北海道支部例会

更新日: 2018/10/6

2018年度

2018年9月21日(金)午後1時~
北海道大学高等教育推進機構2階・E208講義室
楊彩虹(北海道大学)
重複を表す副詞“又”“再”“还”について
重複を表す中国語の副詞“又”、“再”、“还”は以前から研究されているものの、その違いについてはまだ明らかにされていない。本研究では、これらの副詞の共通点と相違点を検討し、以下のことを明らかにした。“又”は“已然”であるのに対して、“再”、“还”は“未然”である。意味的な違いは、“又”、“再”は繰り返しを表すが、“还”は継続の意味を持っている点にある。構文的には、“又”、“还”は能願動詞の前に置くが、“再”は能願動詞の後に置くという違いがある。また、“再”は動詞の重ね型、数量詞、“请”、勧誘の“吧”と共起することができるが、“还”はできない。これらの違いを分析し、一貫した解釈を試みた。
中村真衣佳(北海道大学・院)
程度副詞“比较”と「わりと」の評価的用法における意味機能
程度副詞“比较”と「わりと」は、ともに比較を表す意味をもつが、“比较”は「わりと」よりも表す程度の幅が広いことが大島(1997)、前田(2013)により指摘されている。しかし、これらの評価的用法については、大島(1997)や謝(2010)で指摘があるのみで検討の余地を残している。本発表では、これら程度副詞の評価的用法を加藤(2016)の文脈の理論的枠組みを使用して①〈自慢〉②〈謙遜〉③〈卑下〉④〈賞賛〉⑤〈やわらげ〉⑥〈越権行為〉⑦〈中立〉という7種類に分類し対照する。そして、両者に共通の意味機能を明らかにしたうえで、“比较”と「わりと」が各々持つ特有の意味機能を明らかにする。
章天明(小樽商科大学)
语义演变和功能再生---以“就是”为例
本文主要是对“就是”的语义网络做一个构架和分析,解释“就是”的语义演变和功能再生的对应关系。“就是”在形式上从短语到副词再到语气词、连词,最后发展到独立的话语标记的虚化过程,也是语义从“表客观肯定判断--限定--评价--强调--衔接--关联--主观肯定”的演变过程。从表义的“客观叙述肯定”回到“主观强调肯定”,是一种语义上的“再归”,语义再归带来的表达功能上的变化便是“就是”具有了很强的主观语用否定功能。
路勝楠(北海道大学・院)
山東徳州方言の声母について 発表取消
本発表は、中国山東省徳州方言の若年層から得た言語データを基に、①声母体系に現れる唇歯摩擦音/v/と軟口蓋鼻音/ŋ/の由来に対する究明を試みること、②北京方言との対応関係から浮かんでくる徳州方言声母の特徴を明らかにすること、③『徳州方言志』に載っている5355個の単漢字と比較を通じて、徳州方言声母における世代差について考察することを目的としている。従来、徳州方言の音声と音韻に関する記述は、管見の限り、曹(1991)の『徳州方言志』にみられるのみであり、他に詳細な報告はない。
劉陽(東北大学・院)
述語に接続する中国語助詞「了1」の意味について
従来の研究においては、述語に接続する中国語助詞「了」、通称「了1」の意味について、「完成」と「実現」の対立、「持続」の意味の有無という2つの論争点が存在する(呂1980、劉1988、競1993、陳2007)。筆者は、フランス語やタイ語といった5つの言語における「了1」に対応すると考えられる「完了相(perfective)」を示す語の意味と対照しながら、「了1」の意味用法を分析し、①「了1」は「事態の終了」と「事態の開始」という2つの意味をもっている;②「事態の開始」は事態が持続していることを含意する;③「終了」および「開始」の意味選択、また「持続」の含意の有無は、述語の語彙的アスペクトに関係している、ということを明らかにした。
宮雪(新潟大学・院)
“~过₁”と“~完”の文法的使い分けと意味的分析を中心に 発表取消
“~过”と“~完”は二つとも動詞の後ろに置かれ、動詞とともに動作の完了を表す動結形として使用される。多くの文法学者は“~完”の語意を動作行為による動作の「完了」及び動作行為による動作に関する名詞の「完尽」という二つの意味に分けている。このため、「完了」を表せる二つの“~过”と“~完”は文法的には置き換えられる場合がよく見られる。しかし、文脈によって置き換えられない場合もある。本稿では、“~过”と“~完”が文法上置き換えられる場合における意味的なニュアンスの違いを明らかにする。また、同一文の中で置き換えることができない要因を明らかにする。
鈴木慶夏(神奈川大学)
「“(是)……的”構文」から「参考情報ぬきだし構文」へ―文法研究の成果をいかに教育用途に加工するか―
中国語教育の現場で解決が急務な課題として、中国語学の研究成果を(そのまま持ち込むのではなく)、現場の問題に合わせた加工を施し応用することがある。“(是)……的”構文は、国内外で文法研究の厚い蓄積があり、木村2012でも新たな学術的到達点が示された。しかし、教育現場では、依然として、学習者の多くが当該形式の使用を回避することや、使用すべき時に“(是)……了”を過剰に産出することが指摘されている(郭春貴2001、陆庆和2006、谢福2010、孙海平2010等)。本発表では、文法研究の成果を教育現場の課題解決に還元する加工方法について試案を提起し、基礎研究をふまえた応用研究のあり方を考察する。
会場所在地:
 北海道札幌市北区北17条西8
アクセスマップ:
 https://www.hokudai.ac.jp/bureau/property/aas/access/

2017年度

2017年9月21日(木)午後2時半~
日本医療大学付属施設「日本医療大学研修センター」
楊雯淇(北海道大学・院)
中国語談話標識“怎么说”の手続き的意味再考
中国語の談話標識「怎么说」は、複雑あるいは否定的で、微妙な情報を伝える発話の前で使われ、応答の開始、話題の推進、陳述の保持などの談話的機能や、話し手の責任の軽減や聞き手の不快感の軽減などの対人的機能を持つと考えられてきた。本発表では、「怎么说」は、話し手には発話の認知・言語表現化・伝達のいずれかのレベルに不確定性があるということを知らせることによって聞き手の高次表意の構築に制約を課す手続き的意味を持つという、関連性理論の分析を提案し、この分析によって「怎么说」の意味・機能を統一的に説明することができることを示す。最後に「活性化」の概念を用いてこの分析をさらに発展させる可能性について論じる。
林恒立(北海道大学・助教)
「ただでさえ」に相当する“都”の意味的・構文的特徴
現代中国語の副詞“都(dou1)”は、“総括”や“量化”の意味機能を持つほか、モダリティを表すこともある。一方、現代日本語には、“都”の意味機能をすべてカバー可能な副詞は存在しないものの、上述のモダリティを表す“都”については、<見越しの評価>を表す「ただでさえ」との類似性が観察される。本発表では、まず、先行研究に基づいて“都”の基本的な意味用法を確認した後、「ただでさえX{のに/のだから},さらにVP」構文に相当する“都X了,還VP”構文を取り上げ、両者の意味的・構文的特徴の対照を行う。
山田大輔(北海道大学・専門研究員)
上古から中古にかけての“矣”の機能変遷と副詞“將”との関係
中古期に文末の“矣”の使用が減少することは、孫錫信(1999)等によってすでに指摘されている。しかしながら、中古期にも『論衡』や『顔氏家訓』のように“矣”の使用が依然として高い文献が存在する。本発表は、これらの文献における“矣”は、ほとんどが、劉承慧(2007)の言うアスペクト的用法と語気的用法のうち、語気的用法を担うものであることを指摘した上で、①“矣”の語気的用法の使用が依然として高いのは、戦国期に副詞“將”の担う機能の多くを“矣”が担うようになったことに由来する、②中古期の語気的用法を主に担う“矣”が、再びアスペクト的用法を担い、唐五代によく見られる“也”へと発展していった、ということを主張する。
会場所在地:
 北海道札幌市豊平区月寒西1条4丁目3−1
アクセスマップ:
 Googleマップによる情報

2016年度

2016年9月23日(金)午後2時半~
小樽商科大学・3号館305教室
張弘悦(新潟大学・院)
結果補語における“~好”と“~成”についての比較研究
談話で多用される結果補語“~好”と“~成”は、従来の研究において、両者の文法的使い分けと意味的相違については十分に分析されてきたとは言えない。本発表では、次の3つの観点から“~好”と“~成”を分析し、両者の特性の異同を明らかにする。(1)結果補語の構文における“~好”と“~成”の振る舞いを統一的視座で検証し、両者の共通点と相違点を解明する。(2) “~好”と“~成”が動作・行為の完了を表す結果補語として機能する用例を観察しつつ意味論的観点から比較し、統一構文での置換可能性を検討し、両者の特徴を明らかにする。(3)“~好”と“~成”を動詞と目的語の機能分類の観点から比較対照する。
楊安娜(北海道大学・院)
「動詞+方向補語」と「動詞+“到”」の機能差異について
本発表では、現代中国語における「動詞+方向補語」と「動詞+“到”」の意味機能の相違に着目し、先行研究(中根2005、2008;杉村2011など)により議論されながらも、未だ解決をみない諸問題――「動詞+方向補語」と「動詞+“到”」における〈限界性〉〈過程性〉の有無、副詞「正在」との共起状況など――を検討する。このことにより、「動詞+方向補語」と「動詞+“到”」の本質的な機能差異を明らかにすることを試みる。
山田大輔(北海道大学・院)
漢訳仏典における“VP已”の機能拡張に関する一考察―時間副詞“既”との関係から
漢訳仏典では動詞句(VP)に完結動詞“已”が後接した“VP已”という形式がよく見られる。蔣紹愚(2001)は、“已”には“食”“洗”などの「持続動詞」に後接する「已1」と、“得”“到”などの「非持続動詞」に後接する「已2」の二種類があり、「已2」は原典言語の翻訳のために出現したとしている。本発表は、5世紀ごろの漢訳仏典で時間副詞“既”の使用が急増していることをもとに、「已2」の出現を言語的に可能にしたのは“既”なのではないかと考える。すなわち仏典の翻訳では、“VP已”を“既”と同様の使用環境で用いたり、両者を共起させたり(“既VP已”)することで、「已2」が生み出されたと考える。
アクセスマップ:
 http://www.otaru-uc.ac.jp/access.html

2015年度

2015年9月11日(金)午後1時~
釧路公立大学・経済学部201教室
杉村博文(大阪大学)
意合法 ― Covertカテゴリーの発見―
袁毓林(2014)《汉语意合语法的认知机制和描写体系》は、中国語のシンタクスが「以意合法为主」であると認めた上で「意合法」を「低级版本」と「高级版本」とに分け、さらに「意合」を可能にする認知基盤を紹介すると同時に、その心理的過程を操作可能にする記述体系を提示した。本発表は袁毓林(2014)に基づき、「意合法」の「低级版本」と「高级版本」の実際をより詳細に検討し、加えてその記述体系に残る問題を検討する。
丁浩(新潟大学・院)
中国語の将然相形式に関する一考察 ―“快~了”、“要~了”、“该~了”の使い分けと意味の分析を中心に―
呂叔相(1980)、劉月華(2001)、荒川清秀(2003)などは中国語の構文“快~了”、“要~了”、“该~了”の使い分けを分析し、朱継征(2000)はこれらの構文が属する中国語の将然相を「実際には動作・作用はまだ開始していないが、すでに実現態勢に入っている過程を指す。」と定義した。これらの構文の例として、“快到梅雨季节了。”、“飞机要起飞了。”、“该回家了。”などが挙げられる。これらの構文については、具体的な意味の相違を分析した研究が限られており、どんな場合に置き換えが可能あるいは不可能であるのか明らかにされていない。そこで、本研究は“快~了”、“要~了”、“该~了”の3つの構文の使い分けと意味の相違を中心に分析する。
山田大輔(北海道大学・院)
上古漢語における文末の“”の機能及び中古漢語期にかけての機能の変遷について
上古漢語における文末の“”は、中古漢語期にかけて大きく減少する。本発表は、“”の使用の減少は、機能が他の語に少しずつ受け継がれていったからであるということを指摘する。具体的には、①“”の已然(もしくはパーフェクト)の機能は時間副詞“”に受け継がれた、②“”の已然(もしくはパーフェクト)以外の用法(主に推定用法)は副詞(助動詞)の“”などに受け継がれた、ということを指摘する。
飯田真紀(北海道大学)
広東語の文末助詞“gE2”の意味変化
広東語の文末助詞“ge2”は一般に2種類の形式が区別されるが、そのうち音調の長いge2(以下“gE2”と標記)について、先行研究では、「不確かさ」や「留保」、あるいはそれとは逆に「肯定の強化」といった意味記述がなされてきた。しかし、これらの意味記述はgE2の多様な用法をうまく説明できない。そこで、本発表ではgE2に基本的な意味とそこからの意味変化を仮定し、様々な用法の広がりを説明することを試みる。すなわち、概略的には、gE2は「想定と対立する意見の提示」を基本的な意味としつつ、そこから「対立命題の存在の暗示」へと意味変化し、その結果、話し手自身の意見に「留保」をつける用法や談話接続的な用法を持つに至ったと考えられる。
賈麗穎(新潟大学・院)
結果補語“”と“”について ―文法的使い分けと意味的相違の比較研究―
結果補語の“”と“”の比較研究については陈忠(2008)が“V+完了”の受動は「複数」であれば、構文の成立し難いことを表すことを明らかにした。しかし、例えば“这辆车修完了”のように、「複数」という制限では説明できない用例があり、“”と“”の前の“V”との関係が明らかにならない。近年では動詞分類の観点から分析しようとする研究がいくつかあるが、分類する前に構文の制限をほとんどしなく、まだ不十分と思われる。本発表では“”と“”の構文論と意味論から、それぞれ分析する。その上で、統一構文での“V+完”と“V+好”を述語として、その“V”は動詞分類の観点から分析し、比較する。
楊安娜(北海道大学・院)
動詞コピー文の意味機能について
現代中国語における“他写字写得很好。”(彼は字を書くのが上手だ)のような「動詞コピー文」(「S+V+O+V+C」と表記)に関する研究は、王力(1944)以来数多く提出されている。一般的には、目的語(0)が非指示的(non-referential)であるという構文的特徴を備え、かつ「動作行為の予期せぬ結果を強調する」という意味的特徴を有するとされている。しかしながら、実際にはこのような条件からはずれた動詞コピー文も少なくない。本発表では、まず動詞コピー文を幾つかのタイプに分類した上で、それらの意味的関連性の検討を行い、動詞コピー文の意味機能について新たな見方を提示することを試みる。
山崎直樹(関西大学)、植村麻紀子(神田外語大学)、鈴木慶夏(釧路公立大学)、中西千香(愛知県立大学)、西香織(北九州市立大学)
文型からコミュニケーションに至る方法とコミュニケーションから文型に至る方法
外国語教育の目標の1つとして「コミュニケーション能力の育成」が挙げられる。この目標のために伝統的な方法で授業の設計を行うと、言語活動は次の過程で展開する……1)構造的活動>2)擬似コミュニカティブ活動>3)機能的コミュニケーション活動>4)社会的インタラクション活動。しかし、一般的な中国語の初級教科書に基づいてこの過程を辿る(=文型からコミュニケーションに至る)と、幾つかの問題点(例:より高次の活動になるほどテーマ性を失い、活動間の連携が無くなる)に直面する。本研究は、この問題点を克服する方法として「コミュニケーションから文型に至る方法」を提示し、その理論的枠組みを紹介する。
会場所在地:
 北海道釧路市芦野4−1−1
アクセスマップ:
 http://www.kushiro-pu.ac.jp/others/map.html

2014年度

2015年3月21日(土)14:30~
北海道大学・人文社会科学総合教育研究棟W309室
山田大輔(北海道大学・院)
上古から中古に至るまでのアスペクト体系の変遷に関する一考察
上古漢語におけるアスペクト体系については、Pullyblank(1994)が時間副詞の“既”“已”だけでなく、文末の“矣”もアスペクトを担う要素と考え、一つの見方を提示した。その後、時間副詞については主にMeisterernst(2005)、文末の“矣”については主に劉承慧(2007)などによってさらに研究が進められた。しかしながら、上古から中古にかけての両者の使用状況を見ると、“既”“已”には機能分化が見られ、“既”“已”と“矣”の共起関係にも変化が見られる。本発表は主に“既”“已”と“矣”の共起関係に着目し、上古から中古にかけてのアスペクト体系の変遷に関して、一つの見方を提示する。
山崎直樹(関西大学)、植村麻紀子(神田外語大学)、鈴木慶夏(釧路公立大学)、中西千香(愛知県立大学)、西香織(北九州市立大学)
学習者用文型リストに「やりとりモード(=会話モード)」が必要な理由
発表者らは現在「外国語教育のめやす―高等学校の中国語と韓国語教育からの提言」で提案されたコミュニケーション能力指標に基づき「初級中国語学習者のための文型表」を作っている。この文型表は「理解する、伝える、やりとりをする」の3モードに分かれている。「やりとりをする」というモード(=会話モード)を特に設けるのは「言語/中国語には会話モードでないと学べない重要な制約がある」からである。今回の発表では「〈協調の原理〉には従っているが統語的には非共鳴型である応答」(你有表吗?―现在九点。)「共鳴型応答における省略と待遇度の高低」「語順選択の文脈依存」(在食堂不吃饭/不在食堂吃饭)等を中心にこの点を論じる。
アクセス:
会場の人文・社会科学総合教育研究棟(W棟)は、文学部に隣接した6階の建物です。

2013年度

2014年3月15日(土)13:30~
北海道大学・人文社会科学総合教育研究棟W408室
根岸美聡(北海道大学・院)
浙江臨海方言のアスペクト表現
本発表では、呉語に属する臨海方言におけるアスペクト的機能を有する機能語を研究対象として、①発表者の調査データに基づき臨海方言のアスペクト体系を整理・紹介した上で、②そのうち〈実現相〉を表すとも言うべき“”、“[ləʔ]”の具体的な意味機能について、標準中国語の“”、“”などと対照しつつ、前項動詞の意味特徴や文の事象構造といった観点を踏まえた分析を加えることを試みる。本発表の分析を通じて、広義の実現相についての臨海方言と標準中国語との機能分担の相違を明らかにすることを目的とする。
山田大輔(北海道大学・院)
上古漢語における“”の機能について
上古漢語における“”の機能については、馬建忠(1898)以来、一般的には、文末に用いられるものは「判断」を表し、文中に用いられるものは「停頓」を表すとされている。しかしながら、「判断」では説明できない用例が数多くあり、「停頓」では文末に用いられるものとの関係が明らかにならない。近年では、「新情報」「焦点情報」といった観点から、文末、文中の“”を統一的に説明しようとする研究がいくつか出されているが、“”の機能はまだ十分には明らかになっていないと思われる。本発表では、“”が用いられている語用論的条件を考慮して用例を整理・分析し、新たな仮説を提示する。
羅沢宇(北海道大学・院)
外语接触对母语影响的过程与相关因素分析
本次报告主要报告笔者开始于2011年的一项调查([关于汉语使用情况的调查] a、b)的内容和主要结果。该调查主要目的是为了揭示接触外语(L2,本调查中为日语)是否会对自己母语(L1,本调查中为汉语)产生影响、如果有那会产生怎样的影响、哪些方面影响多一些、个体的不同属性在其中又呈现什么样的差异。调查结果首先肯定了影响的存在,也证实了影响的范围和深度与语言结构以及个人的不同属性有一定联系。在报告调查结果的同时,还会结合另一项与该调查有关的汉语使用意识方面的访问调查数据,来综合地讨论外语的接触对母语产生影响过程中的各个方面。
時崎久夫(札幌大学)
中国語の主要部補部の語順と音韻
本発表では、中国語の主要部補部の語順と音韻が相関していることを述べ、この相関が世界の言語に普遍的であることから、言語の音韻的な違いが語順を決定しているという仮説を示し、その妥当性を検討したい。橋本 (1978) は、中国語の方言が地理的および歴史的に音韻と統語の段階的変化を示していることを論じた。本研究では、変調と軽声に着目して、これらが主要部と補部の語順と相関していることを述べる。さらに、統語的に最も深い位置にある補部が変調と軽声化を受けないという一般化を示し、これは、最深部強勢 (Cinque 1993) に通じる世界の言語に普遍的な音韻と統語の関係であることを述べたい。
アクセス:
会場のW棟は文学部棟に隣接した6階建ての棟です。文学部棟までのアクセスは下記URLを参照。

2012年度

2013年3月23日(土)13:30~
北海道大学・人文社会科学総合教育研究棟(通称W棟)W308室
邱林燕(北海道大学・院)
中日受身の対照研究
中国語と日本語の受身使用には様々な制限がある。
 中国語:我的钱包被小偷偷了。 cf. 我被小偷偷了钱包。
 日本語:* 地下鉄で私の足は誰かに踏まれた。 cf. 地下鉄で私は誰かに足を踏まれた。
 中国語:* 半夜,我被孩子哭了。 cf. 半夜,我被孩子哭醒了。
 日本語:夜中、私は子供に泣かれた。
 中日両言語とも自動詞、他動詞の受身が存在する。しかし、中国語の受身と日本語の受身の成立には異なるメカニズムが働いている。本研究は両言語受身の成立を「他動性」と「受影性」に基づき検討し、両言語受身の成立メカニズムを究明することを目的とする。
羅沢宇(北海道大学・院)
母语干扰的逆向过程——日语学习者的母语汉语变化
母语干扰是二语习得研究中比较热门的一个领域,大家在学习新语言的过程中也常深有体会。但它的逆向过程——新语言对母语所造成的影响,却始终没有得到太多研究者的关注,连作为当事人本人的外语学习者,通常也没有意识到这一点。 本次报告首先简单地介绍该领域为数不多的先行研究,然后引入包括鲁迅作品等中出现的词汇、语法、篇章方面的实例,以及笔者在中国所做的汉语用法正误调查,对该现象进行一个初步的分析,并思考该现象的成因和机制。同时,也会讨论一下汉语在受日语影响过程中的特殊性。 最后,报告会总结目前已知和未解决的问题,并对本研究有可能对目前已有的翻译理论、习得指导、辞书编辑等所造成的影响做一个概观。
根岸美聡(北海道大学・院)
浙江臨海方言における“”の用法
本発表では、臨海方言で用いられる“”という機能語について、発表者の記述したデータを基に、その用法を分析し、意味拡張のプロセスについても推定を試みる。具体的には、臨海方言の“”は介詞として①授与目標②受益者③執行使役文(処置式)の被使役者④使役文の被使役者を導く用法を担うが、これらの用法に見られる意味上の、あるいは形式上の制限を整理し、さらに〈与える〉等の意味を表す動詞としての用法からの意味拡張のプロセスについて推定を試みる。また、普通話の“”との違いや、臨海方言以外の呉語で類似の機能を有する“”およびその他の介詞との違いについても言及する。
熊娟(日本学術振興会外国人特別研究員・北海道大学)
《佛說安宅神咒經》整理及相關考查
漢文佛典《佛說安宅神咒經》除了刻印本、敦煌寫本,目前還發現有日本金剛寺古寫本,比較發現刻印本、敦煌寫本、金剛寺寫本應該看作三種異本。本文依據國際佛教學大學院大學提供的圖像資料,對金剛寺寫經進行校錄整理。然後圍繞該經進行如下考查:第一、從經文中心内容以及中國特有文化語詞的使用判定該經的性質是中國人編撰的疑偽經。第二、從經典形態推測金剛寺寫本代表的異本是最初形態,敦煌寫本、刻印本代表的異本則是在金剛寺寫本的基礎上增刪修訂而成。第三、從金剛寺寫本中“非禍”“俗身”“某甲”“六道”“四生”等語言現象考訂該經的產生可能不會早於東晉。第四、對敦煌寫本中“慎護”一詞從梵語來源、詞義、結構關係詳加討論。
戸内俊介(日本学術振興会特別研究員PD・東京大学)
西周時代における非現実モダリティマーカーの「其」
戸内俊介「上古中国語における非現実モダリティマーカーの“其”」(日本中国語学会『中国語学』258号,2011年10月)で,筆者は春秋戦国時代の副詞「其」を取り上げ,これが非現実(irrealis)モダリティマーカーであるということを論証した。本発表では,さらに古い時代である西周期の資料,例えば西周金文や西周甲骨文の出土資料,及び『尚書』『毛詩』といった伝世文献を材料に,そこに見える副詞「其」について取り上げる。結論としては,西周期の副詞「其」もやはり,irrealisという視点から矛盾なく解釈できるが,その意味機能は春秋戦国時代のものとは幾分異なったところがあるということを論じる。
アクセス:
会場のW棟は文学部棟に隣接した6階建ての棟です。文学部棟までのアクセスは下記URLを参照。

2011年度

2012年3月24日(土)14:00~
北海道大学・人文社会科学総合教育研究棟(通称W棟)W408室
楊安娜(北海道大学・院)
VR了的N”構造における “”の生起条件について
結果補語をもつ動補構造(VRと記す)が連体修飾節になる場合,多くの場合“”の生起が随意的である(ex. 打碎了的花瓶打碎的花瓶)。しかし,“”の生起が義務的な場合もある(ex. 买大了的鞋*买大了的鞋)。先行研究では“V”が表す動作・行為から最も自然に予想される結果からはずれた状態“R”がおこったものである場合には,“了”の生起が義務的であるとされているが,それではうまく説明できないものがある。本発表は発話者の事態に対する認知を,知覚的—判断的というスケールから捉え直すことより,この問題を再検討することを試みる。
山田大輔(北海道大学・院)
上古漢語の語気詞“”の意味・機能について
上古漢語の語気詞“”の意味・機能に関する研究は,馬建忠(1898)以来数多く出されており,それらは内容によって,(1)「已然」という観点から説明する立場,(2)「動態」という観点から説明する立場,(3)「新情況」という観点から説明する立場,(4)「確定」という観点から説明する立場,の4つに大きく分けられる。しかしながら,“”の様々な用法を統一的に説明できる説はいまだ提出されていないように思われる。そこで本研究は,従来,用例の存在が指摘されるだけで,掘り下げた議論がほとんどなされてこなかった「条件文の後節末につく“”」や「未来を表す“”とともに用いられる“”」,「命令文に用いられる“”」などの“”を検討し,“”の意味・機能についての仮説を提示することにする。
加部勇一郎(北海道大学・専門研究員)
音で遊ぶ人々について—『鏡花縁』と『七嬉』を中心に
清代嘉慶年間の音韻学者である李汝珍と許桂林は,それぞれじしんの学問的成果を織り込んだ小説(『鏡花縁』と『七嬉』)を残している。それらはいずれも,書き手の衒学趣味が現われた作品と見なされがちであるが,その営みはまた,高度に抽象的な音韻学を一般の人々に解説するような,教育的実践の試みとも言い得るものなのである。本発表では,二人の音韻学者がどのように自作に音韻学的知識を織り込んだのかについて,小説および周辺の筆記の記述から読み解き,「空谷伝声」「双声畳韻」などのキーワードを軸にしながら,当時の言語遊戯の一側面について,文化史的な角度から述べる。
熊娟(北海道大学・JSPS外国人特别研究员)
从《佛说盂兰盆经》说起
《佛说盂兰盆经》在《大正新修大藏经》中题名为西晋竺法护译,对于这一题署学界存有异议。通过考察“罪障”、“邪魔”、“自恣日”、“四道果”、“释然”、“年年”、“床敷”、“三公”、“为可尔不”这些语言现象的使用情况,再结合文献记载和经文内容这些旁证,得出结论:《佛说盂兰盆经》应该不是西晋竺法护译经,而是假借翻译佛经的形式编撰出来的疑伪经,其写作时代最早可能是东晋姚秦。在此基础上,对与该经密切相关的“盂兰盆”这个词语进行了考察。关于它的来源历代佛教学者和近现代以来的佛学辞书聚讼不已,本文认为“盂兰盆”一词并非是来自梵语的音译外来词,它根本就没有据以翻译的梵语原词存在,应该是一个地地道道的汉语词,可能是疑伪经《佛说盂兰盆经》的编撰者创造出来的。
アクセス:
会場のW棟は文学部棟に隣接した6階建ての棟です。文学部棟までのアクセスは下記URLを参照。

2010年度

2011年3月19日(土)14:00〜
北海道大学・人文社会科学総合教育研究棟(通称W棟)W408室
山田大輔(北海道大学・院)
上古漢語指示詞の体系—「」「」「」を中心に—
発表者は,昨年の第60回全国大会において,非現場指示における「」「」は「局限・非局限」の対立を成している,ということを主張した。それをふまえ,本発表では,この「局限・非局限」が現場指示における「近指・中指」という対立とどのように関係するのかを考察する。同時に,いわゆる遠指系の指示詞「」の指示機能についても検討し,最終的に,上古漢語において「」「」「」がどのような体系を成していたのかについて一つの仮説を提示する。
成田廣子(北海道大学・院)
『拍案驚奇』における“V得”と“V了”について
近代漢語における“V得”構造は,現代漢語の状態補語・可能補語などとの関連からも興味深い研究対象である。本発表は,明末の白話小説『拍案驚奇』を資料として,(1)“V得”構造の種々の機能を分析・記述し,(2)またそのうち動作の実現・完了を表すものと,類似の文法的意味を表す“V得”との使い分け条件について検討するものである。後者については,まず“V得”と“V了”のVの種類に着目しつつ,語彙的アスペクトの観点から分析を加えることを試みる。
林恒立(北海道大学・院)
閩南語の「來去(lâi khì)」のモダリティ用法—北京語,日本語との対照を交えつつ—
北京語と同様,閩南語の“”(来る)は,本動詞の用法だけでなく,「我“來”試看mai」(私がやってみる)のように,動作主の後ろに置かれ,動作に対する積極性を表す用法を持つ。さらに閩南語には,上述の「動作主++VP」の他,「動作主+來去+VP」という用法が存在する。例えば「咱來去chhi-thô」(遊びに行こう)の場合, a)[咱 [來] [去] [chhi-thô]]やb)[咱 [來] [去chhi-thô]]と捉えることもできれば,c)[咱 [來去] [chhi-thô]]と捉えることもできる。本発表では「來去」をc)のように一纏まりで話者の意志を表すモダリティ要素と見なし,その用法について文タイプと関連付けながら分析する。
飯田真紀(北海道大学)
広東語の動態助詞“-到”と否定詞
広東語の動態助詞“-到”は,事象の存在・非存在を表す助動詞(副詞)“有/冇”と共起する場合のみ現れるが,先行研究では“-到”の意味機能は十分に明らかにされていない。本発表では,“-到”は動作・状態の「未実現から実現に至る変化」を明示する機能を担うものであり,“有V到” ,“冇V到”,“有冇V到”は動作・状態の実現という<変化>に焦点を当てた表現形式であると考える。その上で,“-到”が“有/冇”と共起するときのみ現れるのは,“有/冇”自体が動作・状態実現という<変化>に言及することができないことに起因しており,その点で広東語の否定詞“”と普通話の否定副詞“”は大きく異なることを述べる。
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