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荒野の星空

第一章/安息の荒野

「君が攻撃を始めなければ、このようなことにはならなかったのではないのかね!」
リカ・ルカ一派の蜂起から二日後、会議室にやっと招集された幹部たちに落ち着きはなく、議論が噴出していた。
ハリルは自分に向けられた言葉のつぶてに耐えていた。松明に照らされた薄暗い部屋の中で、軍部の人間は一人きりだった。シエ・ラートン隊長の行方を知る者はいない。荒野の戦闘から帰ってきたのは彼の愛馬だけだった。オスロ・ムスタ師士はこの世を去った。誰もの心を揺るがす衝撃と、親しくした者を崖から突き落とすような深い哀しみを残して。哀しく不運な裏切り者。
ハリルは会議に不慣れで、その上疲れきっていた。オスロの死やラートンの失踪だけでも十分なのに、多数の死傷者や狂信的な連中の破壊行動、戦闘の傷跡が両肩に重くのしかかる。戦闘の発端は確かにハリルの一撃だったかもしれない。しかしそれも敵の蜂起を目撃してのことだったのだが。
「オスロの裏切りは軍部の不祥事だ」
キノコのような頭をした年寄りが言った言葉は、否応無しにハリルの耳に突き刺さった。
「なんだと……?」
ハリルは隈を敷いた目で声の主をぎろりと睨みつけた。迫力はあるが威厳はない。相手は以前からオスロやラートンに言いがかりをつけたり揚げ足を取ったりと、軍部にとって面倒な文官だった。ハリルの睨みはさらりと受け流し、冷たい目線を返す。
「ずいぶん前から情報漏洩があったというではないか。オスロの両隣にいた君やラートンが気づかないとは、間抜けにも程がある」
落ち着き払った口調が、ハリルの神経を逆撫でした。
「黙れ、フリック」
ハリルはがたんと音を立てて立ち上がり、文官の方へつかつかと歩いて行った。フリックと呼ばれた老人の若い助手ネレー・ドゥーラが、ハリルを止めようと立ち上がる。
しかし老人は微笑み、なおも言葉を続けた。
「魔女のまやかしに落ちるなんぞ、オスロも人の子だったな」
ハリルはフリックの胸ぐらを掴んだ。

「やめよハリル!」
会議室の入り口に、議長のロイ・パソン、そしてその影にひっそりと夏季が立っていた。
「フリックも煽るでない。小事を起こさなくともすでに大事が起きておる。全員、余計な問題を起こすでないぞ!」
静まり返った満員の会議室を、パソンが早足で歩いていく。彼の後を、夏季が静かに追った。
「ずいぶん盛り上げてくれたのう、ええ?」
パソンがハリルを見据えて言った。
ハリルはふいと目を逸らした。
「君が話し合いが不得手なことはわしも心得ておったが。なにせオスロもラートンもいない。君にはしっかりしてもらわんと困る」
パソンはハリルの肩をぽんと叩いた。ハリルは「はい」とつぶやいた。
「副隊長、パソンさんの到着が遅れたのはわたしのせいです。すみません」
かすれた小さな声だった。ハリルは声の主を見下ろした。夏季が申し訳なさそうに頭を下げている。
「大丈夫か」顔を上げた夏季の顔色の悪さに、ハリルは驚いた。頬は土気色、唇は紫色だった。
「はい」
夏季は笑顔を見せたが、気力で立っていることは察しがついた。しかし彼女の顔つきからは、決意のようなものがにじみ出ていた。彼女より二回りも多く年を重ねたハリルでさえ圧されそうになる気迫があった。パソンに続き、彼女からも目を逸らすとは、思いもよらなかった。
「軍部は本当に終わりだな」
誰かがつぶやき、あろうことか何人かがくすくすと笑った。
彼らはまだ気づいていない。セボが本当に緊迫した状況にあること、黒い魔術によって冒されたことに。オスロが死んだことさえまだ理解できていないのではないだろうか。
それが分かっているなら笑いが起きるはずがない。ハリルは会議室の空気に違和感を覚えた。

部屋を横切るパソンの姿はハリルの物思いを断ち切った。夏季に続き、ハリルもパソンの後を追う。パソンが議長席に着き、両隣にハリルと夏季を従えた。
「早急に決めなければならない重要なことがいくつかある。いつもの前置きは割愛する。早速だが、オスロ亡き今新しい師士が必要となった。そこで提案だが、わしが臨時の師士に就くということでどうだろうか。わしならばかつて師士の役職に就いた経験もある。隊長のラートンが行方不明の今、彼に代わる人材はないだろう」
パソンが早口で、しかしはっきりとした口調で話し始めた。
「『臨時』とは、『保留』という意味にとって構わないか?」
老人の声はパソンのそれとは反対に、ゆったりとして緊張感がない。
「まさに。ラートンが帰還する可能性はまだ残されているという理由で『臨時』とする」
部屋が一斉にざわめいた。まるでパソンの言うことが信じられないとでもいうように。
「議長、三日三晩の捜索にもかかわらず彼はまだ見つかりませんが……」
ネレーが言った。先ほどの老人とは違い、逼迫した表情だった。パソンはしばらくネレーと睨み合いをする。相手の本心を探るように。
「どうもありがとう、ネレー。ときおり衝突はあったものの、君はラートンのよき仕事仲間だな。彼がそう簡単に死ぬ男だと思うか?」
ネレーは小さな声で「いいえ」と言った。しぶしぶではあるが、事実を認めていた。
「ならば、生存している可能性を信じてやってはどうだろう」
ネレーは頷くと、何かを隠すように慌てて俯き、しばらくして鼻をすすり始めた。隣のフリックは苦々しい顔で助手のネレーを凝視している。まるで、隣人が急に知らない人物とすり替わったかのように。
「そして、わしが引き続き議長の職を兼任する」
「ということは……軍部が、議決権を、握るのですな」
顔のほとんどの部分を白く長い髭に覆われている文官が、ため息混じりに言った。
「そうだ、アブラム。セボが侵略された今、これ以上軍部が主導権を持つのに適した事態はないと思うがどうだろう」
部屋は静まり返っていた。多くの年寄りは俯き加減だった。中には頭を抱える者もいる。
「乱暴な言い方で済まないが、起きたものは起きたのだ。事実を認めなければ前に進むことはできない。敵は死んだオスロやオミリアではなく、その背後にいるもっと強大な黒い影なのだ。一度は滅びたはずの魔女リカ・ルカ。実体を見なければ信じられないかもしれないが、彼女の姿を目にしたときにはもう手遅れになっていることだろう。そうなる前に、わしらは戦わなければならない。上層部が団結しない限り、国全体を団結させることは不可能だ。今この場で、役職の垣根を超えて結びつきを強くするために、努力を惜しまないという決意を固めておきたいものだのう」
「それから知っての通り、わしは軍部にも政務部にも平等に渡り合うことができる。わし自身、自ら議長継続を名乗り出るにあたって、そこがいちばん重要と考えておる。両機関の間にはずいぶんと長い間亀裂が生じていた。今こそ溝を修正して、互いに手を取り合うときであろう。仲間内の争いこそが魔女の大好物であることを忘れてはならない。何か軋轢が生じたときには、わしが調停役を申し出よう」
パソンは、有無を言わせない口調ですらすらと饒舌に並べ立てた。
「それでは決を採る。わしが師士の職に臨時で就き、引き続き議長職を兼任することに賛成の者は挙手を」
ばらばらと、手が挙がった。全会一致だった。
「ありがとう。わしはもう引退するべき年寄りだが、今こそセボのために職務を全うしたい。旧友であったオスロ・ムスタのためにもだ。どうか協力してほしい。政務部と軍部。年寄りと若者。思考と行動。論理と直感。足りない部分を互いに補っていこうではないか。オスロの二の舞は避けねばならん。事の顛末はハリルとユニが昨夜話してくれた通りだ。孤独に悩んで心が壊れたままでは負けるということを、我々は学んだ。協力こそが最大の武器となるとわしは信じたい」

「次は『使い』についてだ。これは夏季自身からの提案だが、セボにおける『使い』の立場をはっきりさせたい、ということだ。まずは夏季から皆に話がある」
パソンが手の平で夏季に立つよう促した。夏季はゆっくりと立ち上がり、顔を上げた。幹部一人ひとりの顔を確かめるようにして部屋中を見渡している間、誰も何も喋らなかった。具合が悪いことは誰が見ても分かるくらい顔は青ざめていたが、顔つきは精悍だった。夏季の鬼気迫る表情が、音を立てさせない空気を作っていた。
論理と直感……。
パソンの言葉はじわりと夏季の胸に溶けていった。乾きを覚えた大地が水分を吸い込むように、滑らかに。
ここにいる人たちに、わたしの心を直接感じてほしい。
心をぶつけなければ、心は動かない。
夏季は自分に言い聞かせた。静かに口を開いた。
「さっきパソンさんが言った、足りないところを補うという話ですが」
夏季は前置きもなく話し始めた。誰かの顔色を気にすることなく、自分の言葉を使うことに努めた。
「魔女の力には、わたしたち『使い』が対抗することになります。なぜならわたしたちはふつうの人が対抗できない力に立ち向かうための力を与えられたから。セボの人に足りないものを、わたしたち異国の人間が補うということです。そう……わたしはだんだんと自分の立場が分かってきた。それはつまり、わたしたち『使い』が、セボの人たちのために命を投げ出すということだと思います」
初めて聞いた真実であるかのように、数人の老人が顔を上げた。
「これまでの闘いだけでも、かなり危険な目に遭いました。本当です。今ここにラートン隊長がいたなら……彼にも証言してもらえただろうけど……。きっとこれからも同じように危険なことに首を突っ込まなければならないか、ひょっとしたらもっと危ないことがあるかもしれない。誰だってそうだと思いますけど、わたしたち、ただでそのような行動はできません。それ相応の見返りが欲しいのです」
「見返り」という言葉に、顔を上げた人々が再びうつむきかけた。フリックは机を指でこつこつと叩いている。しかし夏季は反発の合図に気づく素振りを見せなかった。うわべばかりの下らない嫌がらせにはもはや興味がなかった。
「わたしたちがセボの人たちに力を貸す代わりに、わたしたちにも補ってほしいものがある。……戦うための理由です」
一呼吸置いた。会議室を見回すと、皆が顔を上げ、身じろぎ一つしない。フリックですら、指の動きを止めていた。

「わたしたちを信じてください。わたしたちが戦うのは、セボの人たちのためであるということを知っていてほしい。わたしたちの力にはわたしたち自身の気持ちの持ち方がすごく大切なんです。だから、みんなに理解されて、信じてもらうことが、力を発揮するために、何よりの後押しになると思います。戦う理由としてはそういう皆さんの気持ちが欠かせないということで、わたしたち異国の『使い』の意見はまとまっています。あとは、求められたらそれに応えるだけです」

最後の言葉はするりと滑るようにして口から出た。
それは倫の言葉だった。

一日前、それを倫の口から聞いたとき、涙を溢れさせるほどの郷愁を感じた。そのときの望郷の想いは、ずしりと重く、気分を沈めた。
わたしたちはもうこんなに遠いところまで来てしまった
求められたら応えるだけ
それ以上に何があるというのだろう

「正直言って、自分から望んだ『力』じゃない」
俊の率直な言葉。
「でも。持ってしまった以上はそれがただ人を傷つけるためだけにあるなんて思いたくない」
哲の優しさが込められた言葉だ。
「この『力』にはそれ相応の理由があってほしい」
夏季自身の願い。
「だからわたしたちは、戦う理由のために戦う」
4人全員が同じ想いだった。
「わたしたちは心を決めました。セボのために立ち上がります」

「ありがとう、夏季」
ハリルが軽く礼をした。夏季は力が抜けたように、すとんと椅子に腰を落とした。
「先日彼らの成し遂げたことを考えてみてくれ。皆が気づくだろう。彼らの行動は、信頼に値すると。『風使い』の哲は、オミリアから致命傷を受けていたにも関わらず驚異的な回復力を見せ、二日前の蜂起ではセボの街を急襲から救った。彼がいなかったら『黒』の被害がどれだけ広がっていたか分からない。そして『成長の手』を持つ倫。彼女の処方で『黒』の呪いにかかった者も大事には至らなかった。また彼女は自らの力の研究に非常に熱心で、さらに強力な薬草を求めて書斎の本を読みあさっておる。文官でさえ躊躇するような古文書をもひも解いてな」
「彼女と『炎使い』の俊、そしてここにいる『水使い』夏季は、ラートンと共にオミリアの住処へと踏み込んだ。そして夏季は伝説の白龍を従え、オミリアを撃破した。これらの事実を列挙してもなお、『使い』がただの余所者であると言う者がおれば、逆に大多数の国民から非難されることだろう」
「これらを踏まえて、『使い』への信頼の証にリーダーである夏季を特別一等兵とする。正式に、幹部と同じ階級としたい。異論はあるか?」
「彼女のこれからの働きにもよりますな……」
首を横に振る者は若干名いた。しかし若いネレー・ドゥーラを含め数人は頷いている。その他の幹部はほとんどが目をつむり、俯き加減で考えこんでいる。
「決を採る。今日この時から、『使い』のリーダーを特別一等兵とすることに賛成の者は挙手を」
夏季の胸は早鐘を打っていた。鼓動に合わせて頭に鋭い痛みが走る。こめかみに触れたそうに動く自分の手を必死に制した。
賛成と反対が、丁度半分に分かれているように見えた。パソンが挙手している幹部の名を呼び、丁寧に票数を数えていく。フリックは両手をしっかりとテーブルに貼付けている。その横ではネレーが控えめに手を挙げていた。
夏季はついに我慢できなくなり、こめかみに手をあてがい痛みに耐えるように顔を歪めた。パソンをまたいでハリルが「大丈夫か」と声を掛けたが、夏季は返事をしなかった。
「賛成多数。夏季を特別一等兵とする」
パソンが力を込めて言った。半数以上の文官から賛同が得られたことに、夏季は心からほっとした。
同時に少し頭痛が和らいだ気がしたが、一瞬後には痛みが倍になっていた。
「議長、彼女が……」
初老の女性が、夏季の様子を見て、たまりかねたように言った。
「バーツさん、大丈夫です……」
夏季が嗄れた声で言った。額を一筋の汗が滴り落ちる。
「ハリル。彼女を病棟へ」
ハリルは頷き、席を立つと夏季の肩に手を掛け立つように促した。
「先ほどの君は素晴らしかった。尊敬に値する」
夏季がふらつく足取りで通りすぎると、パソンが声を掛けた。
ラートンが荒野の戦闘に向かい、夏季、倫、俊、3人の「使い」だけで城に帰ったとき、そこにはラートンはもちろん、オスロすらいなかった。これまで「使い」のいわば世話係の者たちがいなくなった。そんなときに、軍部の内情を理解しているパソンの存在はとても心強かった。これからさらに深く関わることになると感じられた。
夏季は文字通り頭が重かったため顔を上げなかったが、差し出されたしわだらけの手に一瞬触れ、涙で霞む会議室を出て行った。

「『使い』は戻って、シエだけが戻らなかったと?」
ベラの目が怒りで光ったようにニッキは感じた。
「運が悪かったのです。彼は荒野の戦闘に招集されたものと思われます。『使い』も無傷ではなかったことをお忘れなきよう……。特に『水使い』は強力な『黒』の呪いを受けたと」
「荒野に兵士を投入して、捜索しなさい!」
「荒野は目印がほとんどなく下手に動くと遭難するそうです。計測済みの土地はくまなく探しましたが、ラートン様が合流したとみられる第5部隊の手がかりは見つからなかったとのこと」
ベラはふかふかのソファに泣き伏した。ニッキはやれやれとため息をつき、ベラのために熱いミルクを用意するため、部屋を出て行こうとした。
「行かないで、ニッキ!」
ベラが涙声で呼び止める。「1人にしないで……」
「召使いがおります」
ニッキは困って、部屋の隅で、いつ始まるか分からないベラの言いつけのために待機している数人の女性たちを示した。
「わたしの話を聞いてくれるのは、あなただけですもの」
ベラはぐすぐすと泣きながら、話し続けた。
「『使い』だけが生きて帰ってくるなんて、わたしとシエにとっては不条理だわ……」
ニッキは、王女が泣き伏すソファの傍らに立ち、宙を眺めていた。天井から、白く光る繊細な飾りがぶらさがって、ちらちらと揺れている。濃い桃色のコーヒーカップ。隙間無い彫刻で装飾された白石製の鏡台。日光をふるいにかけている、真っ白なレースのカーテン。10代後半の女性には、可憐すぎた。ラートンと王女自身についての被害妄想もまた少女趣味としか思えなかった。
セボの国旗の色にちなんだ青色の窓枠だけが、妙に目立っていた。彼女は一国の頂点に立つ者であり、それは本人の幼い感情に影響されない類いの事だった。
誰か、この哀れな少女の時間を進められる者はいないだろうか。
「王女に温かいお飲物を」
ニッキは仕方なく、メイドの一人に言いつけた。メイドはあからさまに嫌な顔をして、つかつかと部屋を出て行った。

「使い」が憎い。
わたしのシエを、荒野へ連れて行ってしまったのよ。
許さないから……。
美しく泣きはらす少女は、行き場のない寂しさを当てつける標的を求めた。異国の「使い」の顔がぼんやりと思い出されたが、中でもはっきりと浮かぶのは、「水使い」の幼さを残した顔だった。
閉め切られた心の中で、憎しみは密やかに育っていく。

青白い光の中で、借り物の大きい衣服をむりやり纏っていた。不自然に開いた隙間から夜風がひゅるりと入り込む。セボの夜は涼しいが、荒野の夜は特に冷え込み、寒いくらいだった。
しかし、空気の透明度が高く、夜空を見上げれば無数の星が輝くのを目視できた。その光景に見とれたら最後、なかなか顔を戻すことができなくなる。見事な眺めだった。

「こら。勝手にベッドから出ちゃだめ!」
振り向くと、ドアから小さな頭が突き出しているのを、月明かりで確認できた。膨れっ面を、じっと見つめ返す。揺るがない静かな目線に少女はたじたじと目をそらした。
「ぼーっとしてないで戻りなさいよ」
少女はドアをぴしゃりと閉めてしまった。
何事もなかったかのように再び顔を上げ、もうしばらく夜空を見上げていた。

「きれいだろう」
今度はごろごろとした低い声だった。ドアのところに熊のようなシルエットが投影されていた。
「風邪ひいたら、せっかく助かった命も無駄になるかもしれねえ。早く中へ戻れ、エン。身体がよくなったら好きなだけ見ればいい。星空は逃げやしないさ」

これほど長く睡眠を取ったのは、いつ以来だろう。親父が死んでから、そのような記憶はないが……。

ベッドの中で考えているうち、吸い込まれるようにして、深い眠りに落ちた。
遊び疲れた少年のように静かな寝息を立て、暗闇を黒馬で駆ける夢を見た。

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