母用eŏ、yŏ韵母也是《字典》的特点,如:觉keŏ、约yŏ。有这种异读的只有中古宕摄三等药韵、江摄二等觉韵的字。第四,中古音曾摄佳韵和皆韵字中保留eae韵母,如:阶keae、谐heae。第五,从中古音的类别来看,《字典》声母、韵母与声调与中古音的对应关系比现代标准语要整齐。
会場所在地:
熊本市中央区大江2丁目5番1号
アクセスマップ:
http://www.kumagaku.ac.jp/daigaku/map/access
例会担当:
石汝杰(熊本学園大)shiruj◆kumagaku.ac.jp(◆を@に代えてご使用ください)
第1回: 2012年7月7日(土)13:25~16:50
福岡大学文系センター15階第7会議室
宮下尚子(熊本大学・非)
〈阿〉の元代音について
〈阿〉は『中原音韻』では歌戈韻に属する。『蒙古字韻』では〈歌〉部にあり、パスパ文字〈o〉の〈平声〉に対応する韻母を持つとされる。先行研究(藤堂明保1957、佐藤昭2002等)でも〈阿〉を含む歌韻開口一等に属するものは近代漢語では円唇母音[o]に変化したとする。しかし外国資料との対応情況は上記とは矛盾する。つまり『蒙古譯語』ではモンゴル語/e/に対応。明代女真語では〈阿民〉(amin、金啓孮1984の転写)のように/a/に対応。時代が下るが『四聲通解』『單字解』では[ə]に近い音を持ち且つ「俗音」として[ʔa]を持つ。しかし、現代北京語では仏典由来の語においても〈阿〉(梵字aの音訳)はe[ɤ˥]であり、俗音=外来語とすることはできない。以上の事実をもとに、本発表では果摂〈阿〉の特殊なふるまいについて論じ、元代の音価と現代語の音価(aとe)との比較について韻書、対音資料、先行研究等により検討する。
郭楊(長崎外国語大学外国人教師)
様々な中国語の構文構造と格付与
中国語には、いまだ構造が明らかでない構文がいろいろ存在する。たとえば、主要なものだけでも、「在(zai)構文」、「把(ba)構文」、「被(bei)構文」などが挙げられる。「在(zai)」、「把(ba)」、「被(bei)」がそれらに後続する名詞句の関係は何か、それら自身は、VなのかPなのかに問題が集まっている。更に、英語で言われているCase filterでは、中国語の現象を説明できないことが明らかである(cf.「大象 鼻子 很长」)。そこで、発表者は中国語の現象に基づいて、英語とは異なる仮説によって、以上のような中国語の構文における問題の説明を試みた。
李孟娟(熊本大学・院)
中国語の使役的構文――“”構文について
周知のように、現代中国語の“”を含む構文には、さまざまな文構造と意味機能がある。発表者が注目しているのは、使役を表す“”構文の構文上の特徴である。本発表では、使役を表す“”構文の“”の後にくる動詞の特徴を考察し、再帰動詞との関わりを検討する。もし“”の後の動詞が再帰性の高い動詞の場合、文全体が使役の意味を表す。それに対して、もし“”の後の動詞が再帰性の低い動詞の場合、意味的には、使役を表すパターンと受益を表すパターンが存在しうるということが判明した。さらに、“”を含む使役表現と“”を含む使役表現の相違点も検討する。
平田直子(北九州市立大学)
常州方音における文言音について~『趙元任 程曦 吟誦遺音録』を手がかりとして~
趙元任が幼少期の教育において、郷里の方言音である常州話を用いて文言文を読み、詩を吟じていたことは『我的語言自伝』(1971)などに記されている。『趙元任 程曦 吟誦遺音録』(2008年)は、趙元任がその常州方音で吟唱した古典詩文の録音を基に、秦徳祥氏などが楽譜と音声記号に起こしたものである。本発表では、四書五経・唐詩などの文言文を常州方音の文言音で読むという伝統に着目し、『遺音録』の記録と現代常州方音とを対照させることで相違する点を明らかにし、常州方音における文言音の特徴を考察してみたい。
陳喜真(熊本学園大学大学院)
《醒世姻缘傳》中的“待”
《醒世姻缘传》中的“待”除了有“等待、等候”、“对待”、“接待、招待”等常见的含义和用法之外,还有一些比较特殊的用法,特别是其具有一种反语功能的用法。 单音节的“待”有几种特殊用法:(1)相当于“得”(děi),表示“需要”义。(2)副词,相当于:即将,就要。(3)表示使动,相当于“让”。(4)表示意愿,相当于:想 、要、打算 。还有与“待”结合而成的比较特殊的词或词组,如:表示“极想,急着要”的“极待/急待” ;表示已然的“直待”;表示“直想,打算”的“只待”; 表示已然,相当于“刚刚,才”的“才待”;表示“即将,快要”的“待中”; 表示动作的勉强或态度敷衍的“待〜不〜 ”这一结构形式。以及“待”的反语功能的用法。 通过与其他文献资料的对比分析,发现一些《醒》中的用法,未见于《金瓶梅》、《续金瓶梅》,却还存活于河南沁阳方言。
王慶(九州大学人文科学研究院専門研究員)
you(有)とdou(都)
存在を表すyou(有)に関して、Huang (1987)のような、動詞であるとみなしている見方もあれば、Tsai(2003)のような、Sentential Operatorであるとみなしている見方もある。本発表では、you(有)の2種類の意味解釈に注目し、you(有)は動詞ではなく、機能範疇(Functional Category)であると考えたい。さらに、その異なる意味解釈は、それぞれ2種類の構造から導かれると提案する。そして、この構造の違いは分配を表すdou(都)の意味解釈にも影響を及ぼすことを示す。
会場所在地:
〒814-0180 福岡市城南区七隈八丁目19-1
アクセスマップ:
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http://www.fukuoka-u.ac.jp/aboutus/facilities/map.html (キャンパス内の地図)
例会担当:
石汝杰(熊本学園大学),甲斐勝二(福岡大学)

2011年度

第2回: 2011年12月17日(土)13:30~16:35
熊本大学黒髪キャンパス内くすの木会館
JR熊本駅または交通センターよりバス
李智麗(熊本大学・院)
現代中国語副詞“”の意味解釈と音韻構造との関係について(13:35—14:25)
一般的に、中国語の語順は比較的に固定していて、文の意味を決定するのに大きな役割を果たしていると言われている。しかし、語順だけによっては、文の意味を必ずしも完全に表せない場合も存在する。本稿は現代中国語の副詞“”に注目し、“”を含む多義文の音韻的特徴を明らかにし、特にストレス(中国語学にいう「重音」)の種類、位置とその役割を解明する。特に、実現する“”の意味との関係に関する考察を試みる。さらに、他の多義的な副詞においても、音韻(重音)と意味の関係を同様に分析できることを示す。
宮下尚子(熊本大学・非)
元曲元刊本における一人称代名詞(14:25—15:15)
元曲元刊本(『元刊雑劇三十種』)に用いられる一人称代名詞には、〈我、俺〉の他にも〈偺、喒、咱、吾、某、自家〉がある。本発表では、主に〈我/俺〉の区別を中心に、(1)先行研究の紹介、(2)一人称代名詞の定義、自称詞との区別、(3)関連説明として韻書の記載と推定音価および声調(調値の推定は今後の課題でもある)、(4) 戯曲ごとの用例および単純な使用回数の検討、を行う。まとめとして、単数̶複数、単独̶属格、除外̶包括、有標̶無標といういくつかの対比のキーワードにより〈〉と〈〉の区別を論じたい。
休憩: 15:15—15:45(評議員の選出を行います)
李偉(久留米大学)
初級中国語授業におけるe-Learning小テストの応用 (15:45-16:35)
本学においては、2009年4月よりNECのi-Collabo Learningシステムを導入した。そのe-Learningシステムを利用して、中国語Iの小テスト設問集を作成した。中国語発音70問、1課10問で38課の380問合計450問の構成で、すべて4択の単一選択式の設問に統一されている。2010年度より、このe-Learning小テストの成績を30%で科目成績評価に取り入れ、中国語I履修者全員を対象に実施している。設問集データベースを利用して筆者のみ小テストを自由に作成することができるのにとどまらず、筆者の担当科目に授業担当の中国語非常勤講師全員を登録したため、彼らは自分の担当科目にこの設問集を移行し、自由に小テストを作成することもできる。これによって、小テスト設問集の共有を実現した。4択の単一選択式なので,採点をクリックして、自動的に採点する。また、小テストを実施した結果を自動的に集計でき、その集計結果を利用して、正答率や誤答の傾向などを分析することができる。今後の初級中国語教授に寄与できると考えられる。
問い合わせ:
千島英一: chishima◆kumamoto-u.ac.jp(◆を@に換えて使用してください)
秦耕司: hada◆sun.ac.jp(◆を@に換えて使用してください)
第1回: 2011年7月9日(土)13時30分~16:20時
西南学院大学1号館610教室
アクセス: 地下鉄西新駅下車(博多より15分),1番出口を右折,道路の左側
佐藤昭(北九州市立大学名誉教授)
「中国語音声学」の講義用テキストの作成について(13:35~14:25)
いまの日本で「中国語音声学」という授業科目を開設している大学はあまり多くないと思われる。しかし今後はその必要性が認識され開設する大学が増えていくと考えられる。私は大学で中国学科の学生を対象にこの授業科目を担当してきたが,今日,英語音声学や日本語音声学についてのテキストはいくつも出版されているのに,中国語音声学についてはいまだ適当なテキストがないというのが私の率直な感想である。そこで、私はこれまで講義用レジュメとして授業中に配布してきたものをもとにあらたに授業用テキストを作成してみたので,今回それを紹介しご意見をいただきたいと思う。
山口要(熊本学園大学・院)
ウィリアムズの『漢英韻府』から見た19世紀の北京語音(14:25~15:15)
本発表では音韻論の観点からウィリアムズの『漢英韻府』の北京語音を取り上げる。『漢英韻府』の声母の面で注目されることは,いわゆる「尖音」,「団音」の区別が保たれているということである。üeと並んでioという韻母が行われるのは『漢英韻府』の特徴で,この種の異読を有するのは,中古音の宕摂薬韻字,江摂覚韻字に限られる。『漢英韻府』では舌上音字及び正歯音字の両方において,文言音は歯音声母を持ち,白話音が捲舌音声母を持っている。中古音の音韻分類を基準にして,音韻史的な観点から見た『漢英韻府』の特色は,声母,韻母,声調のいずれの点においても中古音に対応している点が多いことである。
休憩: 15:15〜15:30
李智麗(熊本大学・院)
現代中国語の副詞“”の意味解釈にかかわる音調について(15:30~16:20)
取り立て機能を持つ“”によって取り立てられる要素は単なる語の並びからは確定できない。コンテキストが不明な場合や音調の情報がなければ“”を含む文の意味は曖昧である。本稿は実験音声学の手法を用い,実際の発話の中で“”を含む曖昧な文が,音響的な面,特にアクセントの置き方からどのように特定されうるのかを明らかにする。さらに、前方スコープを取る“”文の場合,“”の後の繰り返しの部分のピッチ上限が下がり,ピッチレンジが縮小する弱化現象が見られること,その一方で内包スコープの場合は,必ずしも“”の後の部分に弱化が起こらないことを音声調査と分析によって示す。

2010年度

第2回: 2010年12月18日(土)13:25〜17:30
沖縄大学3号館307教室
交通アクセス: バスかモノレールでバスターミナル下車(約20分)/沖縄バス35番(志多伯線),100番(白川線),40番・109番(多里線),那覇バス6番にて沖大前下車(約20分)
郭楊(九州大学・院)
中国語の文末遊離数量詞(13:30~14:15)
本発表は,「老师批评了不认真的学生三个(先生が叱ったのは不真面目な学生三人だ)」のような中国語の文末遊離数量詞文の構造を取り上げる。なぜ,この場合,文末遊離数量詞の係り先は目的語位置のNP「学生」に限られており,主語位置のNP「老师 (先生)」には係れないのか,さらに,なぜ自動詞文や受身文になると,主語位置のNPでも係り先になれるのかなどの問題を,文末遊離数量詞の統語的分布と意味解釈の両面を考慮して,分析する。その結果,文末遊離数量詞の構文を観察することによって,動詞の左に生起する名詞句の構造的位置が明らかになることがわかる。中国語の文構造がどのようなシステムで決定されているかを論じたい。
王慶(九州大学・院)
中国語のbei(),ba()とdou()の共起可能性(14:15~15:00)
黄(2004)では,dou()を話題位置に現れる意味焦点を量化するものであると特徴づけ,それによって,dou()がba()構文,bei()構文に生起して容認不可能になる場合を説明している。しかし,本発表では,黄(2004)と異なる判断のCheng(1995)もあることを指摘し,黄(2004)の分析に対して,bei()構文とba()構文には,構造上それぞれ2通りの可能性があり,中国語話者によって,異なる構造が選択されるため,判断の揺れが生じると提案する。さらに,本発表では,hai(),zhi()などにも拡張して考察する。
イニッド(リ イニッド)(沖縄国際大学)
広東語の人間名詞の数を表す助数詞について(15:00~15:45)
中国語の助数詞とは,基本的に指示対象の永久的かつ本質的かつ知覚的な特徴に合わせなければならない。例えば,北京語や広東語で,魚を数えるときは「○條魚」,ペンを数えるときは「○支筆」と言わなければならない。「」と「」を自由に置き換えることは出来ない。従って,話者が助数詞を自由に選択する余地が殆どないというのが定説である。しかし,本論文では,人間名詞の数や類別を表す広東語助数詞の使い方を詳しく分析した結果,話者がある程度自由に助数詞を選択できること,指示対象の特徴は必ずしも永久的かつ本質的かつ知覚的なものではないこと,更に,話者の助数詞の選択に様々な情報が隠れていることが判明した。
休憩: 15:45〜16:00
佐藤昭(北九州市立大学)
中古から現代までの中国語の音韻変化(16:00~16:45)
音韻が時代とともに変化してゆく現象を音韻変化という。音韻変化には,(A)体系的な音韻変化と(B)個別的な音韻変化がある。(A)に関しては,(1)二つの音韻が一つの音韻になる音韻統合と,(2)一つの音韻が二つの音韻に分かれる音韻分化とがある(『日本語学研究事典』明治書院,「音韻変化」の項目より)。発表者はこの説明に拠りつつ,中古(7世紀)から現代(20世紀)までの時間を7つに区分し,中国語の主要な音韻変化がそれぞれどの時間に行なわれたかを音節単位で考察しようと試みるものである。従来中国語音韻変化の研究は,音節を声母・韻母・声調の三つに分けてこの順で行なうのが通例であるが,一般の人にとって,このようなやり方は分かりにくいと思われる。
王志英(沖縄大学)
中国語の“”と“~回”の文構造とその意味について(16:45~17:30)
本発表は中国語の動詞の“”と方向補語の“~”について,構文の特徴からその意味を考える。“”と“~回”を使う時,移動する主体や対象,出発点か着点という要素が不可欠である。また,“”と“~回”の主体や対象の移動する軌道が360度から180度,往復から片道の移動という特徴を持っている。同一の物の移動を表す場合,360度の移動になるが,同一の物ではなく,同類の物なら,180度の移動が殆どである。“爸爸买回来一些水果”の“回来”は方向補語ではなく,動詞である。“爸爸买一些水果回来”という言い方に置き換えることができるからである。“爸爸”がもとの場所(家)に戻ってきたという意味を表す。
問い合わせ先:
王志英(yingwangjp[a]gmail.com/[a]を@に変えてご使用ください),秦耕司(hada[a]sun.ac.jp/[a]を@に変えてご使用ください)
第1回: 2010年7月10日(土)13:30~16:50
長崎大学環境科学部4階401教室
アクセス: JR浦上駅下車,市電長崎大学前下車,正門を入って直進
李孟娟(熊本大学・院)
日本語と中国語両言語の「態」に関する対照研究(13:30~14:15)
日本語にも中国語にも受動表現と使役表現がある。日本語の場合,受動表現は「られ」,使役表現は「させ」を用い,区別される。それに対して中国語の「让」「叫」「给」は受動表現にも使役表現にも用いられる。これが両言語間でどのように対応し,或いは対応しないか,またどういう場合受動表現かどういう場合使役表現かを日本語及び中国語の文学作品とその対訳から成るコーパスを用いて考察する。それのみならず,また対応しない場合も本発表では明らかにする。
王振宇(立命館アジア太平洋大学)
湘語蔡橋方言の“(14:15~15:00)
湘語蔡橋方言の“”は結果補語,アスペクト助詞などの用法を持っている。前者は“捡一块钱”(捡到一块钱),“买一台电视”(买到一台电视机)などのようなものであり,「動作対象(“钱”,“电视”)の獲得」を表す。一方,後者はさらに“在屋里吃饭”(在家里吃着饭)のような「動作の持続」を表す“”と,“在床上困”(在床上睡着)のような「状態の持続」を表す“”に分けられる。本発表は動詞の語彙的な意味や前置詞句(「“”+場所名詞」)の構文位置などに着目して“”の性質を考察する。
郭楊(九州大学・院)
中国語の他動詞とその前のNP(15:20~16:05)
本発表では,中国語の他動詞には,Caseを1つ付与するものと2つ付与するものとがあると仮定することによって,他動詞の前のNPが主語になるか否かが決まると主張する。つまり,主語と目的語のNPに同時にCaseを付与する他動詞の前のNPは主語であり,目的語にしかCaseを付与しない他動詞の前のNPはTopicである。中国語のTopic構文は,Case filterに違反するように見える構文であるが,本発表の主張に基づけば,さらなる仮定を必要することなく,そのまま説明できる。本発表では,いくつかの構文を用いて,この仮定を説明する。
翟勇(九州大学)
中国語再帰代名詞の処理について(16:05~16:50)
中国語の再帰代名詞(自己,他/她自己)については,これまでに統語論・機能論・意味論と語用論の面から盛んに議論されてきた(Wang & Stillings 1984; Manzini & Wexler 1987; Chen 1992; Xu 1993,1994; Huang 1994, 2001; Pan 1995, 1997; Hu & Pan 2002)。しかし,統一的な見解は得られていない。Liu(2009)は,心理言語学の視点から中国語の再帰代名詞に統一的な解釈を与えようと試みた。しかしながら,実験の方法や実験文などに問題点がある。そこで,Liu(2009)と異なる妥当な実験課題で中国語再帰代名詞の実験を行う予定である。

2009年度

平成21年12月12日(土)13:10~17:00
福岡大学8号館1階815教室
徐佩伶(九州大学・院)
中国語の「V得XP」の意味と構造(13:10-13:50)
本発表では、中国語の「V得XP」構文の特性について一般化を行う。「V得XP」はイベントの「結果」,「様態」,「程度」などを表している。先行研究では,それらが異なった構造を持つと仮定されているが,本発表では,先行研究とは異なり,共通の構造を持つと主張する。異なった解釈は「境界」という概念に基づき、XPの語彙特性と語用論の知識から派生されうる。「境界」を持たないXPの場合,イベントの「様態」の意味が導かれ,「境界」を持つXPの場合は、時間の境界と量の境界でイベントの「結果」とイベントの「程度」の意味が導かれる。この結果は程度副詞の「」との共起制限と、「」「」の交替現象から支持される。
翟勇(九州大学)
中国語の「」構文処理—英語母語話者中国語学習者に着目して—(13:50-14:30)
心理言語学において,dui-構文は非常に重要な構造を持っている。1) duiにより,NP1, NP2がともに動詞の前に現れうる。2) [NP1] [dui-NP2] [V]のdui-NP2は文頭に置くことができる。本論文では,「対」構文を取り上げ,英語を母語とする中国語学習者を対象に中国語「対」構文処理の実験を行った。実験の結果,初級学習者は位置・距離などの「知覚の方略」を用いて「対」構文処理を行い,中級学習者は「知覚の方略」だけではなく,動詞shuoを利用するという「言語的方略」も用いるようになり,習得度が高い上級学習者は即時的に動詞の語彙情報を利用する「言語的方略」に移行することが示された。
苞山武義(関西学院大学・院)
動作主移動と対象移動の事象構造(14:30-15:10)
本発表では,日本語と中国語の対照の観点から,両言語の移動事象における動作主移動と対象移動の事象構造について,主に,それら移動物と動詞との統語的選択制限と意味的制約を考察する。
休憩: 15:10-15:40
有働彰子(西南学院大学・非)
教科書の中の「台湾国語」—軽声語及び接続詞“”の発音をめぐる問題を中心に—(15:40-16:20)
所謂「台湾国語」については数多の先行研究があるが,視座が言語規範に置かれたものは多くない。しかし教育の発達した社会における言語変化には「どう教えられたか」という問題も深く関わっており,欠くべからざる視点であろう。例えば台湾では“hàn”と発音される接続詞“”の問題,また軽声語の極端な少なさについても,「国語」教科書の歴史からその関連性が見えてくる。台湾では“”の規範的発音は一貫して“hàn”であり,また軽声の重要性が強調されたのもごく短期間であった。本発表では,「国語」教科書の調査結果をもとに,台湾で「国語」が,特に「台湾国語」と呼ばれる言語現象がどのように教えられてきたかについて分析する。
千島英一(熊本大学)
「国字」(和製漢字)の広東語読音について(16:20-17:00)
「峠」「栃」「粂」「躾」「栂」…といった文字は,いわゆる国字としてよく知られている。ところが,これらの国字について,現行の多くの中日辞典では発音どころか収録すらされていない。また,中国で出版されている『日本汉字读音词典』(商务印书馆)といった工具書でも,中国伝来の文字についてはピンインが付されているが,国字については注音が付されていないことから,普通話においても,発音の手がかりになるものがきわめて乏しい。 そこで,本発表では,こうした国字をいったい広東語ではどう発音したらよいか,を検討するものである。
平成21年7月11日(土)13:00~17:00
熊本学園大学14号館5階145G室
山口要(北九州市立大学・院)
台湾語における日系借用語の言語資料分析(13:00-13:30)
本発表は台湾語における日系借用語の言語資料の調査を主とするため,まず資料を収集,整理,比較し,確実に把握しなければならない。本発表で発表者は四種類の関係する資料を収集,分析し,台湾語の日系借用語を理解できるようにした。統計結果の分析から,台湾語の日系借用語の中で最も多いのは漢字借形詞で,さらに漢字借形詞の中で最も多いのは漢字音読詞だった。純粋音訳詞及び半音半義詞と比べると,漢字借形詞は往々にして聞き分けづらく,そのため純粋音訳詞及び半音半義詞は注目されやすく,漢字借形詞は軽視されることが分かった。
有働彰子(西南学院大学・非)
台湾の「国語」に見られる「コイネ化」現象—“有没有V”式疑問文を中心に—(13:30-14:00)
dialect接触による言語体系の再編成には棲み分け,取り替え,混淆等のタイプがある。台湾でも戦後,複数のdialectが接触した結果,例えば「閩南語」と「国語」とのコード切替といった棲み分け現象が起きている。また,「閩南語」からの直接借用ではないと思われる現象—「国語」における軽声の少なさや,“有没有V”式疑問文など—は,混淆タイプの一つである「コイネ化」として捉えることもできるだろう。本発表ではこの「コイネ化」,特に“有没有V”式疑問文に焦点を当て,その起源について検討する。さらに,台湾での使用状況及び規範化に関する調査から,規範の「コイネ」に対する受容度の,相対的高さについても考える。
井上翔太
”をめぐって(14:00-14:30)
現代中国語の三人称女性代詞の“”が,いつ,どういう経緯で使用されるに至ったかについて報告したい。最初にその起源と使用を魯迅の『吶喊』を用い調査した。しかし『吶喊』所収の作品が書かれた1920年代には,“”と“”が混用されていた。“”は誰が最初に使用したのか? 雑誌『新青年』における用例を,魯迅の弟である周作人の作品について調査しながら“”の追究をした。その過程で,“”は,当時西欧の文献を中国語翻訳し,どう紹介するかを,20年代初期の作家が考えていくなかで生まれてきたことがわかった。今回は,主に劉復(劉半農)らの動きを中心に報告する。
宮下尚子
「元刊雑劇三十種」における人称代名詞の使用(14:30-15:00)
『元刊雑劇三十種』は金元代の口語を反映する資料の一つであるが,用いられている代名詞の種類は,従来,金元代の人称代名詞として呂叔湘(1985)等の先行の諸研究でとりあげられるものよりも多岐にわたる。例えば『詐妮子』では「」に相当すると思われるものに「淹,掩」があり,「」のほかに「」も見られる。二人称では「」のほか「」及び「」及び「您/恁」が混在する。中でも一人称の「」と「」,二人称の「」と「您/恁」の使用は,単/複という概念だけでは説明できない。そこで本発表では,『元刊雑劇三十種』における人称代名詞の使用状況を一覧し,平仄関係および格変化による使い分けの可能性も議論したい。
休憩: 15:00-15:30
松尾善弘(鹿児島大学名誉教授)
漱石の漢詩と平仄式(15:30-16:00)
漱石の漢詩のすばらしさを,その平仄式の検証を通して明らかにしていきたい。平安時代以降の日本漢詩人は,おおむね近体詩の作詩規則に従って多くの秀れた作品を作ってきた。それらは,作今横行している漢字並べ詩とは決して同列に並べて論ずべきものではない。では,漢(唐)詩の玉と石を峻別する基準は何か。それはまず第一に,その作品が押韻を初めとする平仄の規則に則って作られているかどうかを検証すること。第二に,詩語が漢語本来の語源に適った使われ方をしているかどうかを究明すること。第三に,語句の構造が古漢語の基本語法に沿った並び方になっているかどうかを判断することである。それは同時にわが国の訓読法批判に繫がる問題でもある。
郭麗影(熊本大学・非)
音感能力と声調学習の相関関係に関する一考察—趙元任の五度声調表記法から—(16:00-16:30)
「do re mi fa sol」五つの音階名を用いて,中国語の四つの声調を五度音程で示したのは,1928年発表した趙元任の「一套标调的字母」によってである。このような声調表記法は,日本のフリー百科事典では,「五度式」と呼んでいる。私の考えでは,「五度声調表記法」という呼び方がもっと趙の論文の主旨を反映することができると思う。その為,本論の副題目として,「五度声調表記法」という名称を使用する。五度音程で中国語の声調を表わした趙の考え方に従うと,外国人が五度音程の感覚で声調を勉強することもできる。つまり,五度音感力があれば,声調の高いハードルは簡単にクリヤーできるというのが,本発表の骨子である。
呉幸芬(熊本大学・院)
是~的”構文における“”・“”の位置変化による焦点の移動について(16:30-17:00)
漢語語法では“”は判断文に用いられる述語動詞であり,主に述語(謂語)を説明し,判断又は強調する目的で使われる動詞である。“”にはいろいろな役割があり,構造助詞や語気助詞等に用いられている。さらに動詞や目的語,連体修飾語と結びついて,名詞になりうる成分になることもある。しかし“”と組み合わされて“是~的”構文になると“”はほとんどの場合文末に置かれて,肯定や強調の語気助詞として用いられる。本稿では“是~的”構文において“”・“”の位置変化によりどの部分に焦点が当てられるのか,また“”・“”の語法的機能や意味はどのように変化するのかを四言語(閩・台・中・日)を対照比較分析することによって,考察する。

2008年度

平成20年12月13日(土)13:30~16:50
福岡大学8号館3階832教室
趙海城(九州大学・院)
連体修飾節における「V+タ」の中国語訳について(13:35-14:20)
「Ⅴ+タ」を含む連体修飾節が「動詞的」用法,「形容詞的」用法を持つとされる。従来,「動詞的」用法の「Ⅴ+タ」には,中国語では「Ⅴ+的」,「Ⅴ+了的」,「Ⅴ+結果補語+的」,「Ⅴ+趨向補語+的」の四形式が対応し,「形容詞的」用法の「Ⅴ+タ」は「A+的」で対応すると言われている。本発表は「動詞的」用法の「Ⅴ+タ」の各対応形式の使い分け,ほかの対応表現の存在,及び日本語の「Ⅴ+タ+N」連体修飾構造を中国語で非連体修飾構造で対応する場合があることとその対応条件について考察するものである。
<司会>秦耕司(長崎県立大学)
郭麗影(熊本大学・非)
中国語声調指導における一実践—「ソド」二線譜四度音感の活用という視点から—(14:20-15:05)
音感とは,一般的音の高,低などを聞き分ける能力のことを指す。本論は,学習者が既習した音感を活用するという視点から,声調指導の授業を実践した。約70年前,中国言語学の巨匠である趙元任は音階名「ド~ソ」を用いて,有名な五度声調表記法を発明した。五度声調表記法により,中国語声調の抑揚の幅は初めて「ド~ソ」の五度音程と明らかにされた。趙の声調五度表記法は,音感,音程などの概念から中国語声調指導の可能性を我々に示された。本論は趙の五度表記法を参考にして授業実践を行ったが,発話の自然的な状態を考えて,低音「ソ~ド」の四度音程を設定している。
<司会>兪稔生(長崎ウェスレヤン大学)
休憩: 15:05—15:20
楊暁安(長崎大学)
真仮性疑問句的語音区別特徴—関於「不(是)X嗎」型岐義句的語音実験— (15:20-16:05)
不(是)X嗎?」という疑問文は,真性問と仮性問の二つの意味を持っている。この文について音声実験を行うことで,我々は音声手段を通じて,「真性問」の場合は「不(是)」の部分を,「仮性問」の場合は「X」の部分を強調することが分かった。我々は実験を通して,強調するときには,主に周波数を上げると同時に,時間の長さを延ばす方法を用いていて,音の強度はあまり大きな作用がないことに気づいた。要するに,中国語「不(是)X嗎?」という疑問文では,「不(是)」と「X」両部分のFO値の高低変化,音の長さの比例的変化は,いずれも構文構造の関係と密接につながっている。それらは構文構造の形態の重要な音声標識を構成し,異なる構文構造を区別する重要な手段となる。
<司会>馮蘊澤(熊本学園大学)
松尾善弘(鹿児島大学名誉教授)
近体詩の平仄式について(16:05-16:50)
近体詩の平仄型には七/五言句とも次の四基本型がある(平声を〇,仄声を●で表示):〔平/仄起り平終り型 〇〇/●●・●〇〇〕〔平/仄起り仄終り型 〇〇/●●・〇〇●〕〔仄/平起り平終り型 ●●/〇〇・●●〇〕〔仄/平起り仄終り型 ●●/〇〇・〇●●〕。この基本平仄型をもとに,(1)奇・偶数句は〔反法〕による,(2)偶・奇数句は〔粘法〕による(但し「頭粘尾不粘」),(3)押韻は〔平声押韻〕とする,の三法則に従って作詩する。〔二四六分明(二四不同二六対)〕とは二・四・六字目は基本型通りに作れということ。〔一三五不問〕には〔救拯〕という相殺義務規則が伴う。
<司会>富平美波(山口大学)
2008年7月19日(土)13:30~16:20
福岡大学8号館815教室
佐藤昭
支部代表あいさつ(13:30-13:35)
陳喜真(北九州市立大学・院)
醒世姻縁伝》の方言と注釈(13:35-14:25)
有働彰子(西南学院大学・院
台湾戦後初期における「国語」の様相(14:25-15:15)
蒋剣波(九州大学・院)
中国語における時間表現パターンについて(15:30-16:20)

2007年度

12月8日(土)13:30~17:00
久留米大学御井キャンパスメディアセンター(800号館,4F)LL1教室
佐藤昭(北九州市立大学)
古代中国漢字音の日本語音への影響
邴勝(大連外国語学院)
中国の大学における日本語教育の現状
馮蘊澤(熊本学園大学)
補語構文分析の表層と深層—状態補語構文を例に
李偉(久留米大学)
久留米大学の中国語授業の紹介
7月7日(土)13時~17時
福岡大学A棟101教室
甲斐勝二・佐藤昭
開催校代表・支部代表あいさつ
永富健史(山口大学・非常勤)
中国語における省略表現が果たす情報伝達機能について
古賀悠太郎(北九州市立大学・院)
従『阿Q正伝』中的被動句対訳看漢日語被動表現的異同
石汝杰(熊本学園大学)
漢語方言里的送気分調現象
甲斐勝二(福岡大学)
九州地区中国語,朝鮮語担当者連絡会について

2006年度

2006年12月9日(土)13時30分~17時
長崎県立大学研究棟(正門直進)6階特別会議室
秦耕司・佐藤昭
開催校代表・支部代表あいさつ
綾垣和好(熊本学園大学・院)
時間における“上”“下”“前”“后”をめぐって
宮下尚子(久留米大学・非常勤)
中国朝鮮語の漢字語のアクセント
小川郁夫(福岡国際大学)
中国語教育における軽声語の扱い方について
李偉(久留米大学)
中国語教育におけるe-learningの利用と問題点
佐藤昭
全国大会評議会の報告と来年度の例会活動について
7月8日(土)13時30分~17時
北九州市立大学本館4階401教室
俞 稔生(長崎ウエスレヤン大学)
中国語教育における中国の歌の効用について──中国語の歌的要素を発音練習に取り入れる試み
王 振宇(鹿児島大学・院)
邵陽方言の文末助詞“着”
馬 鳳如(山口県立大学)
山東方言の調査と研究について
秋山 淳(九州大学・非)
結果補語(V1V2)の歴史的変遷について
姚 艶玲(九州大学・院)
日中両言語における「移動」事象と言語形式──移動動詞の語彙化パターンを中心に

2005年度

日本中国語学会九州支部設立大会
ご承知のように日本中国語学会の規約が改正されました。これにともない,九州支部を実体をもった研究組織に改組することとし,下記のように新しい九州支部設立大会を開催します。
3月4日(土)13:00~17:05
福岡大学文系センター15F第6会議室
佐藤 昭(支部代表:北九州市立大学)
開会あいさつ
岩田 礼(理事長)
あいさつ
評議員,事務局紹介
王 占華
九州支部の活動計画
板谷 俊生(北九大),秦 耕司(長崎県立大),甲斐 勝二(福岡大)
報告:中国語教育のとりくみ
輿水 優
記念講演:中国語教育法をめぐって
甲斐 勝二(福岡大学)
閉会あいさつ

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