はじめに
WordPressを使い始めるユーザーの多くは、公式マニュアルを読まず、操作方法を覚える努力もせずにサイト作りを始めてしまうという現実があります。
その結果、テーマやスキンに備わっている多くの機能が十分に活用されず、せっかくの機能が無駄になってしまうことも少なくありません。
特に初心者にとって、高機能なテーマは操作の負担になることがあります。
設定方法を調べたり、使い方を覚えたりすることに時間を費やし、本来集中すべきサイト運営やコンテンツ作りがおろそかになってしまっては本末転倒です。
テーマやスキンは、導入すればそれだけで価値を発揮するものではありません。
用意された機能を理解し、目的に合わせて使いこなしてこそ、その価値を生かせます。
この記事では、実際に確認したサイトの状況を踏まえ、初心者のWordPress運営、高機能テーマやスキンの活用、維持費、そして収益化について考察します。
初心者ユーザーの現状
アクセスのあったサイトを対象に、26~30日後の状況を集計しました。
その結果、対象91サイト中14サイトは投稿が1件もなく、さらに12サイトは1ヶ月以上更新がない状態でした。
スキンは「grayish」の利用が16サイトと最も多い状況でしたが、初期状態のままで、設定がほとんど行われていないように見受けられました。
また、私が提供しているスキン「メイド・イン・ヘブン」も4サイトで利用されていましたが、設定をきちんと行えていたのは1サイトのみでした。
もちろん、見た目だけでサイト運営の状況をすべて判断できるわけではありません。
しかし、カスタマイザーから簡単に変更できる項目さえ設定されていないサイトを見ると、せめて見出しやサイトカラーくらいは調整してほしいと感じます。
せっかくテーマやスキンを導入したのですから、用意された機能を少しずつでも活用してみてはいかがでしょうか。
高機能テーマの無駄
SWELL並みに高機能であっても、その大半はまったく活用されていませんでした(草)。
正直、マニュアルを読む気もなく、操作を覚える努力もせずにWordPressを触り始める人が多すぎます。
その結果、せっかく高機能なテーマやスキンを導入しても、用意された機能を使いこなせず、時間もお金も無駄になっています。
「何かする前から挫折している」のと同じです。
これらの状況から、マニュアルを読まずWordPressを運用しようとする方は、そもそもWordPressを選ぶべきではないと感じています。
スキン設定の具体例
具体例として、Cocoonスキン「メイド・イン・ヘブン」の設定方法について書かれた、次の記事を紹介します。
この記事では、筆者がヘッダーの設定場所を見つけられず、以前は使用を諦めたことや、今回も設定方法が分からず苦労したことが書かれています。
記事によると、筆者は普段使っているCocoonと同じようにCocoon設定からヘッダーを変更しようとしたものの、設定項目が見つからなかったそうです。
そこで、最終的には外観→カスタマイズから設定できることを確認しています。
しかし、ここで疑問があります。
マニュアルの「基本機能」には、次のように記載しています。
設定場所が分からなければ、まずマニュアルを確認すればよいのです。
もちろん、マニュアルを読んでも理解できないことや、説明だけでは解決できない問題もあるでしょう。分からないこと自体を否定するつもりはありません。
しかし、マニュアルに明記されている設定場所を確認せず、普段使っている「Cocoon設定」ばかり探していたのであれば、まずは説明を読むべきではないでしょうか。
マニュアルを確認しないために設定場所が分からず、結果としてスキンの機能を活用できていない。これでは、せっかくの高機能スキンも宝の持ち腐れです。
高機能なスキンは、導入するだけで価値を発揮するものではありません。用意された機能や設定を理解し、使いこなしてこそ、その価値を生かせます。
スキンの初期設定と機能の違い
初心者がスキン「grayish」を利用する場合にも、注意したい点があります。
「grayish」は洗練されたデザインが魅力ですが、初期状態のまま利用していると、色設定などを変更しないため、ほかの利用者と似たようなデザインになりがちです。
また、サイドバーを表示せず、記事が画面の広い範囲を占めるレイアウトになることもあります。
もちろん、シンプルなデザインが悪いわけではありません。
しかし、自分のサイトに合わせた設定を行わなければ、スキンの魅力を十分に生かせない場合があります。
一方、私が提供しているスキン「メイド・イン・ヘブン」は、テーマ「SWELL」を意識したデザインを取り入れ、見出しのデザインなども選択式で自由に変更できる仕組みを採用しています。
初期状態では、あえて各種設定を行っていません。
利用者が自分の好みやサイトの方向性に合わせて設定することを前提としているためです。
そのため、初期状態だけを見ると、機能が少なく、簡素なスキンだと思われるかもしれません。
しかし、マニュアルを確認せず、設定を行わないまま利用しているのであれば、用意された機能に気づかないのも無理はありません。
実際には、デザインの選択肢やカスタマイズ機能を豊富に備えており、私としては、現在のCocoonスキンの中でも最も高機能なスキンだと考えています。
スキンは初期状態の見た目だけで評価するのではなく、用意された機能や設定方法を理解したうえで、その魅力を判断してほしいと思います。
広告過多で失われるデザイン性
これは、筆者が他サイトで使用しているスキン「grayish」についても同様のことが言えます。
洗練されたデザインが魅力のテーマ「SWELL」を使いながらも、広告にあふれたページを見かけることがあります。
広告を掲載して収益化を目指すこと自体は、何も問題ありません。
しかし、広告が記事を読む妨げになっていれば、本末転倒です。
実際に、ページを開いた途端に広告が目立ちすぎたり、記事を読み進めるうえで邪魔に感じたりすると、読む気が失せ、そのまま即離脱してしまうこともあります。
せっかく洗練されたデザインのテーマを使っていても、広告がページの大部分を占めてしまえば、その魅力は十分に伝わりません。
読者に記事を読んでもらうためのサイトなのに、広告が原因で記事を読む気を失わせてしまっては、何のためのデザインなのか分からなくなります。
これは、デザイン性の高いスキンを使っている場合も同じです。
私が提供しているスキン「メイド・イン・ヘブン」も、デザインの魅力を生かすには、広告の配置や量を考える必要があります。
テーマやスキンを選ぶ際には、デザイン性や機能性を重視しているはずです。
それなのに、広告を詰め込みすぎて、せっかくのデザインを台無しにしてしまうのであれば、もったいないと感じます。
もちろん、サイトを運営する以上、収益化も大切です。
しかし、広告収入を優先するあまり、読者の閲覧体験を損なってしまっては意味がありません。
広告が多ければ多いほど収益につながるとは限りません。
読者が記事を読む前に離脱してしまえば、そもそもコンテンツを届けることすらできないからです。
高機能なテーマやデザイン性の高いスキンを導入しても、その機能やデザインを生かせていなければ、宝の持ち腐れです。
マニュアルを確認せずに機能を活用できていないことも、広告を詰め込みすぎてデザイン性を損なっていることも、せっかく用意されたテーマやスキンの魅力を十分に生かせていないという点では共通しています。
テーマやスキンは、導入することが目的ではありません。
用意された機能を理解し、デザインを生かし、読者が快適に記事を読めるサイトを作ることが大切なのではないでしょうか。
維持費と運用の現実
サイトを運営するには、サーバーやドメインの利用料がかかります。
例えば、ロリポップの「ハイスピード」プランを月額550円で利用する場合、12ヶ月で6,600円になります。
実際の契約では、契約期間や料金体系、ドメイン費用なども考慮する必要があります。
記事を投稿せず、サイトの設定もほとんど変更しないまま放置しているのであれば、維持費だけを支払い続けることになり、非常にもったいないことです。
サイトを開設すること自体が目的になってしまい、肝心のコンテンツ作りが進まないのであれば、何のために費用をかけているのでしょうか。
一部には「FIRE」をテーマにしたサイトもありましたが、お金に無頓着なままでは、経済的自立を目指すことも難しいでしょう。
また、PageSpeed Insightsの数値を気にする方もいます。
もちろん、ページの表示速度は読者の閲覧体験に関わる重要な要素です。
しかし、数値を改善することばかりに時間を費やし、肝心の記事が充実していなければ本末転倒です。
どれだけ表示速度が優れていても、読者が読みたいと思うコンテンツがなければ、継続的な閲覧にはつながりません。
サイト運営では、テーマやスキンの設定、表示速度の改善だけでなく、読者に届けるコンテンツを充実させることにも時間を使うべきです。
収益化とコンテンツ作りの考え方
Googleアドセンスなどで広告収入を得たいのであれば、独自ドメインでサイトを運営することだけにこだわる必要はありません。
初心者の場合は、「楽天ブログ」や「はてなブログ」など、ほかのユーザーとのコミュニケーションが取りやすいブログサービスを利用する方が、読者との接点を作りやすいという利点があります。
独自ドメインのサイトとブログサービスの違い
独自ドメインでサイトを開設しても、それだけで読者が集まるわけではありません。
検索エンジンからの流入を増やしたり、SNSなどを通じて認知度を高めたりする必要があり、読者とのつながりを作るまでには時間がかかります。
一方、コミュニケーション機能を備えたブログサービスでは、ほかのユーザーの記事を読んだり、コメントや交流を通じてつながりを作ったりできます。
こうした交流は、自分の記事を知ってもらうきっかけになります。
記事を読んでくれる人が増えれば、継続的に訪問してくれる読者を獲得することにもつながるでしょう。
もちろん、ブログサービスを利用すれば必ず収益化できるわけではありません。
また、独自ドメインのサイトでも、質の高い記事を継続して発信することで読者を増やすことは可能です。
それでも、サイトを開設しただけでは読者が集まらず、交流の機会も少ない環境で一から読者を獲得するより、コミュニケーションを取りやすい環境を活用する方が、初心者にとって取り組みやすいのではないでしょうか。
読者とのつながりが収益につながる
広告収入を得るためには、広告を掲載するだけでなく、記事を読んでくれる人を増やすことが重要です。
どれだけ高機能なテーマを使っても、どれだけデザインにこだわっても、読者がいなければ収益にはつながりません。
まずは読者とのつながりを築き、継続して記事を読んでもらえる環境を作ること。
そのうえで、読者が求めるコンテンツを発信し、適切な方法で収益化を目指すことが大切です。
「信者」をまとめると「儲け」という字になる通り、継続的に記事を読んでくれる読者を増やすことが、収益化につながります。
もちろん、ここでいう「信者」とは、特定の情報や発信者を信頼し、継続的に記事を読んでくれる読者のことです。
単にアクセス数を増やすことだけでなく、読者との関係を築くことにも目を向けるべきでしょう。
独自ドメインのサイトを持つことや、高機能なテーマを導入することが、収益化の最終目的ではありません。
読者に価値のあるコンテンツを届け、その結果として収益を得ることが本来の目的ではないでしょうか。
さいごに
WordPressを使い始める初心者は、テーマやスキンの多機能に頼る前に、まず基本操作を身につけ、何を発信するのかというコンテンツ作りに集中することが重要です。
マニュアルを読まずに設定方法が分からなくなったり、使いこなせない機能に時間を費やしたり、広告を詰め込みすぎてデザイン性を損なったりしていては、せっかくのテーマやスキンの魅力を生かせません。
また、独自ドメインでサイトを開設すること自体が目的になってしまい、読者とのつながりを作れなければ、継続的な閲覧や収益化も難しくなります。
サイトを運営するのであれば、維持費に見合うだけの価値を生み出せているか、読者にとって読みやすいサイトになっているか、そして本当に必要なことに時間を使えているかを考えるべきです。
空っぽのサイトや使いこなせない機能に時間とお金を費やすよりも、記事の内容を充実させ、読者に価値を届けることを優先しましょう。


